2011/07/31

原稿料で食えそうか

大学院のプロモーションガイド用の原稿を書き始めた(読んだ人が受験したくなるような内容と文章で、という注文だが、むずかしい)。指定された分量は4000字。2000字を少し越えるところまで行った。
その昔、雑誌原稿は400字で2000円だった(ような気がする)。その計算で行けば、今日の稼ぎは1万円。一見よさそうだが、原稿依頼が同じような分量で月4本としても、月8万円。せめて、あと2万はほしい。

2011/07/30

Baron 2011:携帯電話懸念の国際比較

携帯電話への懸念:国際比較研究
要約
携帯電話によって、いつでも、どこでも、誰とでもコミュニケーションできるようになった。しかしながら、ユーザーはいつでも他者とつながることでしばしば悩まされることもある。携帯電話に対する態度を測定するため、われわれは五カ国の学生にたずねた(スウェーデン、米国、イタリア、日本、韓国)。携帯電話所有の最も好きなところと最も嫌いなところを。国を越えて共通した結果は、回答者がコミュニケーションを最も好むと同時に最も嫌っていることだ:つまり、他者とつながる可能性を享受すると同時に、常に他者とつながる可能性によって身動きが取れなくなっている。携帯電話依存への懸念は利用程度と対応している。国間の相違はサービス状況の差を反映している。他方、文化因子に由来する部分もある。

Naomi S. Baron
Concerns about mobile phones: A cross-national study
First Monday, Volume 16, Number 8 - 1 August 2011

Abstract
Mobile phones allow people to communicate when, where, and with whom they wish. However, users are often troubled to find themselves always available to others. To measure attitudes towards mobile phones, we asked students from universities in five countries what they liked most and what they liked least about having a mobile phone. Responses across all countries indicated that communication was both what subjects liked most and least — enjoying the ability to contact others but feeling trapped by other people’s ability to always contact them. Concerns about dependency on mobile phones corresponded to intensity of usage. Some distinctions between countries reflect variation in available technology, while others may result from cultural factors.

おまけ:日本は突出している(考察から)
The role of culture
Finally, we consider the role culture may play in shaping concerns about mobile phones. Our discussion is formulated in social/psychological terms: the impact of mobiles on interpersonal behavior and the impact on individuals. Let us begin with the concepts of Communication, Reachability, and Contact. Japan stands out from the other countries in its low level of complaint (‘like least’) regarding the way phones lead to perpetual contact:
・Communication: 27.2 percent of Japanese ‘like least’ responses (total for all countries: 40.9 percent)
・Reachability: 36.8 percent of Japanese ‘like least’ responses (total for all countries: 51.4 percent)
・Contact: 12.8 percent of Japanese ‘like least’ responses (total for all countries: 30.6 percent)
Socio–cultural research will be needed to confirm whether Japanese culture inhibits people from complaining about being available to potential communication partners. (Anecdotal evidence from Japanese colleagues suggests this may be the case.)

コメント
携帯電話利用の国際比較のお手本と言えるような調査だ。

蝉の声を聞きながらの訳出。夕方から雷鳴。

2011/07/29

Clay 2011:ノスタルジーの論文

過去は現在を豊かにする:実存的リソースとしてのノスタルジー
要約
本研究が検証したのは以下の前提である。ノスタルジーには実存的機能があり、それは人生の意義を裏付けることによってである。研究1によれば、ノスタルジーは人生の意義と正の関係にあった。研究2はそれを実験によって証明した。2つの研究において、ノスタルジーと人生意義の増加との結びつきは社会的つながり感によって媒介されていた。研究3は意義が脅かされることはノスタルジーを増すことを証明した。研究4は、ノスタルジーが、そうした脅かしに続く防衛を減じさせることを証明した。最後に、研究5と6が示したのはノスタルジーが意味の欠損と損傷を受けた心理学的ウェルビーイングとの結びつきを壊すことだった。全体として、これらの知見が示しているのは、実存的意味の供給がノスタルジーの重要な機能であることだ。

The past makes the present meaningful: Nostalgia as an existential resource.
Routledge, Clay; Arndt, Jamie; Wildschut, Tim; Sedikides, Constantine; Hart, Claire M.; Juhl, Jacob; Vingerhoets, Ad J. J. M.; Schlotz, Wolff
Journal of Personality and Social Psychology, Jul 25, 2011, No Pagination Specified. doi: 10.1037/a0024292

Abstract
The present research tested the proposition that nostalgia serves an existential function by bolstering a sense of meaning in life. Study 1found that nostalgia was positively associated with a sense of meaning in life. Study 2 experimentally demonstrated that nostalgia increases a sense of meaning in life. In both studies, the link between nostalgia and increased meaning in life was mediated by feelings of social connectedness. Study 3 evidenced that threatened meaning increases nostalgia. Study 4 illustrated that nostalgia, in turn, reduces defensiveness following a meaning threat. Finally, Studies 5 and 6 showed that nostalgia disrupts the link between meaning deficits and compromised psychological well-being. Collectively, these findings indicate that the provision of existential meaning is a pivotal function of nostalgia. (PsycINFO Database Record (c) 2011 APA, all rights reserved)

2011/07/28

二度目の大菩薩

学生時代の友人たちと大菩薩。

初日=恵林寺(昼)→笠取山登山口(一の瀬)。
二日目=唐松尾根分岐→大菩薩峠→賽の河原→神部岩(昼)→雷石→大菩薩嶺→雷石→唐松尾根分岐→大菩薩の湯。

どこも空いていて、貸切状態。地球上に生き残ったのはわれわれだけ、みたいな感覚だった。

天気は快晴でこそなかったが、標高2000mの大菩薩峠付近からの眺望は360度に近く、富士も目の前(左の写真)。

ブナや落葉松、笹に苔と緑を堪能できた。気温も低く、最高で22度、最低は10度台前半で涼しい。ただ、下山時のアブには参った。ずっと頭の周りを旋回された。大菩薩はアブの多さで有名らしい。

2011/07/26

Ethical

大学に行く途中、紀伊國屋書店に寄ったのだが、ここでも売り切れ。なんでも8月初めに増刷されるらしい。その足で、期待しないまま生協に行くと、1冊だけ残っていた。最終号には見覚えのある表紙の創刊号が復刻版で付いている。最終号は資料としていろいろ使えそう。

いまethicalが流行っているらしい。実際には、エシカル消費という言葉で使われ、具体的にはフェアトレードやリサイクルをさす。東京新聞には、HASUNAヴィヴィアンウエストウッドが紹介されている。
先日のヨーロッパ心理学会(ECP2011)で会ったロシアの社会心理学者はPM理論(PerformanceとMaintenance)をロシアに導入した人で、彼のオリジナルは、そのリーダーシップの第3の軸としてEthicsを導入したことだという。名称は聞き忘れたが、理論名はさしずめPEMあたりだろうか。確かに的を射ているような気がする。

2011/07/25

懐かしきこと

The King's speechを見る。内気な王の話、と言ってしまえば、それまでだが、ボクにとっては、懐かしさを覚える作品でもある。かつて、どもりだった時代があるからだ。最初にaを付けると話しやすくなるというシーンが出てきたが、日本語では「ん」がそれに相当する。ギリシャの雄弁家、デモステネスという人名も久々に聞いた。ドモリ矯正テキストに出てきたからだ。授業の参考になるヒントも得られた。ゆっくり、はっきり話そう。

見終わってからお昼を食べに行ったお店で懐かしい著者の本を見つけた。北山耕平の「自然のレッスン」。出版当時の本ではなく、ポケットサイズの新装版(2001年刊)。読んでいると、一気に80年代に逆戻り。正確には86年刊だから、ちょうど四半世紀前ということになる。家に帰って調べたら、彼のブログが見つかった。タイトルは、ネイティブハート。最新分の記述が4月と、彼の日常生活をうかがうと言う訳にはいかないが、一生懸命生きていることだけは伝わってくる。

見たのは新しい映画のはずなのに、懐かしさだけが呼び出された日だった。

2011/07/24

地デジに移行した日

前日に、1週間に1回の掃除を済ませていたので、ゆっくりできた。蝉の声もはじめて耳にした。

正午、アナログ放送が一応終了。テレビ離れが加速する中での移行。

餃子を食べたいと言うので、今日の夕食は中華料理屋さんで取ることになった。ビールと合うのだろうが、あいにく飲めないので、プーアル茶で代替。仕上げはとろーり餡のごま団子。

帰りに「ぴあ」の最終号を買おうと思ったのだが、2軒とも売り切れで手に入らなかった。手に入らないとなると、ますます欲しくなる…

2011/07/22

土用の翌日

今日のお昼は,土用の日はいつも休む{偏屈,へそ曲がり,天の邪鬼,まっとうな}うなぎやさんで、うな重にした。幸い,昨日,木曜は定休日で、断るのが楽だったらしい。
うな重,松竹梅とあり,違いがわからないまま竹を注文したら,量の違いだと言う。
土用にうなぎを食べる習慣のルールは,有名な平賀源内説以外にもいろいろあるらしい→ウィキペディア
平賀源内のお墓がある志度寺に遍路研究の際、行ったことがある。境内は荒れ気味で、源内先生もさぞ悔しかろうと思った記憶がある。

2011/07/21

三者面談

母と施設担当者と家族で老人ホームの入居面談。
それまで「入る」と言ってきた母が、いの一番に「もう先は長くないし、場所を変わりたくない」と、ふだん見せないキリッとした表情で発言。これにはボクもビックリ。入る前提で、いろいろ準備してきたからだ。しかし行くのが母である以上、入居を強制する訳にも行かない。
先の長そうな母が、今後、介護程度が増したときのことが心配だが、当面、今のままで行くことに決めた。おかげでスッキリ!

2011/07/20

台風はどこへ

台風6号(Ma-on(マーゴン)と呼ぶらしい)で駄目かもと思っていたが、幸い、彼方にそれたようで、大雨、強風、波浪とならず(東北に行かなかったのはなによりもありがたい)、予定通り、長野へ行くことにした。
宿でメールをチェックすると、『日記とはなにか』の書評(新刊紹介)が届いていた。掲載紙は「看護教育」。今回の本は看護の世界とかかわりの深い内容だっただけに、本命の雑誌に掲載されたのはうれしい(内容紹介が少しずれているのも愛嬌のうち)。

2011/07/19

節電工事

今日は明日不在分の事前補講。これで前期の授業はお仕舞い。だが、授業と言っても卒論と修論のゼミなので、実質上あまり変わらない。
さきほど、研究室の蛍光灯6本のうち、窓側の2本をはずしてもらった。構造上、1本だけ残すことはできないとのことで、こうなった。おかげで精神衛生環境も向上。

2011/07/18

日本チームの優勝

3時45分から最後まで女子サッカーワールドカップの決勝戦を見た。最初はハラハラドキドキで、先取点を入れられた時はショックだったが、その後、すぐ同点。延長戦も同じような展開で気を抜く暇がない。結局PK戦にもつれ込んで、アメリカに競り勝っての優勝。

日本チームはとにかく粘り強い。あきらめない。これが男子チームにはない、らしい。

7時すぎまで見て、その後は昼過ぎまで寝ていた。

こういう日に限って新聞は休刊日。

★つぶやき 来年度のシラバスを書いていたら、早くもサバティカルが終わった気分。

2011/07/17

これからのスタイル

炎天下、お昼を食べに駅前へ。
初めて入ったお店だ。

◆ゆるめの冷房
◆常温の水
◆自作の内装(修理が自分でできる)
◆白木のインテリア
◆無印(風)什器
◆控えめの音楽
◆禁煙
タコライスを注文。

PS.最近のカフェレストランは夫婦で経営、そして調理は男性、というケースが多い。

2011/07/16

研究会

途中でメガネを引き取ってから、大学へ。
研究室の机の上は、図書館に寄贈予定の本の山。
今日は、Weblab研究会の25回目。
報告者は立正大学の山本さん(38歳)。
こんなのを紹介してくれた。
http://hitoshi.isslab.org/tmp/
s.o.c.i.a.r.i.u.m

2011/07/15

長野も暑い

昨夜泊まったホテルは道路のあちこちに運転代行車が待っていた。そういう場所ではないはずなのに。好きな雰囲気ではない。

昨日も今日も長野は暑かった。義兄が買って来てくれたガリガリ君もあっという間にユルユル君(兄曰く「カーエアコンの温度を下げたのに」)。

家に戻ってから、大きな地震があり、新幹線も止まった。早目の帰宅で巻き込まれずにすんだ。

2011/07/14

Utz 2011:恋愛関係におけるSNSの役割

恋愛関係におけるSNSの役割:ジェラシーと幸福関係
◎要旨
SNSでは、自分の恋愛相手に関する情報を容易に入手でき、それらの情報は友人も自由に読める。本論文が焦点を当てるのは、恋愛関係におけるSNS利用の負の産物/帰結(SNSジェラシー)と、正の産物(SNSによる幸福な関係)である。われわれが検証したことは、関係に対する満足やジェラシー特性、SNS利用、人気欲求が、SNS利用のこうした情緒的産物を規定するようす、そして自尊心の持つ仲介的役割である。自尊心の低い人にとって、人気欲求はジェラシーと幸福関係を規定していた。自尊心の高い人にとって、自分をよく見せるためのSNS利用がその主要な規定因だった。自尊心の低い人は自らの自尊心の低さを理想的なイメージを作り出すことでカバーしようとする。好ましくない情報は、そのイメージを損ない、なかでも人気欲求の高い人はSNSジェラシー反応を示す。

Sonja Utz, Camiel J. Beukeboom
The Role of Social Network Sites in Romantic Relationships: Effects on Jealousy and Relationship Happiness
Journal of Computer-Mediated Communication. 16(4), 511–527, 2011

Keywords: relationship;networks;interpersonal;psychological factors
On social network sites (SNS), information about one's romantic partner is readily available and public for friends. The paper focuses on the negative (SNS jealousy) and positive (SNS relationship happiness) consequences of SNS use for romantic relationships. We examined whether relationship satisfaction, trait jealousy, SNS use and need for popularity predicted these emotional consequences of SNS use and tested the moderating role of self-esteem. For low self-esteem individuals, need for popularity predicted jealousy and relationship happiness. For high-self-esteem individuals, SNS use for grooming was the main predictor. Low-self-esteem individuals try to compensate their low self-esteem by creating an idealized picture. Undesirable information threatens this picture, and especially individuals with a high need for popularity react with SNS jealousy.

Hou 2011:ソーシャルゲームの利用と満足

ソーシャルゲームの利用と満足:ソーシャルネットワーキングとゲームのブレンディング

本研究は利用と満足アプローチをソーシャルゲームの研究に適用したものである。ソーシャルゲームとは、ソーシャルネットワーキングプラットホームに組み込まれたゲームである。社会的満足とゲーム利用満足に対するユーザーの期待が検討された。本調査はゲーム利用の3つの次元に焦点が合わせられた。つまり、ゲームの利用頻度、利用時間、熱中度である。階層的回帰分析の結果、社会的相互作用と気分転換がゲーム利用をましていた。この結果から、ソーシャルゲームには明確な社会的側面があることが示唆され、それはソーシャルネットワーキングの特徴を反映したものである。ソーシャルゲームはソーシャルメディとして説明されるべきもので、オンラインゲームの単なる一つのカテゴリーではない。

Jinghui Hou
First Monday, Volume 16, Number 7 - 4 July 2011
Uses and gratifications of social games: Blending social networking and game play

Abstract
This study applied a uses and gratifications approach to investigate social games — the game applications integrated in social networking platforms. Users’ expected social gratifications and game gratifications from playing social games were examined. The investigation focused on three dimensions of game play: frequency, duration, and engagement of game activities. A hierarchical regression analysis found that social interaction and diversion are positive predictors of game play. Results suggest that there is a distinctly social aspect to social games that reflects their social networking characteristics. Social games should be described as social media rather than as just one category of online computer games.

2011/07/13

イスタンブール

3日から9日までヨーロッパ心理学会(ECP2011)に参加するため、イスタンブールに行っていた。イスタンブールまでは12時間の旅。

今回の発表テーマは、誕生日の心理学的効果。立ち寄ってくれた人も多く、用意した30枚のハンドアウトは完売。誕生日を含め記念日のもつ効果を指摘してくれた人もいて、まずまずの成果かな、と。

イスタンブールは、確かに乾燥していて、暑いのに汗を拭く機会が少ない。着いた翌日は、のどがいがらっぽく、咳払いをすることが多かった。埃っぽいのだろうか。慣れたのか、3日目からは出なくなった。

今回の旅行で、ガイドブックに書かれていたとおりのケースを3回経験した。
(1)イスタンブール空港に着いて、空港を出た途端、現地人っぽい日本人女性から声をかけられた。「携帯貸してくれない? ちょっと時間ある?」 怪しい。
(2)向こうからやってきた靴磨きのおじさんがブラシを落としたので、拾ってあげたら、お礼に靴を磨こうと言う。断っても、断っても着いてくるので、あきらめ、磨いてもらったら、5リラを請求された。ざっと250円。断ったが、払えばよかったかな、とも
(3)観光名所のモスク付近を歩いていると、「落としましたよ」と日本語で呼び止められた。振り返ると「笑顔ですよ」。その後も、その若い男性は「どこに行くのか」を始め、いろいろ話しかけてくる。無視していると、今度は「無視すると法律で罰せられるよ」と脅迫(トルコにはそういう法律がある旨、ガイドブックに書かれている)。かれらはいろいろ研究している。

2011/07/12

出張の後始末

今回の出張の損害は2件。その後始末で吉祥寺まで出かけた。

1.予備のメガネのブリッジが割れ、その交換にイワキへ。
2.デジタルカメラのレンズに着いていたリングキャップをどこかで紛失。その注文にヨドバシカメラへ。

2011/07/09

帰国

猫の街、イスタンブールからの直行便で定刻どおりの10時に成田到着。待っていたのは蒸し暑さ。トルコ風呂のよう。

家に戻って、いっしょに近所の割烹で、じゃこご飯など、久々の和食を取った。

向こうの宿での朝食ビュッフェで特徴的だったのは、蜂蜜とヨーグルト。

匿名のままでは死ねない

 「最期は本名で迎えたい」 TBSニュース 連続企業爆破事件の「東アジア反日武装戦線」メンバー 桐島聡容疑者(70)とみられる男の身柄確保 末期がん患う 警視庁公安部  名前を明かして存在証明。