2012/08/30

亜熱帯

まだ夏休みだが、今日は会議。
夏の去る気配がしない。
外にいる限り、絶えず汗をかいている。結果として、トイレに行く回数も減っている。
汗は人によってかく場所がちがうらしい。
ボクの場合は、手の甲と背中。
生物学的機序は同じはずなのに不思議だ。
最高気温の34度はマニラより暑い。
マニラやシンガポールでも31度。
どうなってしまったのだろう。

2012/08/29

奥付がすごいことになっている

先日の研究会で、できたばかりの本を見せてもらった。以前出したものの改訂版。「奥付に注意」と言われたので、見ると、確かにすごい。以前はなかったような新種のクレームがいろいろ来ているのだろう。古書店で買ったものまで交換を申し出るとはびっくり、唖然。

乱丁本、落丁本は購入書店明記のうえ、小社制作部宛にお送りください。

但し、古書店で購入されたものについてはお取替できません。定価は表紙に表示してあります。
本誌の無断複製(コピー、スキャン、デジタル化)は禁じられています

2012/08/28

「そう」意識

今日の東京新聞「こちら特報部」は秘密保全法制。その記者コメント、以下のように書かれている。

「国がそうひどいことをするはずがない」という了解がある。だが、それが単なる思い込みでしかなかったことは福島原発事故で学んだ。秘密保全法制と付随する秘密裁判もそうした類だ。遠い話と思うなかれ。ナショナリズムは排外主義が充満した社会では、ちょっとした弾みで社会は暗転する。(牧デスク)

 戦争も「ひどいこと」なのに。それとも、戦争は「そうひどいこと」に入らないのだろうか。

 「了解」は生きている。文中にある「そう」という意識も、そのおばけに貢献している。もし、これが「国がひどいことをするはずがない」であれば、大半が否定するはずだ。ひどさの程度を問わないからだ。あいまいな形容詞は要注意。実際、論文では形容詞の使用は原則禁止。

2012/08/27

一緒でなければ勝てない


土曜、日曜と仕事に出ると、曜日感覚が狂う。今日は日曜日のようだ。

夜「プロフェッショナル」で、浅利妙峰さん主演の塩麹発見ドラマを見た。番組の後半は、富山の麹屋さん「法野麹店」の再興過程。

気になって検索すると、ホームページがヒットした。
http://misoya.nanto-e.com/(上の写真)
せっかく話題になっているのに、と思ったら、下にリダイレクトボタンがある。
これをクリックする。
http://www.hounokoujiten.jp/(下の写真)
雰囲気が全然違う。洗練されている。物語がたっぷり盛り込まれている。断然、こちらがいい。
こんな一文もある。「いまだに、たくさんある麹屋さんの中で、どうして当店に声がかかったのかわかりませんが、動くなら今・決めたら迷わないとつぶやいています」。浅利さんが声をかけてきた理由だ。

きっと明日は客が殺到することだろう。

番組中の浅利さんの言葉で気に入ったのは「一人勝ちに未来はない」。そう、未来を作るのは共存共栄!

☆塩麹を知ったのは、ちょうど半年前。お世話になり放し。

2012/08/26

オープンキャンパスの連ちゃん

昨日と今日はオープンキャンパスの第2セッション。どちらも暑い中での実施。この2日は高校の夏休み最後の土日で、オープンキャンパスを実施するところが多い。

昨日は留学生も参加していたが、休日の今日はゼロ。曜日によって、参加者の層が違うようだ。

ボクの主な担当は学部説明会。初回の7月はスライドなし、配付資料ありでやったが、力量不足を感じ、今回はスライドを用意した。
スクリーンが左右に2つある。だから、教壇上を歩いて説明するとき、どちらのスクリーンで指示しようか迷う。せっかく2画面あっても、聴衆はボクのいる方のスクリーンしか見ない。コンピュータ上でカーソルを動かせばいいのかもしれないが、それだと聴衆を見ることができない。そういう意味では大きなスクリーン1つの方がいい。

初回との違いはもう1つある。コミュニケーションテストを追加したことだ。使ったのは、「KiSS-18」と「アサーション度チェック」。KiSS-18の参考データが14年前と古く、回答者も少ない。いつか一斉に多様な集団で大規模に実施できないものだろうか。

45分の持ち時間の残り5分をミニ講義に充てている。1回めは「仏像の共有痕跡」、2回めの昨日は「お世辞浴」。今日は「対人距離」を取り上げ、導入にエスカレータの片側あけを使った。4回めは「矢印」にしようか、それとも「説得」にしようか。

2012/08/23

かんば

子供のころ、お盆の送り火と迎え火にかんばを使っていた。確か、ダケカンバの樹皮だ。
先日、長野市内のスーパーで見つけた「カンバ」は、かつて使ったものと違って、茶色い。それもきれいな板状だ。よく見ると、産地は中国。
なんとなく違和感があったが、同じように感じている人は少なくないらしい。
こんな記事を見つけた。
信州のお盆はカンバの煙とともに

お元気…

母のいる老人ホームから電話があった。
内容は紙オムツの購入に関すること。
で最後に、母の近況報告があった。

「お母様、お元気になられて、夜もベッドの柵を動かそうとしたり、されてます」。

そういうことも元気の範疇に入るのだろうか、ボケが進んだだけなのではないだろうか。と思ったが、電話を切ってから、別の見方が浮かんだ。やがてはそれさえもできなくなるのだから、そういう意味では元気に違いないのだろう、と。可笑しくも切ない。

四六時中、老人たちを看ている人とそうでない人との差かもしれない。

2012/08/22

傘修理

昨日直してもらった傘。もう一カ所こわれていたので、修理に行った。昨日の追加だから70円。「だから、いいよ」と、代金を受け取とらなかった。ナカムラさん、ありがとう。

帰途、スーパーに寄ると、お店の前は縁日。通行を止めての歩行者天国。親子の姿で、屋台や夜店が埋もれている。気仙沼からのお店も出ている。向こう側では猿回しもやっている。店内に入ると、レジの女性は浴衣姿。地元商店街との共催で、チャリティも兼ねている。第30回とか。

2012/08/21

モダンなうなぎ屋さん

お昼をちょっと贅沢した、傘の修理ついでに。

うなぎだ。
団扇までうなぎというお店。
店内の壁と天井は真っ白ですっきり。
壁には明り取りの小窓があり、その一つではパンダが休んでいた。

雑誌を読みながら、待った。来月のゼミ合宿に合わせ、京都特集の記事から情報収集。

待つこと30分(かな)。

うなぎの味が、あっさり気味で、いい。いままで食べた中では最も薄味。店内に健康特集の雑誌があったから、意識して、こうしているのかもしれない。

2階の席からは、世田谷線のパンタグラフだけが見える。あたかも海面から突き出た背びれのようで、不思議な感じ。

「窓を開けて」

昨日まで福岡滞在。
昨日の西日本新聞朝刊に吉田美和子さんの詩が紹介されていた。

名前に込められた願いなど
知らなくてもいいけれど
暗い深みに 沈み込んでしまった時
泥沼に 脚を滑らせてしまった時
心の何処かで 思い出してはくれないか
ひたすら君へ 思いを馳せていることを

(「子午線」112号所収)

福岡も暑い。地元の人も「こんなに暑いことはなか」。ただ、朝夕は風もあり、涼しい。おみやげはおきゅうと(長野の「えご」に近い)。

2012/08/20

アイスランド名前事情

asarinさんから、アイスランドの名前事情にふれた記事が届いた。掲載雑誌はAtlantica(アイスランド航空・機内誌)、8-9月号、p.86。

「サラ、アンナ、アーナー」
アイスランド人の名前は多文化移民とグローバリズムの波に飲み込まれそうな勢いだ。国家統計によれば、2008年の4歳以下の男子名トップ15は、ジョン、ダニエル、アーロン、ヴィクター、アレクサンダー、アーナー、グオマンダー、ガブリエル、クリスチャン、トーマス、ステファン、マグナス、シグロア、マイケル、アイザック(名前の読みは適当)。ダニエル、アーロン、ヴィクター、アレクサンダーは、2007年時点では上位になかった(それぞれ、24位、37位、63位、57位)。ガブリエル、マイケル、アイザックに至っては100位以内に入っていなかった。
女子の名前も同様。同じくトップ15をかかげよう。サラ、アンナ、エミリア、カトリン、エヴァ、マリア、グオラン、クリスティン、マーガレット、ジュリア、ヘルガ、テルマ、ヴィクトリア、ラケル、アニータ。2007年時点で、サラは39位、エヴァは22位、ラケルは45位。エミリア、ジュリア、テルマ、ヴィクトリア、アニータはランク外。フラフンヒルダーのような、長すぎて、発音しにくい伝統的名前は、グローバルレベルでなじみにくく、ますます使われなくなるだろう。(AS)

◎国際化は名前にも及んでいる。名前から「国」性が消えていく。いつの日か、揺り戻しが来るのでは。

2012/08/16

オリンピック表彰式

長野市内の中央通りに、冬季五輪の際の表彰式会場跡がある。その一角に、石で作った表彰台が置かれている。

その前を通ると、台の上でいろいろなポーズを取って撮影している人を見かける。先日も、撮影中の外国人カップルを見つけ、観客役をした。

そこで、よもやボクも撮影することになるとは思いもしなかった。あいにく観客はおらず、拍手する人もいない孤独な表彰式だった。その11日の写真が届いた。

ボクは3位。種目は何だろう。わかった。年齢競技だね、3人の中では一番若いから。写真を見ると、3人ともバッグを斜めがけしている。近頃はショルダーバッグと言えば、斜めがけだね。肩が凝らなくてすむ。

今日のお昼は近所のお蕎麦屋さん。脱サラ風。見事にはずれました。

2012/08/15

突然つながらなくなった

MacBook ProがまたWi-Fiできなくなった。
LANケーブルを接続すると、つながるし、不思議なことにAirMacのアイコンも接続状態に変わる。
なんということだ。
初期化の手間を考えると、この状態で使うしかないかという気がする。
Time Machineで、システムもまるごと復元できるのだろうか。であれば、初期化から始めてもいいのだが。

調べたら、システムも復元できることがわかった。
http://inforati.jp/apple/mac-tips-techniques/system-hints/how-to-restore-macos-system-from-time-machine-back-up.html

Jenny et al. 2012:自分を大切に


機械翻訳風に。

「自分を大切にせよ:青年期への移行における自尊感情変化の縦断的なパターンと条件」

 いくつかの最近の研究は、青年期後から中年までの自尊感情の一​​般的増加を明らかにしています。しかし、高等学校から青年期への重要な移行からの自尊感情発達の特定のパターンと可能にする条件はまだよく理解されていません。縦断研究(中等学校体制と学歴の変容:TOSCA)では、ドイツの学生が4回のインタビューをされた。中学校(Time 1 [T1]、N = 4532、年齢:M = 19.6、SD = 0.9、55%が女性)で始まった。条件付き潜在変化モデルが適用され、それは3つの主な発見を確認しました。最初に、自尊感情は、移行の間、徐々に増し、それは自尊感情の切片と傾きの両方です。青年期への移行においてかなりの個人間変動を示しています。第二に、パーソナリティ特性(ビッグファイブ)同様、構造特性(パートナーシップを持つこと)も実質的に成年期前における自尊感情の発達に関連していました。第三に、自尊感情とのパートナーシップ状態との間には、自尊感情と神経症、同調性との間同様、性別固有の結びつきがありました。自尊感情の全般的​​な上昇発達を示す発見はさらに、成年期への移行における年齢固有の変化の達成との相互依存関係を示しています。

Wagner, Jenny; Lüdtke, Oliver; Jonkmann, Kathrin; Trautwein, Ulrich
(2012). Cherish Yourself: Longitudinal Patterns and Conditions of Self-Esteem Change in the Transition to Young Adulthood. Journal of Personality and Social Psychology, No Pagination Specified. doi: 10.1037/a0029680

Abstract
Several recent studies have illustrated a general increase in self-esteem from after adolescence until midlife. However, the specific pattern and possible conditions of self-esteem development from the important transition out of high school into young adulthood are still not well understood. In a longitudinal study (Transformation of the Secondary School System and Academic Careers; TOSCA), German students were interviewed 4 times beginning with their senior high school year (at Time 1 [T1]: N = 4,532; age: M = 19.6 years, SD = 0.9; 55% female). Conditional latent change models were applied and established 3 main findings. First, self-esteem showed a gradual increase across the transition, with both the self-esteem intercept and slope indicating substantial interindividual variability in the transition to young adulthood. Second, structural (having a partnership) as well as personality (Big Five) characteristics were substantially related to self-esteem development in emerging adulthood. Third, there were gender-specific associations between self-esteem and partnership status as well as between self-esteem and neuroticism and agreeableness. Findings point to a general upward development of self-esteem yet show interdependencies with the accomplishment of age-specific challenges in the transition to young adulthood. (PsycINFO Database Record (c) 2012 APA, all rights reserved)

2012/08/13

社会心理学会の準備

社会心理学会大会論文集の抄録締切が17日、と目前に迫ってきた。

それで、今日は、その関連作業。1つは分析と原稿の一部執筆、もう1つは(勝手に)校閲。と、どちらも筆頭ではない。発表がないと思っただけで、気がとても楽。

夕方は同じく大会で発表するKさんの分析相談。しかし、内容が私の能力を超えている。誰に教えてもらおうか。

今日のもう一つの仕事はMacBookProの再インストール。初期化作業から始めた。すべて終わるのに数時間かかったが、おかげでWi-Fiが使えるようになった。これを機に、Time Machineを使うことにした。

オリンピックが終わったらしい。女子サッカー決勝戦が唯一見た番組。寝付けなかった時、着けたら、後半戦だった。なでしこジャパン。強いし、お茶目だ。

今日は伯母(母の姉)の通夜。九十代半ばだった。母にどう言おう。言ってもわからないかもしれない。その時は泣いても、すぐ忘れてしまうかもしれない。どうしよう。

2012/08/12

おかげで夏休み気分

目が覚めると、前夜の雨もあがっていて、カーテン越しの木漏れ日が心地よい。

南面は野尻湖。

庭を見ると、あちこちでタマアジサイが咲き始めている。蕾も多く、長期間楽しめそう。去年訪れたのは8月末だったが、そのときはキツネノカミソリが目立っていた。夏は、少し日にちが違うだけで、出会う花も違う。

朝食後、急遽、近くに住むYさん宅を訪問することになり、映像エスノグラフィの話をうかがった。「定点観測は大事だよね」。フレーバーコーヒーとマロンケーキをご馳走になった。

戻ると、お昼の準備中。テーブルに並んだのは、塩じゃけ、かぼちゃの味噌汁、レタスと海苔のサラダ、刻み野菜たっぷりの納豆。と、好物ばかり。心尽くしのおもてなしに感謝。ありがたい。

帰途、途中下車した長野はすでに暑かった。4日間の長野回遊終わる。

★日航機事故27年め。

2012/08/11

長野滞在

長野の3日め。1日めは長野泊、昨日は須坂泊、今日は黒姫泊。短い期間で、こんなに渡り歩くのは久しぶり。

須坂はずうっと、寂れた町というイメージしかなかったが、実際に歩くと、落ち着いていていい。昔の蔵も多く残っていて、いまはそれが売りになっている。散歩の途中で、いろいろおもしろ物件を発見。

その一つ、「あらなあに」は「居酒屋・バー・スナック」に含まれるお店らしいが、昼間はなんのお店なのか、はたまたお店なのか、それさえもわからない門構え。地元の人によれば、に注目すべきとのこと。残念、見逃した。

この通りには、立派な顔のお店がいくつも並んでいる。柏福呉福店もその一つ。電話番号が市内局番なしの3桁。いったい何年前の看板だろう。曲線が築地本願寺のようで美しい。

さらに行ったところで蜂蜜屋さんを発見。店名は鈴木養蜂場。そば蜂蜜を試食した。懐かしい味がする。自家採取の蜂蜜を購入。

あちこち歩きすぎて、予定の電車に遅れそうになったが、かえって早く着いてしまい、予定の一本前に乗ることができた。おかげで、今日落ち合う3人を迎えることができた。友人たちが乗ってきた特急は、正面を見ると、元NEXらしい。知らなかった。

善光寺周辺を中心に案内し、お酒(試飲)、お蕎麦、善光寺、と長野を堪能してもらえたようだ。

試飲では、柚入り甘酒がおいしかった。蕎麦と言えば、ざるを食べることが多かったが、食べるなら「もり」。海苔がまんべんなくかかっているといいのだが、大抵、かたまりになってしまう。食べにくいし、ひどい海苔の場合は目も当てられない。と、指導を受けた。

長野駅では、観光地図と一緒に、長野県ふるさと納税の案内を配っていた。

今回、案内して気づいたのは、その長野駅のコインロッカーの案内がひどいことだ。案内に従って進んでも、そこにない。実際の場所は2階下の地上。であれば、手前のコインロッカーの方が近い。しかし、その案内は見当たらない。

2012/08/10

「キラキラネームに賛否」

キラキラネームに賛否「個性的な子へ」「読めないのは問題」


産経新聞 2012年8月10日(金)10時55分配信
 亜人夢(あとむ)、瑠美衣(るびい)、羅偉我(らいが)…。名付け相談に実際に寄せられた名前候補の数々だ。こういったアニメのキャラクターのような名前の子供が増えているという。「キラキラネーム」と呼んで肯定的にとらえる人がいる一方で、不快に感じて「DQN(ドキュン)ネーム」と呼ぶ人も。このような名付けの傾向について、命名研究家の牧野恭仁雄さんと、京都文教大の小林康正教授に見解を聞いた。

 ■「個性的な子への願い反映」小林康正氏

 ○90年代から増加
 --なぜ近年、奇抜な名前の子供が増えているのか
 「さまざまな要因が複合しているが、最も重要なのは“個性ある子に育ってほしい”という個性化願望だろう。常識外れの名前自体は昔から一定数存在していたが、流行から外れず、しかも人と違って個性的という名前をうまく付けるのは難しい。それが1990年代半ば以降、名付けへの情報産業の参入で初めて可能になった」

 --具体的には?
 「90年代に登場した『たまごクラブ』などの妊婦向け雑誌は、膨大な新生児名を集積し、データベース化して提供した。難読のものも少なからず含まれる人気名を多数参照し、そこからさらに少しずらすことで、個性的な名付けが容易に実現できるようになったが、難読化も進行することになった」

 --親の自己満足や教養欠落の露呈として批判も多い
 「奇抜な名前は親の社会階層の低さと関連していると言われるが、学問的に証明された説とは言い難い。何をもって“DQN(ドキュン)ネーム”とするかの基準もない。批判にも一定の意味はあるが、どういう名前にすればいいかの建設的な提言がなく、名付けに悩む親には届きにくいだろう」

 --読めない名前は不便で、いじめなどの不利益を招くのでは?
 「今後そうした名前が多数派になれば、不利益を被ることも少なくなっていく。社会生活上もっぱら使われるのは姓であり、名前の重要性は高くない。逆に覚えてもらいやすいなどのメリットもある。そもそも大正から昭和後期という過去半世紀あまりが、読みやすい名前が非常に多かった例外的な時代だったので、他人の名前は読めるのが当たり前だとみな思い込んでいただけだ。日本史をさかのぼってみると、そうした時代は一般的ではない。今は過渡期だ」

 --昔から難読名がある
 「例えば、武士の実名(じつみょう)は変わった読ませ方が多く、江戸中期の国学者、本居宣長も『最近は読めない名前が多くて困る』と著書に書いているほどだ。漢字一字に多くの読ませ方があるという日本語の表記システム上、読めない名前は必然的に出てくる」

 ○背景に子育ての変容
 --公共性の観点で批判もある
 「今の子作り・子育ては地域や社会という公共の干渉から離れ、父母だけのものとなっている。公共空間ではなく親子の親密空間のために子供の名前があるのだから、親にとってキラキラと輝くような名前でないと、子育てが楽しくなくなってしまう。そうした子育ての変容を考えずに、公共空間を意識していない名付けだと親を批判するのは、あまり有意義とは思えない」(磨井慎吾)

 ■「読めないことに問題ある」牧野恭仁雄氏
 ●不利益生じる
 --子供に名前を付ける上で大切なことは何か
 「第一に『こう呼びたい』という親の正直な気持ちを表現していること。第二に、その子が喜んで使えて、周囲の人に迷惑にならないということ。名前は珍しかったり、奇抜だったりするからいけないのではない。読めないなど欠陥がある名前が問題なのだ。私の名前の『恭仁雄』は、初対面の人に『くにお』と読んでもらったことはない。これは非常につらいことで、先日も旅館に電話で予約をした際、私の名前の漢字を伝えるのに15分もかかってしまった。『恭』の字を伝えるのが難しく毎回苦労する。私に対応してくれる人にも迷惑をかけてしまうことになる」

 --どういう名前は好ましくないか
 「まず男女の区別がつかない名前は良くない。漢字の読み方が正しくないのは重大な欠陥だ。例えば、事件や事故に巻き込まれた時などに個人を特定するのに時間がかかり、とんでもない不利益が生じる懸念がある」

 ●名前は公共財
 --個性を表現するため変わった名前を付けるという人もいる
 「名前は漢字を使って付ける。漢字は長い歴史のある、そしてこれからも長く使われる、日本人にとっての公共財だ。公共財を使う以上はルールを守るのは当然だ。名付け相談の際に『その漢字の読み方は間違っていますよ』と指摘すると『私はそう読ませます』という人がいる。文字の読み方を個人が変えていいと考えるのは不遜で傲慢なことだ。ルールを守らないのが個性だと勘違いしている人がいるが、そういう思いが親から子に伝わってしまったら大変だ」

 --ユニークな名前が花盛りだ
 「自分の子供をおもちゃにしているとしか思えないような乱暴な名付けが増えている。学校の中で自分の名前が呼ばれるのを嫌う子供は少なくないと聞いている。その子が大人になったとき、厳粛な席で名前を呼ばれることで失笑を買ったりしたら、精神的に傷つくことになるだろう。変わった名前を付けることは個性を重視する新しい風潮だと思い、自分の子供にも、と考える人が多いようだが、無抵抗な赤ちゃんに問題のある名前を付けるのは残酷なことだ」

 --いつごろから増えたのか
 「平成になってからぽつぽつ出始めて、ここ10年で爆発的に増加した。間違った読み方の名前や暴走族の落書きのような名前に対し多くの人が不快や迷惑を感じる。親が知的でないという印象を与えることにもつながり、社会で生きていく上で大きな障害になりかねない。子供の将来を考えて名付けをしてほしい」(櫛田寿宏)

 【プロフィル】小林康正氏(こばやし・やすまさ) 昭和35年、神奈川県生まれ。52歳。早稲田大学第一文学部卒業、駒沢大学大学院人文科学研究科社会学専攻修了。専門は民俗学、身体技法論。京都文教大学総合社会学部教授。著書に「名づけの世相史」、共著に「課題としての民俗芸能研究」など。
 【プロフィル】牧野恭仁雄氏(まきの・くにお) 昭和18年、東京都生まれ。68歳。これまでに10万件以上の名付け相談を受け、100万を超える名前の候補にコメントをしてきた名付けの第一人者。著書に『子供の名前が危ない』『最高の名前にたどりつく名づけの極意』『はじめての名づけ百科』などがある。

◯コメント
 このインタビュー?に二人の著書のあらましがすべて含まれている。さて、このブーム、万葉がな時代を考えると、先祖返りのような現象でもある。だから、初ではない。

2012/08/09

気になることばかり

お世話になっている出版社経由で長野入り。

その会社に向かう途中、東西線が人身事故で運休(正しくは、運転見合わせというらしい)。その案内放送が自動音声だったのには驚いた。時間も場所も自動的に挿入されている。一瞬、ブラックユーモアでは、と思ったが、もちろん、そうではない。

長野は着いたとき、29度。風もあり、涼しい。

信毎の夕刊を買ったら、コラムで井出孫六が書いていた。タイトルは「ヒロシマとナガサキ」。彼のお兄さんが67年前、動員先から戻ってきて、という話で始まり、途中で、ヒロシマが原爆だったのに対し、ナガサキはプルトニウム爆弾であったことにふれている。54期の原発が作り出した大量のプルトニウム。「ひどく気にかかる」。

長崎の田上市長は平和宣言で、放射性廃棄物の処分にも言及した。

たったいまは23度。

2012/08/08

矢印の大活躍

吉祥寺駅は、駅ビルの再開発工事で、構内の通路がややこしいことになっている。JRの改札口には、ぐるっと回らないと辿り着けけない。途中には急な階段もある。面倒なこと、このうえないが、使いながらの工事で、よく迂回路を設計できるものだ。3D設計図でも使うのだろうか。
壁のあちこちに貼られた矢印を頼りに進む日が続く。慣れるのにどのくらいかかるのだろう。

2012/08/07

日傘

こう、かんかん照りでは日傘をさすしかない。帽子もいいのだが、(似)合うものがなく、帽子を取った後の癖も気になる。

日傘の男性用は見当たらず(レース付きも悪くはないのだが)、晴雨兼用、UVカットといううたい文句の地味な傘を先日買った。
傘の下は4度低い、という「本格的な」日傘ならあったのだが、ちょっと無粋でやめた。

とにかく日傘の出番が絶えない。届く残暑見舞いは猛暑見舞だし。

2012/08/06

5年前の今日

ちょうど5年前。岡田さんの呼びかけで参加した1泊2日のインカレゼミ(会場は関西大学のセミナーハウス)。参加ゼミは、広島経済大学のゼミ、奈良女子大の寺岡ゼミ、龍谷大学の工藤ゼミ。

8/6は、その2日め。8時前にロビーを通ると、林ゼミの学生たちがテレビの前に集まっている。すぐには事情が飲み込めなかった。8時、NHKで原爆祈念式典の中継が始まった。離れた場所から、式典を共有するためだった。そして、あの8時15分。黙祷。広島に住む者にとってヒロシマは日常。

今日、それを思い出しながら、ボクも黙祷。長い1分だった。

松井市長の平和宣言、6年生のふたり(三保さんと遠藤さん)による平和の誓い。続く野田首相のあいさつは、文字通りのあいさつ(誰が誰にあいさつしているのか?)。視線の先は最後まで手元原稿。朗読なのか、代読なのか。情けない。

その年のゼミ生に年間ベストワンを選んでもらったら、このインカレゼミがダントツトップだった。その後、いろいろな事情で参加できていないのが残念。

2012/08/05

オリンピック

夕方から風が吹き始めた。
歩いていても気持ちがいい。
夕食は近所の甑島料理。
店内はわれわれで満席。
繁盛しているなと思ったら、昨夜はガラガラだったそうだ。
オリンピックの余波らしい。
今度は目玉競技のある日に行くとしよう。

Gao 2011:彼女をWisdomにしようか、それともElegance?

Gao, G. (2011). Shall I name her "Wisdom" or "Elegance"? Naming in China. Names, 59(3), 164-17

「彼女をWisdomと命名しようか、それともEleganceと命名しようか:中国における名づけ」

▼抄録
名付けは重要なコミュニケーション行為である。(狭義の)名前は、アイデンティティや社会状況、文化条件といった諸側面を担う。本研究では、中国の名付けに関するいくつかの問題を考える。研究結果によれば、名付けには複数レベルの意味ー親の期待や出生状況、家系、親の愛情ないし情愛、記念、性別標識ーが含まれている。人の日常生活に及ぼす名前のインパクトは一般に象徴的なものと見られているものの、名前には個人をやる気にさせ、鼓舞する力があると信じられている。よい名前とは、意味があり、親の願いや希望、情愛が込められ、耳に心地よいものである。

◎コメント
名付け側に焦点を当てた研究である。名前の向こうに、現代中国文化が透けて見える。

2012/08/04

「テルマエ・ロマエ」

久々の雨。おかげで最高気温も昨日より下がり、その分すごしやすい。

さて今日は、映画「テルマエ・ロマエ」。日本人が「平たい顔族」で登場する、あの実写版。ローマ遺跡の中でも印象的だった浴場ににぎわいが戻るようすを見たかった。2000年前、そんなに昔じゃないよなあ、という気もする。

キャスティング、濃い顔を優先したこともあって、個性派ぞろい。主役の阿部寛の過剰な演技もいいし、原作家として登場する上戸彩も演技していないように見えるのがいい。神戸浩も出ている。すっかり、ふつうのおじさんだ(安心)。最後のシーンで、タイムスリップした老人たちがせっせとオンドルを作る。そのようすが建設的でいい。

ルシウスが現れることを期待して、狭いお風呂に入った。

2012/08/03

発送作業

今日から、夏休み(らしい)。

第1陣(23通)をメール便で見送った。

1通160円で、ゆうメールより20円安いのだが、シール1枚1枚に署名するのが面倒でどちらにしようか、迷っていた。娘が手伝うと言ってくれたので、じゃあ、いいかと思って行くと、システムが変わっていた。署名用紙がシールと別になっていて、何通出しても、同時であれば、1枚、つまり1回の署名で済む。

第2陣は来週だ。

今日は、第50回全国進路指導研究大会の初日。東経大が会場。2週間ほど前から、正門脇にあった尾木直樹さんの顔つき看板で知った。

ミーハー感、丸出しで会場に侵入。行くと、講演も終わり、著書へのサイン中だった。破顔一笑。講演を聴いた同僚が「よかったあ」と言っていた。彼によれば、大津の第三者調査委員会のメンバーになった件にふれ、こうして少しずつ実効性の高い場面にかかわれるようになったのも、サポーターのおかげ、と語ったそうだ。

その昔、BPOで一緒に委員をやったり、子供の学校のPTA講演会に来てもらったり、とお世話になったが、当時、「ママ」を予想できなかった。

2012/08/01

インタビュー集完成

昨年度の仕事がまとまった。

『名前のこと話しましょう』。

名前をめぐる54人へのインタビュー集はA5判の255ページ。

遠くの人には明日から順次発送します。少しだけお待ちください。近くの人には手渡しで。

第2期のインタビュー計画をどうするか、考えよう。

表紙デザインは大谷裕子さん。

フルネームで呼んでくれてありがとう

スティールの『 ステレオタイプの科学 』に、こんなエピソードが紹介されている。  ある伝説の英雄と同姓同名の人物に出会ったことで、研究上の疑問が解けたという話である。  シャーマン・ジェームズは、人種による健康格差の問題に取り組む公衆衛生研究者である。たとえば、アメリカの黒人は白...