2013/01/31

予算会議

午後から来年度予算の検討会。
経理部門はすごい力を持っている。財務省に行きたがる人の気持ちを知ったような数時間でもあった。

2013/01/30

車内読書

往復の新幹線で、星野博美の『島へ免許を取りに行く』と、小林聡美のエッセイ集を読了。

前者は抱腹絶倒の自動車免許被皆伝記。舞台は、馬とふれあえる五島自動車学校(いま見たら、ホームページで、しっかり『島へ免許を取りに行く』が宣伝されている。試し読みページへのリンクまで張られている)。

自動車学校のある五島列島へは、博多からフェリー(夜行)で、9時間半かけて行くのが面白そうだ、それも雑魚寝のスタンダードルーム。

☆どうでもいいのだが、なぜか3章と4章の扉に同じ誤植。運転適性の適性が適正になっていて、適正とは言えない。本文はちゃんとなっているだけに不思議。

小林聡美のエッセイ集は、( )の部分に本音がぽろっと登場する。

2013/01/29

企業懇談会

有楽町にて。
終了後、反省会と称して同じ会場で、教職員合同の食事会となった。
それが予想外の展開を見せてくれた。アルコールのせいなのか、それとも解放感のなせるわざなのか、突然カムアウトする人がいたり、学生のことで相談を受けたり、とか…。
結論から言えば、有意義な反省会だった。こういう機会もいいね。一気に縮まる心理距離。

2013/01/28

定期試験最終日

夜中に地震があった。
東北に行こうと思うと彼の地で地震。
というパターンが続いている。
さて朝起きると、うっすらと雪が積もっている。フロストシュガーのようだ。
雪は出かける頃には止んだ。
今日は、9時から16時半まで試験監督待機で、研究室。
幸い、お呼びはかからなかった。試験期間は無事終了。
ふと銭湯の県別軒数を調べた。人口あたり、最も多いのが長野県と鹿児島県。実際には、10万人あたりの公衆浴場は49軒と46軒。全国平均は20軒だから、二県とも倍以上だ。
他方、少ないのは埼玉9軒、沖縄10軒。以下、神奈川県11軒、愛知県12軒と続く。

2013/01/27

桂浜の石

桂浜はきれいだ。ゴミはもとより、海藻や貝殻さえ見かけない。浜にあるのは石だけ。最初、気がつかなかったが、足下を見ると、その石の色が多様で、特徴がある。表面に白い筋のようなものが走っている。
調べたら、桂浜の石は5色石として有名らしい。実際、おみやげさんでも10個500円で売られていたりする。
ボクは3色しか拾って来なかった。
緑、白、灰。
これに黒と赤が加われば完璧だったのか。

近くにある龍馬記念館にも寄った。よくある箱ものと思って期待していなかったが、みごとに裏切られた。
たとえば、企画展での龍馬の手紙。一般的な博物館だと、現物の脇にあるのは簡単な解説だけ。ところが、ここでは全文が活字に直され(翻字?)、現代人でもすらすら読める。解説も龍馬ファンが書いたのか、一遍通りではない。巻物の手紙で、文の後半が左に流れている。これは彼のせっかちさを表しているとか。
本文よりも追伸の長い手紙には笑ってしまった。身に覚えがあるだけに。
通常展も含め、等身大の龍馬が体験できる構成になっている。有名な、あのもたれかかった写真についても、「足下をよく見ると、足がクロスしています」と紹介、もたれかかっている理由がわかる。スタッフが熱いのかもしれない(龍馬像ではクロスしていない)。

追伸 名前に関する資料も得られた。9番のパネルだ。
「署名で遊ぶ」
寺田屋宛ての手紙は署名が面白い。自分の変名を並べて、笑いを取っている。
(略)「大浜濤次郎事 才谷梅太郎事 取巻抜六」。最初の2つはよく知られている変名。最後は前年の寺田屋襲撃でうまく取り巻きから抜け出したことをあらわしたもので、寺田屋だけに通じる名前。(以下略)

2013/01/26

沢田マンション

沢田マンションのフィギュアを発見
高知から戻った。

昨夜のひろめ市場での(楽しい)打ち上げで、こんな所で?という意外な名前が出てきた。沢田マンションだ。しかも、明日、そこに行く予定とか。またまた、うれしいびっくり。もちろん同行を願い出た。

以前、『沢田マンション物語』を読み、一度行ってみたいと思っていた。それにもかかわらず、行く機会などないと思っていたのだろう。所在地をまったく記憶していなかった。ああ、あの沢マン(と略すらしい)の近くまで来ているとは。

今日、その人のレンタカーで沢田マンションに連れて行ってもらった。視野に入ったとたん、その軍艦のような、サグラダ・ファミリアのような、偉容に圧倒されてしまった。

大家さん(沢田さん)に電話をし、さっそく見学させてもらった。まず各階に大物を運ぶためのリフトがでかい。あちこちに古い発動機が置かれている。内部は、えっ、こんなところに階段?通路?という感じで楽しい。迷路のようでもある。屋上の赤クレーン(kenkenX5さんのブログ)も含め、全体がアート作品だ。

マンションの周囲もぐるっと歩いたのだが、沢マンに影響されたのか、あるいは沢田さんの作品なのか、似た雰囲気の建物がいくつかあって、楽しい光景が展開している。

帰り、大家さんが作ったものだろうか、入口脇にある「良心市」に置かれていた小粒みかんを買った。10個ぐらい入っていて100円。

見学マップを見ると、沢マンウィークリーの案内が載っている。一人一泊3500円。ふつうの部屋は月35,000円。今度、高知に行ったら泊まってみようぜよ。

沢田マンション物語を再読しよう。

沢田マンションブログ(facebookもある→http://www.facebook.com/sawada.Apartment)


以下は、『沢田マンション超一級資料』による紹介文。
人間ここまでできる! 夫婦二人でつくった超絶マンション「沢田マンション」は、高知県にあるオーナー夫婦ふたりで自作した 地下1階、地上6階建ての賃貸集合住宅。 現在もオーナー家族の手により増築中。 世界最大のセルフビルド建築としても知られている。
5階まで車で行けるスロープ、屋上緑化(水田!)、庭園と池を完備? 生活の創意工夫をユニークに実現し、畑断熱、有機物の循環なども、 独自の発想と合理性で成し遂げた。
間取りがすべて異なる住戸配置、バルコニー兼用の広い通路など、 経済原理の下では実現できなかったアイディアの見本市。 これからの集合住宅を考えるヒントが満載。 建築界においては評価されず、一般には好奇の目でしか見られてこなかった 「沢田マンション」を、新しい生活空間として解き明かす。
若い建築家、クリエイターの巡礼地となっている沢田マンションの魅力を全解剖!
「社員研修は沢マン! みんなも一度、見といた方がええ。」 --海洋堂代表取締役・宮脇修一推薦

2013/01/24

Thinking, Fast and Slow

カーネマンの『ファスト&スロー』を読み始めた。
上巻の前半は、社会心理学の知見が「プライミング」という視点で再構成されている。ボクなどは、プライミング概念の適用範囲に驚かされる。
個々人の意思決定はそのときの状況に左右され、その意味では「合理的」とは言いがたい。しかし、それぞれがそれぞれの状況にいることで、全体として、あるいは、その帰結として、バランスが取れるというか「合理的」な決定に近づけるのだろう。人間の多様性は重要だ。そう思わせる展開になっている。
これ以降、どんな展開になるのだろうか。

2013/01/23

「私の1冊」

今日の読売新聞、多摩版「私の1冊」に、ボクのインタビュー記事が載った。
これまでの分は、ここに掲載されているので、今回の記事もいずれ載るのでは。
さて今回、取り上げたのは『驚きの介護民俗学』。
著者の来歴(大学辞職)、方法論(インタビュー)、内容(介護)の3つが読むきっかけだった。

インタビューが終わってから、あれにすればよかったかな、とか、急に思い出した本が何冊かあった。
  • 何かでもらった、『イワンのばか』とか『ピノキオ』(それに関連してカバヤ文庫
  • 兄からもらった『にあんちゃん』(帰省するたびに紀伊國屋書店で本を買ってきてくれた、あの包装紙で)
  • 中学時代、はじめて読んだ岩波新書『古墳の話』
  • 兄の本棚から拝借した『悲の器』
  • 高校の卒業式前に読んだ『都市の論理』
  • ファンレターまで出した『富士日記』
でも、新刊にしてよかった。それは、学生にも読んでほしいから、と記者の阿部さんがうまくまとめてくれたからでもある。

今日は午前中、修論の口頭試問。

2013/01/22

待っている間に読んだ

美容院で待っている間中、GRAPHICATIONを読んでいた。

最近、『病院で死ぬのはもったいない』を編んだ米沢慧さんの論考。
在宅医が家族に訴える。
「入院するのは治って帰るために入院するんですね。でも、いま入院すると家族から見放されて孤独のなかで死んでいくために入院することになります。(略)少し無理をしてでも、みなさんお母さんの側にいてあげてくれませんか」。
ボクにできるだろうか。

結城登美雄さんが紹介する「おばあ」たちの大切なもの。
  1. 「あたい」をもつこと(あたいとは自給の畑)
  2. 日々「ゆんたく」をすること(ゆんたくはお茶飲みしながらのおしゃべり)
  3. 「ゆいまーる」でお互いを支えること(ゆいまーるはお互いさまの労働交換)
  4. 「てーげー」で生きること(てーげーはおおらか精神)
ボクの好きなことばかり。

桐山桂一さんが、神崎宣武さんによるしめ縄の説明を紹介している。「ふーん」と納得。さらに桜井徳太郎さんの話も載っている。「そうだったのか」。
「冬至になると太陽の勢力が最も衰えます。まさに滅びんとする危機を乗り越え、やがて青陽の春を迎える。正月とは万物の『再生』を意味する行事なのです」。
安田徳太郎と言えば、ご長男の一郎さん、お元気だろうか。横浜時代、さんざんお世話になった。

2013/01/21

後期授業終了

大学院の「研究指導」授業が今日で完結。
最終回はデータ解析のおさらいをSPSSで。

  1. 一変数処理(データ要約)
  2. 二変数処理(項目間、属性別:相関、平均の差の検定)
  3. 多変量解析(因子分析、重回帰分析、クラスター分析)

明日以降の「指導」は随時。

昨日は近所で総出で雪かき。タイミング悪く、輪に入り損ねた。雪かきも関係資本の指標だろうか。

2013/01/20

Peetz 2012:誕生日の心理学的効果

誕生日後の世界:時間的自己評価と動機づけにおける時間的目印の影響
Peetz, J. and Wilson, A. E. (2012).
The Post-Birthday World: Consequences of Temporal Landmarks for Temporal Self-Appraisal and Motivation.
Journal of Personality and Social Psychology, 2012, No Pagination Specified. doi: 10.1037/a0030477
抄録
物理的目印はわれわれの空間概念を構造化することに貢献するが、誕生日のような時間的目印や特別な日(記念日や祝日)はわれわれの時間知覚を構造化する。人は、自らの人生をこうしたマーカーで区切られた「チャンク」(塊)に整理し、分類する。時間的展望における諸カテゴリーは、目印がそれらの時間の何に注目するかで異なろう。われわれは、これらの目印がアイデンティティや動機づけに及ぼす影響を明らかにする。本研究で検証するのは、連続した自己という知覚、および成功した将来自己を追求する動機づけに対する特別な時間的目印の影響である。研究1と2によれば、突発的な目印的出来事が際立っているようなとき、時間的拡張自己は現在自己につながるものとして知覚されない。言い換えれば、現在自己と異なるものとして知覚される。研究3は、その提案されたメカニズムに取り組む。研究3は、その提案されたメカニズムに取り組む。突発的目印は人を、その前後における自己を別々のカテゴリーに分類するように促すことを示す。それと同じ期間に特別な目印がなかった場合、そうした促進はほとんど見られない。最後に、われわれは目印によって誘発された、現状と望ましい将来との精神的明暗が目標追求への動機づけ(好ましくない現状とよりよい将来とのギャップを埋めようとする努力)を高めるのかどうか検討する。研究4から6は、目印によって誘発された、現在の健康と将来期待される健康との不一致が実験参加者の動機づけを高め、自身の未来目標に沿ったふるまいをする可能性を高めることを明らかにする。
☆本文が読みたい。

Abstract
Much as physical landmarks help structure our representation of space, temporal landmarks such as birthdays and significant calendar dates structure our perception of time, such that people may organize or categorize their lives into “chunks” separated by these markers. Categories on the temporal landscape may vary depending on what landmarks are salient at a given time. We suggest these landmarks have implications for identity and motivation. The present research examined consequences of salient temporal landmarks for perceptions of the self across time and motivation to pursue successful future selves. Studies 1 and 2 show that temporally extended selves are perceived as less connected to, and more dissimilar from, the current self when an intervening landmark event has been made salient. Study 3 addresses the proposed mechanism, demonstrating that intervening landmarks lead people to categorize pre- and postlandmark selves into separate categories more often than when the same time period contains no salient landmarks. Finally, we examined whether landmark-induced mental contrasting of present state and future desired state could increase goal-pursuit motivation (in an effort to bridge the gap between inferior present and better future states). Studies 4–6 demonstrate that landmark-induced discrepancies between current health and hoped-for future health increased participants' motivation to exercise and increased the likelihood that they acted in line with their future-oriented goals.

2013/01/19

Berger 2012:人気名前の背景

カレンからケイティへ:
文化進化を理解する手だてとして赤ちゃんの名前を用いる
From Karen to Katie:
Using Baby Names to Understand Cultural Evolution
Jonah Berger, Eric T. Bradlow, Alex Braunstein and Yao Zhang
(2012)
Psychological Science, vol. 23 no. 10. 1067-1073
抄録
心理学的過程は、文化進化をどのように形成するのか。われわれが追究したのは、ある文化アイテムの人気がどのように形成されるかである。その際、共通した特徴を持つ他アイテムの人気の影響に言及する。具体的には、100年を超すファストネームのデータを用い、名前の人気がその前年における名前の音素構成要素人気に影響されることを検証した(例、Karenの音素はK EH R AH N)。単純接触効果研究をもとに、われわれが見いだしたことは以下の通りである。名前は、似た名前が人気を博すようになると、人気となる傾向にある。これらの効果は線形的ではなく、過剰人気は受容を妨げる。さらに、これらの効果は音素位置による影響を受ける。われわれが示したのは、ハリケーンの名前を使ったフィールド実験における文化的成功における類似性のインパクトである。音素頻度に対する外部からのインパクトは、有名なハリケーンの名前における音素の存在によると、その音素を含む名前の人気を高める。まとめると、われわれの研究結果は、文化アイテム相互の類似性が、それらがどのようにして人気を博すようになるのか、文化はどのように広まって行くのかに影響するようすを示している。

Abstract
How do psychological processes shape how culture evolves? We investigated how a cultural item's popularity is shaped by the recent popularity of other items with features in common. Specifically, using more than 100 years of first-names data, we examined how a name’s popularity is influenced by the popularity of that name’s component phonemes in other names in the previous year. Building on mere-exposure research, we found that names are more likely to become popular when similar names have been popular recently. These effects are nonlinear, however, and overpopularity hurts adoption. In addition, these effects vary with phoneme position. We demonstrate the causal impact of similarity on cultural success in a natural experiment using hurricane names. An exogenous shock to a phoneme’s frequency, due to the presence of the phoneme in the names of prominent hurricanes, boosts the popularity of names that share that phoneme. Taken together, our results suggest how the similarity between cultural items affects how popular they become and how culture evolves more broadly.

今日、明日とセンター試験。今年の監督業務は免除。

2013/01/18

わらしべ長者とは違うけど

朝食を取ろうとエレベータホールに向かうと、既に老夫婦が待っていた。なんとなくずうっと待っている風だ。見ると、▼ボタンが点いていない。気づいて押した。

さて、夫は大きなザックの他に、両手にポリ袋。Good morningと挨拶をすると、彼がそのポリ袋についてしゃべり始めた。英語とばかり思っていたら日本語だ(配偶者は日本人)。

昨日、別れた友人から「持って行け」と渡され、ただでさえ荷物が多いし、さりとて捨てるわけにもいかないし、困っている、と言う。どうやら一緒にスキーをした仲間かららしい。

そのポリ袋の中は、みかん7個とリンゴ2個。なぜ数が正確か。その袋がボクに回って来たからだ。

2013/01/17

門を変えたら

ふだんは西側にある正門から入るのだが、車で送ってもらったため、北門から入った。こちらにも警備員さんがいる。
今日はなじみの人だった。
少し立ち話をした。
ふだんは、もっぱら学生の話題なのだが、今日は個人的な話。
実は、昨年亡くなった○○○○(某有名評論家)の弟で……、と。
びっくり。確かに名字が同じだ。考え方も似ている(ご本人曰く、「いろいろ影響を受けました」)。あまり多い名字ではないのに、これまで思いもしなかった。

警備をしてくれている人は大半が定年退職組。仕事のきっかけも学生のために何かしたくて、だったりする。すごい前職の人もいる。

聞いてみないとわからないものだ、人は。

今夜は雪国泊。

2013/01/16

ひたすら聞く

昨日は研究会の打上げ(イタリアンレストラン)。

メンバーの一人が最近経験したばかりの「聞くだけ」の効用を話してくれた。その人には姉が二人いて、当人同士は口をきかない間柄。で、その二人から互いのことで、というか相手への愚痴で、電話がかかってきたのだという。で、彼女はとにかく、聞き役に徹した。
いろいろ話した後、二人とも満足して電話を切り、「後味も悪くなかった。長電話だったけど」。いい妹だ。
二人の姉は、互いに、一番下の妹に電話したことを知っているのだろうか。

お開きの直前、読書会をしようかという話になった。きっかけは幸田文の著作だ(平凡社刊の○○帖シリーズ)。

2013/01/15

大雪の翌日

朝から青空。
今日は人も車もゆっくり。

線路沿いを歩いていると、「鉄」らしきおじさんがカメラを構えている。
「雪の世田谷線」を狙っているのだろうか。
なるほど、「鉄」は、こういう発想をするのか、とボクも1枚。

さて社会心理学の採点が終わった。
「あなたがすばらしいと思うリーダーを一人……」であがってきた上位5人は以下の通り。

  1. 高橋みなみ
  2. 澤 穂希
  3. 大野 智
  4. スティーブ・ジョブズ
  5. 明石家さんま
予想があたったのは澤選手ぐらい(佐々木監督は6位)。あとははずれてしまった。

2013/01/14

大雪

朝、目が覚めると雪が舞っている。ぼた雪だ。
夕方、鍋の材料を買いに行った。足を取られ、歩きにくい。買い忘れがあって、もう一度外出。今度はさっきよりスムーズに歩ける。けっこうすぐ慣れるものだ。
きょう読んだのは、大庭健『いのちの倫理』(ナカニシヤ出版)。
「私の命」と言うときの「の」は所有格ではない。「私の命」とは、命における私。つまり(受け継がれる)いのちに私は何ができるのか、ということ。
自己責任、自己決定の議論が小気味よい。
本書で学んだことは多い。「有害ないのち(wrongful life)訴訟」もその一つ。かまびすしい出生前診断の前提にある発想だ。飽くなきコントロール幻想は、自己責任の行き着く先なのだろう。

2013/01/13

猫日和

今日の書評で心の琴線にふれた2冊。
高山なおみ『今日もいち日、ぶじ日記』。
一瞬、ふじ日記と空目したが、本書はボクも好きな武田百合子さんの『富士日記』に捧げられている。冒頭の被災地日記を公開した理由を読みたい(好きな、は武田さんにも富士日記にもかかっている)。

エリック・ワイナー『世界しあわせ紀行』。
「不幸な国は、どれもみな同じように見えるが、幸福な国にはそれぞれのしあわせのかたちがある」としめくくられているらしい。「幸福とは思想であって考える人の大きさを応じている」は評者、池内紀さんのしめくくり。

同書をアマゾンで見ると品切れ。地元の図書館で検索すると、9冊購入で45人待ち。大学図書館にも入っていない。待つとするか。ちなみに、高山さんの本は9人待ち(1冊)だった。
酒井順子さんの『3冊の本棚』のテーマは「やりとりのありがたさ」。タイトルからしていいと思うのはひいき目か。その昔、友人が彼女を発掘したと豪語していたが、いまなおいい。今回、取り上げられているのは『年賀状の戦後史』『贈与の歴史学』『女に』。どれも読んだことがない。

読みたい本がどんどん貯まる。
浜矩子さんの「時代を読む」は安倍首相の相棒(日銀)つぶし。「『強い期待』を押し付けられた方は、やる気をなくす。やる気をなくせば、どうしてもサボタージュ気分になる」。「さらに怖いのは、『強い期待』に素直に応える相棒のへの首のすげ替えだ。これは全くまずい。だが、その日が近そうだ」。「思い臣が激しくて、子どもじみた政権が誕生すると、どうしてもこれが出てくる」。「こういう人は自ら、良き相棒を得る機会を失う」。
「つらぬけばそこに」の6回目は卯城竜太さん。岡本太郎の「明日の神話」の片隅に福島原発を重ねたChim↑Pomのリーダー。3.11を体験した中学生、高校生に期待している。同感だ。

以上、今日の東京新聞から。

今日はぽかぽか陽気。ナルちゃんが来そうな予感がする、と娘。ボクは修論の査読、家族は有明へ。

2013/01/12

手描き地図はおもしろい

本の雑誌1月号で、猫ストーカーの浅生ハルミンさんがFrom here to thereを紹介している。手書き地図ばかりを載せた本だ。

著者のHarzinskiさんは、引っ越しの準備をしていたとき、それとなく貯まっていた手描き地図の束を見つけた。それらを見ていると、当時の記憶が呼び起こされ、楽しくなってきて、ついに本を出版。揚げ句の果てには、Hand Drawn Associationなる協会まで作ってサイトをオープンした。いろいろ手描き地図が寄せられているという。

ボクも初めて行く場所については、地図を手帳に書く。その際、起点は駅。ゴールは☆印。その際、目印になるものがあると書きやすい。

いつかの1年生ゼミで、文章練習の授業をしたとき、国分寺駅から大学までの10分ほどのルートを説明する文章を書いてもらった。そのとき、まずは地図を書いてもらうことにした。入学1ヶ月後の時点の、いわば認知地図だ。

紙の使い方から始まって、すでに千差万別。目印に書かれるものとしてコンビニが多く書かれたり、上り坂に「きつい」と解説が付いたり、見ていても確かに楽しかった。

今度、留学生にも書いてもらおう、大学までのルートを。

2013/01/11

こんな週末

昼から刑務所の見学。前回より手続きが厳しくなっている。中の雰囲気もピリッ。同じ青空の下に広がる非日常空間。職業が違うと人間観も違うのだろう。

いったん大学に戻って、夕方から大学院授業の打上げ(再来週が最終回)で駅前。メンバーは中国人留学生が3人、日本人が1人。この4人はみんな積極的で優秀。おやじギャグも駄洒落も通じる。

今日も前回と同じ会場にしたのだが、席が分煙の境目しかなく、すぐ隣でプカプカ。次回はもう変えよう。さよなら○○○亭。

今日受け取った2点の修論。テーマは、中日の道徳観比較と、コンパ社会史。

2013/01/10

さびうれ

『子供の科学』2月号が届いていた。
先月受けた取材が載っている号だ。
まず目次を見る。

下の方に小さく、「KoKa的インターネット活用術―心理学的メールコミュニケーション術 塩野祐樹」。
と、ライターの名前が出ている。
まあ書いたのは彼に間違いないけど、ちょっと寂しい。けど、昔読んだことのある雑誌に載るのはちょっとうれしい。

今日は修論の提出期限。今年度の査読は2本。明日は刑務所見学の引率。

2013/01/09

紙媒体をどうするか

大学院の会議で修士(ないし博士)論文の提出形態が話題になった。
現行では、主査用1部、副査用2部、図書館保存用1部、の計4部を提出することになっている。ボクなぞは半分で済むから、両面印刷がいいと思っているのだが、現状は片面印刷とか。
それをもっと進めて保存用1部とPDFファイルでいいのではないかという話だ。タブレット端末が普及しているのだから、画面で読むのは従来より敷居が低い。必要な場合は印刷すればよい。そして何よりも、審査が済んだら削除するだけで済む。
他の大学はどうしているのだろう。

2013/01/08

火曜の授業が終わった

今日、「社会心理学」と「演習」が終わった。

演習は、このあとゼミ論集の作成があるので、実質的には終わっていないのだが、授業としては終わり。

社会心理学は後半、中テスト。前半は、幸福と健康の授業。
昨日ふれた自由記述の設問を紹介しよう。
「あなたがリーダーとしてすばらしいと思う有名人を一人あげ、その理由を記せ」

電通の入社試験はこうだったらしい。
「あなたがリーダーとしてすばらしいと思う歴史上の人物を一人あげ、その理由を記せ」

明日から採点だ。

2013/01/07

授業開始

今日から授業。
大学院の授業が終わってから、明日の中テストの準備。
前回使ったマークシートが半分空いているので、それを再利用するための準備だ。マークシートは100問用。前回50問分を使ったので、今回は51番目から100番目までを使う。われながらいいアイデアだと思うのだが、どうだろう。
自由記述の問題も設けた。院生に見せたら、「これ、電通の入社試験に出ましたよ」と言われた。もちろん偶然の一致だが、びっくり。明日になったら書こう。

2013/01/05

ネットも両面

兄から連絡があった。昨日の日経にコメントが載ってるよ、と。
検索したら、「連載『隣り合う』苦悩救う共感の輪」がヒット。
最初、ネガティブなコメントをしたら、できればポジティブな内容を、と言われたのだが、最終的に一部が残った。なんでも両面あるのだから、両方知っておくにこしたことはない。

先日のニュースで、
新年迎えた瞬間のつぶやき、過去最高に 大半は日本から
朝日新聞 2013年1月2日(水)19:09
日本や韓国が新年を迎えた1日午前0時すぎ、ツイッターの「1秒当たりのつぶやき数(TPS)」が過去最高の3万3388を記録した。この数値は世界中からのつぶやき数の合計だが、大半は日本からの発信という。米国にある運営会社が2日、公式ブログで発表した。(略)2時間後にバンコクなどが新年を迎えたときのTPSは1万1675、9時間後のロンドンなどでは9455、14時間後のニューヨークなどでは1万3336で、日本人のつぶやき好きがうかがわれる。
気の利いたコメントで締めたかったのだろうけど、「日本人のつぶやき好き」はいくらなんでもひどい(根本的帰属錯誤)、デスクも記者も。だけど、この表現けっこう使われていそうだね。


2013/01/03

初掃除

正月も三日になれば、福も逃げまい、と家の掃除。
久々に床も磨いた。白い雑巾が黒っぽくなった。
午後はゼミ論の添削。

2013/01/01

ブログも3年め

あけましておめでとうございます。

暮れ、二泊三日で熊野古道に行ってきた。確かなものがない中で確実なのは過去だけ、ということでの敢行。1日めは速玉大社。メインの2日めは本宮大社。予報どおりのどしゃ降りで予定のルートを歩けなかったが、雨の多い地ゆえ、よしとしよう。お昼は新宮駅前で買った熊野弁当熊野本宮館の縁側で)。3日めは打って変わって好天。那智大社まで古道を歩いた。那智の大滝に寄ると、何の工事かわからないが、クレーンが入っている。

大社はどこも、マイカーや観光バスで乗り付ける人が多く、観光地と化しているが、途中の古道を歩く人は限られていて、いい。

熊野古道巡りはある程度、予備知識がないとプランニングがむずかしい。当初、ホームページを見ても何のことかさっぱりわからなかった。出てくる用語も独特。中辺路とか、王子とか。今回行ってみて、ようやくようすがつかめた感じがする。次回は、いい計画が立てられそうだ。

紀州はみかんの名産地。みかんの専門店があるのにはびっくり。店頭には、一番安いの「B級品わけあり」6個入り100円から並んでいる。見かけが悪いぐらいで、甘さは変わらない、という。みかんを片手に宿へ。家の近所にあるスーパーで見かけるのは長崎産か熊本産。なぜか和歌山産を見かけない。流通の問題だろうけど、不思議だ。まぐろもよく食べた。

おみやげは、勝浦地方のお正月飾りと、みかん6個(A級品)。

写真は、上から順番に、速玉大社参道にある魚屋さんで見かけた珍魚ヤガラ(トゲウオ科)。店頭ではクジラ肉の干物もよく見かけた。

熊野交通バスの優先席表記は「善意の席」。こう書かれたら、なかなか座れないよ。

今回、特急「ワイドビュー南紀」で往復した。帰りの電車では、運転士の見習い場面が見られた。教師役の運転士が指呼確認をするたびに、何か話しかけるたびに、ちょっと若い見習い氏がメモ。いい師弟風景だったので(PM的リーダー)、撮影。

そんなわけで、おせち料理は外で食べ、帰り道、代々木八幡宮に寄った。すでに長蛇の列ができていて、参拝はあきらめて、脇からごあいさつ。

賀状を書き始めたのは元旦当日。互換インクに交換したら、発色がおかしくなってしまった。ご容赦あれ。

おまけ 新宮の街を歩いたら偶然、西村伊作の自宅(記念館)を発見。特徴のある建物なので目立つ。あいにく休館だったが雰囲気は味わえた/編集工学研究所が暮れ、世田谷区に移転していた。

フルネームで呼んでくれてありがとう

スティールの『 ステレオタイプの科学 』に、こんなエピソードが紹介されている。  ある伝説の英雄と同姓同名の人物に出会ったことで、研究上の疑問が解けたという話である。  シャーマン・ジェームズは、人種による健康格差の問題に取り組む公衆衛生研究者である。たとえば、アメリカの黒人は白...