2012/09/30

Hair 2007:メールストレス

メール関連ストレス認知における自尊感情とローカスオブコントロールの影響

M. Hair, K.V. Renaud, and J. Ramsay
(2007).
The influence of self-esteem and locus of control on perceived email-related stress
Computers in Human Behavior, 23(6), 2791-2803.

http://www.interruptions.net/literature/Hair-CHB06.pdf

Abstract
Electronic mail has become an indispensable tool in business and academia, and personal use is increasing every day. However, there is also evidence that Email, unlike more traditional communi- cation media, can exert a powerful hold over its users and that many computer users experience stress as a direct result of email-related pressure. This paper develops a threefold typology of orientations to email: ‘relaxed’, ‘driven’ and ‘stressed’. It further investigates whether the personality traits of self-esteem and locus of control are associated with email-related stress. It finds that low self-esteem is associated with the ‘driven’ orientation. It further suggests that the ‘stressed’ orientation may be related to how distractive email is perceived to be, compared with other forms of communication.

抄録
電子メールはビジネスやアカデミアの必須ツールになりつつあり、個人利用も日々増えている。しかしながら、こういう証拠もある。電子メールは旧来メディアと違って、ユーザを強力に支配する可能性をもち、また多くのコンピュータユーザはメール関連の圧力をストレスとして経験している、と。本論文は、三種類の電子メール志向を検討する。「リラックス」「仕方なく(圧力)」「ストレス」(‘relaxed’, ‘driven’ and ‘stressed’)の三つである。さらに、個人特性としての自尊感情とローカスオブコントロールとがメール関連ストレスと結びついているか検討する。その結果、低自尊感情は「仕方なく」タイプと関連が見られた。この結果は、さらに以下のことを示唆する。ストレスタイプは、気を散らすようなメールが他のコミュニケーション形態とどのように違うのかの知覚と関連しているかもしれない。

Keywords: Email; Computer-mediated interaction; Stress; Self-esteem; Locus of control; Factor analysis

◎メール使用の3類型はいろいろ使えそう。3と言う数字もいい。

台風前日

昨日、今日と蒸し暑い。
今日は区の古着回収日。チラシを見ると、実施は、春と秋の年2回。
回収場所は近くのデイホーム前。家から数分の場所だ。
古着と引き換えにゴミ袋をもらってしまった。予想していなかった。写真は、それをくるんであった紙だ。古紙は名刺大まで再生できるとか、魚や肉に使われている透明プラスチック容器も回収しているとか、書かれている。無論、この紙も裏紙使用のリサイクル。
リサイクルの評価はむずかしい。古着活用のようなリサイクルは別かもしれないが、例えば、牛乳パックにしても、洗うための水、回収の手間、とか考えると、わからない。基本はゴミになるようなものを使わないことだろうけど。

2012/09/29

「名前だけでは、男か女かわかりません」

ブータンの話だ。
『幸福王国ブータンの智恵』には信じられないことばかり紹介されている。
以下は、見出しの抜粋だ。
アメリカなどの大国とは付き合いません。
だれでも国王に会うことができます。
巨大なダムはつくりません。
特産物は、水力発電です。
水力発電の国なのに、送電線が目立ちません。
貧しくても学べるように、教育費はただです。
病院も無料です。
国じゅう、禁煙です。
土地のない人には、国王がプレゼントします。
小さな子どもでも英語がペラペラです。
初雪は、休日です。
家を継ぐのは女性です。
みんな、三世代、四世代の大家族です。
意外にも、離婚の多い国です。
名前だけでは、男か女かわかりません。
新婚カップルの夜は、田んぼの中の小屋です。
なぜ、「名前だけでは、男か女かわかりません」なのか。
ブータンでは、名付け親はお寺。名前のプールがあって、そこには数十種類が登録されている。お坊さんによっては、それらの名前を書いた紙を用意していて、親が、その紙をひいて「名前をいただく」。これが男女の区別なく名前が決まる理由。

◎おまけ
本に、前の人の貸出票がはさまっていた。
本書以外に、『命のことば』『恋より仕事』『おっぱいバレー』『あなたに逢えてよかった』。

2012/09/28

実地調査

昨日、今日と大学基準協会の実地調査。
初めての経験で、全体会議で出される質問に答えるのがむずかしい。短時間であることも要求され、後で、ああ言えばよかった、こう言えばよかったと思うこと、しきり。次回は7年後。

夕方から研究会。
会場近くのホープ軒は今日もタクシー運転手たちでにぎわっている。大昔、1度だけ入ったことがある。左隣にもラーメン屋さんがあったのだけれど、いつもガラガラ。なぜ、こんなに差がつくのだろう。そのお店は、扱うものを変え始めたら、短いスパンで改装。いまは立ち食い蕎麦。

2012/09/27

「縁」の人間関係

『「縁」の人間関係:文化心理ノート』を頂戴した(ISBN 9784905458012)。

人間関係、縁は授業で扱っているテーマでもあり、グッドタイミング。

さっそく読み始めた。収録されているのは主に1980年代の論考で、隔世の感のある章もあれば、今も同じ、という章もある。
ものごとにはかならず「原因」と「結果」とがある、というのが、西洋でうまれた「因果律」の思想である。それにたいして、仏教語としての「縁」は、「因縁」や「縁起」の用例にみられるように、「原因」をもっとひろく解釈する。…
因果関係という枠組み自体を相対化する必要があるという主張だ。こういう発想は罪を問いにくい心性に通じるのかもしれない。

本書の明示的テーマは縁であるが、それと同じぐらいに重要なテーマとして、翻訳語が扱われている。社会とsociety、集団とgroup…。概念は、いわば知的アフォーダンス。要注意だ。

柳父さんの『翻訳語成立事情』を再読しなければ。

学生時代、井上さんや多田道太郎さん、南博さん、宮城音弥さん、藤竹暁さん、加藤秀俊さんにひかれ、よく読んだ。その後、多くの方には直接、話をする機会にも恵まれた。40年前に読んだ本たち、読み返そう。


2012/09/25

「社会心理学」第1回

今日は「社会心理学」の初日。

教室は初めて使うE201。窓からは緑が見える。収容人員は200人強。幅広で、黒板が3面ある。ただ見たところ、左右の黒板は右左の学生からは見にくそうだ。座席から確認しておかなければいけない。

初回のテーマは「社会心理学とは」。

社会はsocialの訳だよ(socialには社交の意味もあるんだ、やったことないけど、社交ダンスとかね)、個人はindividualの訳だよ(分けられないが原義なんだ、「個」という意味ではないんだ)、とかそんな話をした。
伝わったかなあ。

授業が終わってから、3人が質問にやってきた。「社会的促進」に関する質問だった。来週も来てくれるかなあ、質問に。

2012/09/24

ラマダンもいい

皮膚科の帰り、図書館に寄ったら、リサイクルコーナーに、古本ではないものが置かれていた。「scripta」の最新号もその1冊。2部届いたのだろうか。2012年の秋号だ。

森まゆみさんの新連載「お隣のイスラーム:日本に暮らすムスリムたち」がいい。内容は、日本に暮らすムスリムへのインタビュー、第1回は大塚モスク事務局長、クレイシ・ハールーンさん。3.11ではトルコから来た支援部隊を案内した。「困った人がいたら助けなさい」はイスラームの教えだから、という。

ラマダンとは断食をさすのではなく、ヒジュラ暦の第9月のこと。で、その一ヶ月は飲食を断ち、日没後に食事をとる。

ハールーンさんの話。
「イスラームは宗教ではなく、生き方なのです。いいことしましょう、悪いことやめましょう、ということです」
「ラマダンというのは生き方のトレーニングなのです。がまんすることを覚える。目のラマダン、悪いものを見ない。口のラマダン、悪いことをいわない。耳のラマダン、悪い噂を聞かない。足のラマダン、悪いところへは行かない。手のラマダン、悪いものをさわらない。ラマダンは信仰さえあれば楽しいですね。一ヶ月実践すれば影響が残ります。一年して影響が薄くなった頃、またラマダンがめぐってきます」
ラマダンはさしずめ、日常生活の強制リセット。いいかもしれない。

2012/09/23

『言葉を生きる』

片岡義男『言葉を生きる』
書名に惹かれて読んだ本だ。
田中小実昌とのやりとりが書かれている(以下、ところどころ略)。
「西伊豆でね、俺はね、ペンを拾ったんだよ、ほら」
「お前、英語が出来るんだろう。(略したくないけど、略)西伊豆でペンを拾ったことを英語でなんと言えばいいか、お前わかるか」
おそらくコミさん独特の冗談なのだ。
(女将の一言で)コミさんの冗談は成立した。
「ニシ・イズ・ア・ペン」
「お前は天才だよ」
女将の一言とは「アイ・アム・ア・ガール」。
話は、なぜペンなのか、ガールなのか、拾ったが省略されたのか、と続く。

44ページには、こんなジョークが引用されているが、悲しいかな、ボクにはわからない。片岡少年は看破。
「そうかい、ボール・ゲームへいって来たのかい、それは良かった。どうだったい、アメリカのビッグ・リーグの野球は。存分に楽しめたかい」という知人の言葉に対して、「それはそれは、感激しました」と、少年は純真に言う。「試合が始まる前にみんなが立ち上がり、いっせいに僕の名を呼び、ホセくん、見えるかい、と訊いてくれたのです」

2012/09/22

今年最後のオープンキャンパス

ようやく秋らしい感じになった今日は、第4回オープンキャンパス。

ボクは学部説明会を担当しているのだが、内容はこちらの伝えたいことが主になっている。コミュニケーションを学ぶことの意義とか、コミュニケーションという観点から日常生活を見ると、とか。
しかし、受験生の聞きたいことはそういうことではなく、たとえば数学が苦手でもついていけるのか、とか、時間割の組み方、とか、地を這うようなことがらだ。個別相談で出てくる質問を来年は反映させよう。会場で事前に質問を書いてもらうという手もある。

写真は個別相談会場。幸い、他学部よりも好調だった。

2012/09/21

学生の相談

4年生が進路のことで相談にやって来た。
内定はもらっているのだが…

2012/09/20

京都の風景

何回かふれている安井金比羅宮の形代(身代わりのお札)のかまくらは壮観だ。まだ、あまり貼られていない頃の写真を見ると、その倍ぐらいに成長している。
地元の人に聞いてみたら、はぐことはしないのだそうだ。「裸の状態を見たことがありません。剥がれたら、貼り直しているようです」。
真ん中の写真でわかるように、待つ人の列も長い。見ていても途切れることがない。女性ペア、女性グループが大半で、その半分ぐらいがカップル。男性はカップルを除けば、まず見かけない。
撫で牛や撫で仏は文字通りの集合痕跡で、誰が作った痕跡かわからない。しかし、こちらは絵馬同様、名前が書かれていて、痕跡作者がわかる。その分、リアリティはあるのだろう。

帰り道、四条大橋から五条大橋方面を見ると、(鴨川の)土手には有名な「等間隔カップル」ができていた。同じような現象は、皇居の何とか橋でもあり、かつて、朝日ジャーナルでも紹介されていた。
等間隔カップルは最近でも記事になっている。えいまるさんのサイトには、昨年7月16日付けの京都新聞夕刊が紹介されている。測定結果付きだ。それによれば、84組の単純平均は369.8cm。これが快適距離ということになるらしい。
94年刊と、やや古いが、斎藤光さんたちの『Kyoto恋愛空間:現代カップル考』でも鴨川カップルは詳しくふれられている(いま、amazonで調べると、5,000円近い)。

2012/09/19

京都から戻ると

渋谷駅でバス停に向かうと、ある方向に向かってケータイで撮影している人がぽつりぽつり。
はて?
振り返ると、東の空に大きな虹がかかっていた。

撮っている人を入れながら撮影。


2012/09/18

京都でゼミ合宿

二日めの今日は朝から雨模様。
今日は洛北にある狸谷山不動院をめざした。
京阪電車で出町柳まで行き、そこで叡山電鉄に乗り換えた。二軒茶屋行きの1両編成の電車は、おもちゃのようで、学生たちも「かわいい」。

車内を見回すと、「鉄コン」の中吊り広告が見つかった。ここまでコンパの波が及んでいるとはビックリ。

それにしても、なかなか発車しない。始発にしても待ちすぎだ。すると、あろうことか、後から入ってきた電車(紅葉の書かれた電車)が先に出てしまった。隣に座っていたおじいさんも、それにはびっくり。回送電車かもしれないので確認してくるわと行って、駅事務所へ。戻ってきて教えてくれたのは、回送ではなかったことと、駅員さんが謝ったこと。案内放送をすべきだったと。
「これなら歩いた方が早かった」。地元のおじいさんだった。

一乗寺駅から狸谷山不動院への道は詩仙堂を過ぎたあたりから急坂が続く。本堂まで250段。途中、いろいろな表情の狸が出迎えてくれる。

説明によると、
天応元(781)年に桓武天皇勅願で平安京の鬼門守護として「咜怒鬼(たぬき)不動明王」様が安置されたことが始まりです。「鬼を叱る」といわれるほど大変険しい表情をされていることから、悪鬼・悪霊退散、あらゆる災難を取り除いてくれる不動明王様として今日でも厚く信仰されています。狸谷山不動院と呼ばれるようになったのも、ご本尊のお名前に由来しています。
本堂の柱は、病気平癒、ガン除けの絵馬で覆われている。

昨日は、縁切でリセットし、縁結びを願う安井金比羅宮。予想をはるかに超える形代の岩。外見はかまくら。そして、六道の辻

2012/09/15

赤ちゃんの名前を載せている新聞


徳島新聞
 https://www.topics.or.jp/baby/
高知新聞
 http://www.kochinews.co.jp/baby/baby.htm
胆江日日新聞
 http://www.tankonews.jp/modules/pico/index.php?content_id=2
中日新聞

北國新聞


週刊長野

まだまだ、たくさん、ありそうだけど、わからない。
上記以外でご存知でしたら、教えていただけませんか。

2012/09/14

仕掛けとしての名前

ふだん東京新聞を読んでいる身からすると、読売や日経は別世界。食堂で読んだ日経の、今日の文化面。著者は、写真家の藤本巧さん。
 韓国の人々の暮らしや風景を撮り始めて42年がたった。私と朝鮮半島とは生まれたときから深い縁で結ばれていた。
 私の名前「巧」は、日本が朝鮮半島を統治していた時代に、朝鮮で植林事業を行う傍ら朝鮮の工芸品を愛し日本に紹介した浅川巧にあやかっている。浅川は朝鮮を愛し、朝鮮人に慕われた人だった。私の父は十代のとき古本屋で見つけた柳宗悦の著作『私の念願』から彼を知り、男の子を授 かったら、彼のような生き方をと願って命名した。
 私が初めて韓国を訪れたのは1970年、20歳のときである。目的は浅川巧のお墓に参ること。それから雑誌『工藝』(36年)に掲載された朝鮮の工芸の足跡を辿(たど)ることにあっ た。
名前はこういう働きもしているのか。

長野の一日

母の付き添いで病院へ。

診察時刻の1時間前までに血液検査を受けなければならない。今日の番号札は77番。母に、その紙を渡した。
「7が2つ。いいこと、あるかも」。
聞こえているのかいないのか、反応がない。うつむきの顔を覗き込むと、ニコッ。

検査の受け付けカウンターを観察していると、検査申込の「案内カード」をケースに入れないで、置いていくままの人が何人かいる。

「案内カードをこの箱の中に入れ、座ってお待ちください」と書いてあるのに変だなあ。箱の脇の三角柱にも書かれているのに。しかし、よく見たら、違っていた。

「案内カードを出して、座ってお待ちください」としか書かれていない。

つまり、「この箱の中に入れ」の指示は正面に来ないと見えないのだ。実際、入れなかった人は脇から来た人たちばかり。言おうか言うまいか。きっと、お節介だね。

義兄と待ち合わせ、遅めのお昼。車に載せてもらって長野に戻って、お墓参り。父のお墓と姉のいるお墓に。1ヶ月遅れのお盆で。母の分もお参り。花台(と言うのだろうか)には小菊を飾った。

お寺で義兄と別れ、ひとり、駅に向かった。途中、同い年の従兄弟がやっている事務所に寄った。土地家屋調査士をしている。なんと、出先からちょうど戻ってきたところだった。会うのは数年ぶり(記憶がどんどん曖昧になっている)。景気はよくないらしいけど、元気だった。

中央通りに出ると、「蔦友」の白いビルが青空を背景に凛としている。子供の頃にもあった文具店だ。

調べたら、創業1871年。店頭の街角ミニ博物館には懐かしいタイガー計算機も置かれている。

いま市内で目立つのは、北陸新幹線の延長(延伸と言うらしい)に伴うポスター。

「好機到来 金沢も東京も長野圏に」。前向きのなのはいいけど、そんなにうまく行くかなあ。

ポスターを撮影していると、見慣れた顔が目に入った。S大学のM先生だ。どうやらゼミ旅行らしい。挨拶しそびれた。これから善光寺に行くのだろうか。ここからだと数分で着くから。長野に来てくれたことに感謝(写真はMゼミの後ろ姿)。

新幹線の延伸に合わせ、いま長野駅前は整備工事の準備で、建造物を撤去。スッキリ、広々している。

2012/09/13

貸しiPad

今日、泊まったホテルは、朝食の産直食材がウリ。エレベータ内の掲示で「業務用は使っていません」。キリッ!

部屋に入ると、机の上に「レンタルiPad」のチラシが置かれている。前はなかったのに。あれっ? 無線LANも使えるのか。と思いつつ、ここでも「写真はイメージです」か。
いや、違っていた。「写真はイメージになります」。うーん。

バットマンもびっくり

学内の最高峰?ビル(7階建て)の西側の壁面に大学名の電光看板?が付いた。昨日は東の壁面に付けられた。

国分寺駅を降りて見える壁面だけに効果はあるかもしれない。「文字は読めないけど、何だろう」って。

今日は履修相談日。何人かとやりとりしてわかったのは、電子手段(学生ポータルサイト)では、連絡が徹底しないこと。連絡事項が多すぎるのか、情報の軽重がわからないのか。

昔ながらの掲示板も併用した方がいいのだろうね。

2012/09/12

朝からいろいろ

東京新聞の1面トップが「声よ届け人間の鎖再び」。経済産業省前の一角に脱原発のテントが立って昨日で1年。

隣には、豊島区がいじめの把握に図書文化社の心理テストを使うとの記事(調べたら、Q-U:Questionnaire-Utilities という検査らしい、名前からは中身が想像できない)。

「被災地発」に「聞き書きプロジェクト」が紹介されている。被災した人たちの自分史制作だ。名前インタビューと似ている点があった。「記憶や思いを丹念に聞き取り、冊子にして」本人に手渡す。手渡しもいいなあ、と。

「こちら特報部」は、津波で、両親と2人の子を亡くした奥田江利子さんのインタビュー記事。

昨年末、乳がんが見つかり、二度も手術。
「不思議と自分に起きたことにつらいとかは思わなかった。あの世には、仲間もいっぱいいるし、向こうから『こっちに来ないの』と言っているのかもしれない。でも、『この世』に残った方がつらいなら、私は残ろうと思う」。お墓の前で、「一日は長いけど、一年半はあっという間でした」。

1歳2ヶ月になる孫の名前は「梨智」(りさと)。亡くした長男の智史さん、そして長女の梨吏佳さんから1字ずつ取って付けられた。

ふと見ると、ナルちゃんが来ていた。北海道の牛乳をあげた。

2012/09/11

教材作り

後期(東経大では2期とか、第2期とか呼んでいるが、まだしっくり来ない)、「社会心理学」を持つ。第1回は9/25。登録者は177名。昨年は休講だったので、その分、今年は多いのだろう。
たくさんある社会心理学の教科書を参照しつつ、一昨年の授業の構成を見直しているのだが、なかなか決まらない。いい本だと思っても、取り上げてほしい概念にふれられていない。章の数が授業回数にマッチしない。
アメリカの教科書でも見てみようか。
一昨年の教材の更新から始めている。

2012/09/10

痕跡

大学の本部機能がある1号館。
その東側と3号館が2階の通路でつながっていた。3号館が取り壊され、しばらく、連絡通路が宙に浮いていた。それも撤去され、いま残っているのは1号館側の出入り口(いわゆる「トマソン」物件)。
今のところ、ドアが施錠され閉鎖。
今後どうなるのだろう。壁で覆われるのか、新しい建物(図書館)への連絡用に使われるのだろうか。
運命のわからない、かつての出入り口をまずは記録。

ドア下の茶色い部分は通路の鉄部の錆か。

2012/09/09

「残酷な刃」としてのことば

たまっていた新聞を読んでいると、付箋の付いている紙面がある。
杉本真維子さんのエッセイだ(9月4日付けの東京新聞)。
「孤独死という言葉」
副題は、個人の人生、勝手に創作。

寡聞にして知らなかったのだが、杉本さんは長野市出身の詩人だ(1973年生まれ)。同郷なので、付けてくれたのかと確認すると、付けてくれたのは娘で、理由は中身だった。感謝。

「孤独死」という言葉を見直してほしい。個人の幸せな人生を、その人との幸せだった日々を、「孤独死=不幸」というイメージで括られるのはいやだ。どんなどんな死のかたちであろうと、死ぬときは誰でも一人だ。そこにわざわざ孤独と付すことで、付けられている差異は、死について何かを本気で考えた結果ではない。そんな言葉で人間の死を形容している現代こそが不幸ではないか。言葉が社会を作ることの重大さに目を向けてほしい。

杉本さんの詩も読みたくなった。

◎おまけ
記事の脇に、こんなイベントの紹介が載っていた。
「俳句」の創刊60周年記念イベント(シンポジウム「大震災と詩歌」と、公開「合評鼎談」)。10月7日、角川本社ビル。和合さんが来る。

2012/09/08

「ベイビーズ」

下高井戸シネマで「ベイビーズ」を見た。

サンフランシスコ、ナミビア、モンゴル、東京で生まれた赤ちゃん4人が話し始め、そして歩き始めるまでの1年間をシーンごとに構成したドキュメンタリー。
はいはいから立ち上がる姿は堂々とした巨人のよう。
家族に見守られるだけの赤ちゃんが、やがて(しかも1年以内に)家族を見守る側にも回っていく。
父親が全然映らない国がある。飛行機する赤ちゃんが出てくる。
各国の日常風景も楽しめる。
隠れた主役は、猫をはじめとする動物たちだ。

《平均寿命》
ナミビア 57歳
モンゴル 69歳
アメリカ 79歳
日本 83歳

家族3人での映画は久しぶり。

2012/09/07

年端のいった悪ガキ3人

大学で仕事を済ませてから友人宅へお呼ばれw

メニューは
野菜サラダ。
リンゴと切れてるチーズのカナッペ(クラッカーなんて久しぶり)。
湯田中温泉の特製味噌を使った餃子風焼きなす。
3種類のパスタ(カニ、ミートソース、トマトソース)。
しめはスイカ。
食後は懐メロ大会。
うーん。

2012/09/06

とうきび

4日間、計15時間の講義が終わった。

最終日の今日は小雨模様。そのおかげで温度も24度にさがったし、通学路の白樺の緑は深さを増した。

札幌では、とうきびが地下鉄の駅でも売られている。つい買ってしまう。スーパーではゆでたものも売っている。地元の人もけっこう買っていく。つられて買ってしまったことも。

大学の近くに道の駅風のお店が出ていたので、家族用にとうきびを買った。ピュアホワイトという種類だ。生でも食べられるとか。

今回の買い物でわかったのだが、札幌市内は、ポリ袋の有料化が進んでいる。小さなお店でも有料だったりする。半面、飲食店の禁煙化はいまいち。

着いたら、東京も雨だった。

2012/09/05

秋の到来

少し慣れたと思ったら、もう明日で終わり。

とうきびも食べたし、かにも食べた。

今日は、さんまや牡蠣をごちそうになった。


校舎の隙間から見える空はすっかり秋色。

今日は夕方、ついに25度を切った。風があり、むしろ肌寒ささえ覚える。

夜のテレビ塔ともしばらくお別れ。左は記念撮影。

2012/09/04

講義2日め

今日は、地下歩行空間とクロスするように伸びている枝の道から入った。

その枝のような道には「公共地下歩道」という名前が付いている。本流の「地下歩行空間」まで結構な距離がある。ざっと200mぐらいだろうか。
公共地下歩道は名にふさわしく幅が少し狭く、壁に沿ってベンチが置かれている。ベンチでは寝ている人もいる。
本流の末端は地下鉄の駅。

今回の講義は、着手したばかりの「名前」がテーマ。
午前は論文の輪読。午後は名前のインタビュー。受講者が4名と偶数だったので、急遽、実施することにしたのだが、奏功した。名前に関する知識をほどほどに持ち、かつ専攻が同じで、ふだん会う機会も多い。いわばラポールができている関係でのインタビューは、盛り上がった。実は学生たち、やる前は不安げだった。が、何のことはない。案ずるよりも産むが易し。
出そろったら、冊子にして返す予定でいる。インタビュー集「名前のこと話しましょうか」の第2弾だ。

2012/09/03

確かに北海道

キャンパスの中庭に温度計の付いた時計塔が立っている。

帰り、見上げると、

26.6℃。

夏は飽きた、秋だ。

テレビを付けると、登坂淳一アナウンサー。

ニュースで、「江差線の一部区間、JRが廃止方針」。

朝、駅前から伸びる地下歩行空間を使った。通勤時はけっこう混んでいる。いわゆる出勤風景と雰囲気を異にする。みんな、もくもくと歩いている。純粋に歩いている。不思議な光景だ。路上だと風景があるが、それがまったくないからだろうか。

2012/09/02

今日は東京より暑い


10時すぎの便で札幌へ。

札幌は去年のインタビュー以来で、1年ぶり。

今回の旅、準備は万全と思いきや、1点、忘れ物をしてしまった。教材用DVDだ。引き返す余裕もなく、家族に頼んで送ってもらうことにした。最近、1点だけ忘れることが多い。気がする。

さて、札幌だ。

札幌駅を出ると、目の前はビアガーデン会場。もちろん営業にはまだ早い。閑散とした椅子の前にある看板が目立っている。

「今年の夏も、ビヤガーデンも…あと1日」

日付を見ると今日が最終日。飲めれば行きたいところだ。

駅前からのメインストリートは閑散としている。真下に地下道ができ、人流が分散したからだろう。なぜか、名称が変わっている。

「…地下歩行空間」

英語はUnderground Walkway。なんのことはない。こっそり、歩道になっている。

「チ・カ・ホ」(愛称)には、どのくらいの人が歩いているのだろうか。階段を下りると、地下神殿のような空間が飛び込んできた。

印象としては、路上と同じぐらいの人通りだ。ところどころに椅子やテーブルが置かれているだけで、ただただ広い。やはり空間だ。ネットで調べると、こんなことが書かれていた。
「テナントを設置する地下街にすると国からの補助が出ないため、地下歩道として沿道のビル事業者に接続を促すという形式を採る事となった」。

今後、どう変容するのか。新宿西口の地下通路のようになるのか、テナントが結局入るのか。

「チカホ」の開通は1年前の3月12日。セレモニーは中止。

明日から講義。

2012/09/01

降ったり止んだり

久々の雨。
間欠降雨のため、その度に洗濯物を出したりしまったり。
9月初日は、明日からの準備で在宅、という地味な一日。

フルネームで呼んでくれてありがとう

スティールの『 ステレオタイプの科学 』に、こんなエピソードが紹介されている。  ある伝説の英雄と同姓同名の人物に出会ったことで、研究上の疑問が解けたという話である。  シャーマン・ジェームズは、人種による健康格差の問題に取り組む公衆衛生研究者である。たとえば、アメリカの黒人は白...