2014/12/29

「個人的なことは政治的である」

松井久子編『何を怖れる―フェミニズムを生きた女たち』岩波書店。
同名映画に収録しきれなかったインタビューの文字版。

映画は、来月17日から渋谷シネパレスで上映。公開記念ティーチインが終了後開かれる(上映は10時~11時50分、その後12時半までティーチイン)。

WANの中西豊子さんが、組織で難しいのは「人と人とのいいつながりをつくっていくこと」と強調している。

今朝の東京新聞「本音のコラム」で宮子あずささんが「郵便屋さんありがとう」と題したエッセイを寄せている。
彼女は、訪問看護で行ったアパートのドアに、名前はおろか部屋番号の表示もなく、外から電話をしてドアを開けてもらった経験から、表札のない家が増えている中で郵便物を配達する郵便屋さんの仕事を「プロの仕事」と感動する。

我田引水か、「いい」以前に「つながり」が作りにくくなっている。


玄関マットで足を滑らせ、肩を強打。

2014/12/28

おもしろいお母さん

ねじめ正一『認知の母にキッスされ』。

48年生まれの著者に、米寿の母。
母のことを思い出しながら、笑いながら、一気に読んだ。

老人ホームでのできごと。
お母さん(みどりさん)の隣室に入居したおばあさん。認知症で、ドアの鍵で困っている。彼女を手助けしたあと、著者は彼女を事務室まで一緒に行くはめになる。

そのおばあさん、「手を引いてくれますか」
ねじめ「いいですよ」
「ああ、よかった。これで帰れるわ。お兄さんの手、温かいですね。これからも一日に一回手を握ってもいいですか」
「いいですよ」

一番好きな場面だ。

すぐに読めなかった「喚く」は、本書の最頻出動詞かもしれない。


装画を唐仁原教久(Norihisa Tojimbara)さんが担当。布地風の表面がいい。

2014/12/27

忘年会

吉祥寺で忘年会。
先日の忘年会では前立腺談義で湧いたがw、今日はもっぱら出版界の話題。
話題に上った本は、ピケティの『21世紀の資本』。12/8に出たばかりなのに既に4刷。
その場でみすずのサイトにアクセスすると、

[重版中です]まことにおそれいりますが出来までしばらくお待ち下さい

1冊6千円もする本なのに。

加藤晴久氏によれば、「フランス経済学界は意気軒昂である」。今年のノーベル経済学賞はフランス人のティロル(TSEの創立者)。IMFが発表した「いま世界でもっとも影響力のある45歳以下の経済学者25名のリストにフランス人は7人」(「ル・モンド」10月30日付)。日本人は含まれていない(『機』141号)。


出版社のPR誌で0円読書ができる。

2014/12/26

カフェで読んだ

堀口珈琲でコーヒーを片手に読んだ。
たまたま鞄に入っていた『カフェと日本人』(高井尚之著)。
懐かしい喫茶店、よく知っているカフェがいくつも出てくる。
MOF担が接待に使ったノーパン喫茶、打ち合わせでよく使った「談話室滝沢」……。
純喫茶が特殊喫茶に対して付けられた呼称であることを初めて知った。
現存する国内最古の喫茶店は「カフェーパウリスタ」(1910年12月12日開店)。建物も場所も変わっているが、行ってみたい場所に仲間入り。
国内のコーヒー飲用量は2012年で、1週間あたり10.73杯。この数字自体は頭打ち。外で飲む量(0.32杯)が減り、家庭で飲む量(6.85杯)が増えている。


著者が選ぶカフェ好きの聖地

2014/12/24

もうじき新年

今年最後の散髪。
客が多く、1時間ちょっと待った。
持っていた「」1月号も読了。

小湊鐵道に行きたくなる原武史の連載。
彼のコースは、東京駅12:24-13:25五井。
五井13:33-上総牛久14:00-養老渓谷14:39-14:46上総中野(39.1km、1時間13分)
駅名標のひらがな、かずさとかづさが混在しているとか。

「健康」が日本語であることも知った。語源である「健体康心」は「易経」に出てくる中国語。てっきり中国語と思っていた(高島俊男の連載)。


2014/12/23

暮れの一日

IKEA。
出口にアウトレットコーナーがある。
大半はテーブルや椅子。各商品に「分解はお客様で」と書かれた紙が張られている。
コスト削減の一環だろうか。
夜は月島へ。
帰り、地下鉄の改札口で「この人、数学が5なの」という、「おのぼりさん」4人グループに話しかけられ、みんなとはぐれてしまった。

2014/12/21

「作らない建築家」の本


坂口恭平『TOKYO一坪遺産』集英社文庫

もくじ
  1. 仮想野球場:二人で野球をするための分身術
  2. 隅田川の0円ハウス:人体の延長線上の家
  3. 宇宙の缶詰
  4. 隙間芸術:中野のパーキングガーデン
  5. 東京駅のエアポケット:パラソルの下の靴磨き屋
  6. 現代の楽市楽座
  7. 歌舞伎町のオートクチュール宝くじ売り場
  8. 世田谷のミニチュア天国
  9. 芸術的豆本作家
  10. 高架下の画家仙人
  11. 立体読書
  12. 見えなくても、ある。
小学生のころに著者(ただいまは国分寺在住とか)が作った「机の家」は、ボクにも覚えがある。押入の中に作ったこともある。

さて。

都市のすき間には、こんないい空間(目に見えない空間)がこんなにもある、と思って「間違いはない」(高架下の画家仙人の口癖)。この本で、宝くじ売り場ハウスの秘密も初めて知った。
日本は「本当に狭いのか? 僕にはそうは思えない。人々はあくせく働いても狭い住宅にしか住めないのに、なぜ国の建築物はあんなに巨大にできているのか」。
そして、路上生活者の家は排除されていく。路上で露店を出していた人々も追い出されていく。単純に言って、全ての人々は家を持つ権利があるはずなのだが、そこは平気で見過ごされている。 
霞が関界隈には「国有地に付き立入禁止」という面妖な看板がある。


わたしたちの島で』に出てくるスニッケル荘(スニッケルは指物屋の意味)、なぜ居心地がいいのか、その秘密がわかった気がした。

2014/12/17

サゲ

物語る私たち

ポーリー監督が、自身の出生の秘密、そして亡母の恋を半ドキュメンタリー風に構成した作品。父親によるナレーションがせつない。

カナダの社会事情もわかる。

最後の最後のシーンで、観客はずっこける。
カナダ落語のよう。
「えっ!?」で、終わる。

2014/12/15

0円経済

0円ネットワークが特集の「ビッグイシュー」253号。
悩みは、ネットオークションでの転売。それでもやる。


2014/12/13

天気予報の地域差

九州に行ってきた。
現地で天気予報では最後にPM2.5予報が流れる。
NHKの予測を見ると、確かに九州では欠かせない。
天気予報で流れる情報は、場所に環境変化に左右される。
花粉予想。天気予報ではないが、空間線量とか。

2014/12/11

「私は……」

ノーベル平和賞を受賞したマララさん。
その授賞式演説で自身の名前にふれている(訳はThe Huffington Postから)。
親愛なる兄弟姉妹のみなさん、私は、パシュトゥン人のジャンヌ・ダルクともいわれる「マイワンドのマラライ」にちなんで名付けられました。「マララ」という言葉は「悲しみにうちひしがれた」とか「悲しい」という意味ですが、それに「幸福」の意味を加えようと、祖父はいつも私を、「マララ、世界で最も幸せな少女」と呼んでくれます。 
さらに、中盤で、彼女は「私の意見は、私一人の声というわけではなく、大勢の人の代弁者なのです」と言い、つぎつぎと女の子の名前をあげる。
私はマララです。そして、シャジアでもあります。
私はカイナート。
私はカイナート・スームロ。
私はメゾン。
私はアミナ。私は、学校に行けない6600万人の女の子なのです。
何人もの女の子が目の前を歩いているようだ。

2014/12/10

スウェーデンの習慣

金曜日のお掃除:ちゃんとしたものは週に一度、週末前の金曜日に。

引っ越しがゆ:新しく引っ越してきた家へ、近隣の人たちが「引っ越しがゆ」を持っていく習慣がある。米粥やオートミール。最近は中身が菓子や料理になることもある。

タラ:間抜けとか馬鹿者のことをこう呼ぶ場合がある。

命名日:暦の日に、人名が付いている。誕生日と同じに祝う。変わった名前だと命名日がない。

リンドグレーン(1964)『わたしたちの島で』岩波少年文庫から。
同書は、先日見た『なまいきチョルベンと水夫さん』のノベライゼーション(本書の後半)。



2014/12/09

『OVER60 Street Snap』

サブタイトルが「いくつになっても憧れの女性」。
著者(撮影)はL'ideal
「ファッションがきっかけで少しでも多くの人が、おじぃちゃん・おばぁちゃんと関わる機会をもってくれたら」と著者

もちろん、みんなおしゃれだし、センスもいろいろなのだが、誰も髪を染めていない。
年とうまく付き合っている。

こんな本も昨年出ている。
Advanced Style—ニューヨークで見つけた上級者のおしゃれスナップ』。
著者は、NY在住のアリ・セス・コーエン(Ari Seth Cohen)。おばあちゃん子という男性とか。
サイトはここ


2014/12/08

あるインタビュー記事

私のスケジュールも、それに合わせます。彼らには彼らの信仰や信条がありますから、よほど不合理なことでない限りそれに合わせて行動したほうがいい。文化や宗教の違いをうんぬんするより、相手に合わせて「何か」を実現する。そのほうがずっと価値は高いと思います。
イスラム文化を尊重しながら、その枠内でできることはたくさんありますから。
x人も自然も 、一方的に変えようとしてもうまくいかない。だから自分から動いて変わっていくしかない。自然とのつきあいも、一種のコミュニケーションなのかもしれませんね。

2014/12/07

橋つながり

コミュニケーションを橋にたとえるようになってから橋が気になっている。

東京新聞で、中野京子さんが「橋をめぐる物語」を連載している(不定期だが、ほぼ月一)。ここでダンゴムシ橋(Rolling Bridge)も知った。

この連載の前に、北海道新聞で連載を書いていて、それが1冊にまとまっている。同名書『橋をめぐる物語』がそれだ。
30の橋が紹介されている。

ゴールデン・ゲート・ブリッジ」の項で、自殺の話が出てくる。
映画「ブリッジ」の中に出てくる若者の証言が紹介されている。
一命を取り留めた若者が当時を振り返って語るシーンだ。
70mの高み、最終落下速度120km。
彼は言う。「飛び降りた瞬間、死にたくないと思った」と。
必死で体勢を取り直し、どうにか両足から落下。

別の飛び降りを目撃した少年の談も示唆的だ。彼の証言と母親の証言が異なる。母親によれば「ふつうの娘さん」なのだが、少年は「お化けのようなすごく怖いおばあさんだった」と。中野さんは少年なりの自衛本能と解釈するが、実際にそう見えた瞬間もあったのではないだろうか。それはともかく、このエピソードはインタビューの極みだ。
「事実」を確かめることではなく、そう語っていることが大事なのだから。


新刊の『懸け橋(ブリッジ):オバマとブラック・ポリティクス』も気になる。ブリッジが懸け橋と訳されている。

2014/12/06

昔のこと

今日の研究会で、ついパソコン通信にふれてしまった。
いま思うと、NIFTY-Serveは、ボクにとって全体が内集団だったのかもしれない。
たとえるならば、ネット全体が内集団と言っているようなもので、一見アリエナイ話ではある。
当時は利用者が少なかった。利用は有料で、料金はクレジットカードからの引き落としだった。ユーザーをネットワーカーと呼んでいた時代の話でもある。

2014/12/05

森の中の図書館

農大アカデミアセンターを訪問(写真は、http://www.nodai.ac.jp/megumaga/vol137.htmlから)。

この春オープンした複合施設で、メインは図書館。設計管理を久米設計、施工を清水建設が担当。

外観も内部も木を強調した作りになっていて、周りの緑と合う。

1階に大学史資料コーナーがあり、ディスプレイ上で「農大新聞」が読める。いいアイデアだ。東経大の新聞(大倉高商新聞、東京経済大学新聞)は電子化されているのだろうか(復刻版のデータが使えると話は簡単)。


図書館が単独の建物がなくなったのはいつごろからなのだろう。

2014/12/03

社会心理学的歴史家

阿部謹也著作集の第9巻「自分のなかに歴史をよむ・北の街にて」を読み始めた(装丁がいいと思ったら、毛利一枝さん)。

冒頭は「自分のなかに歴史をよむ」

17年前、佐藤先生の葬儀で弔辞を読み上げたのが、当時、一橋大学学長の阿部先生だった。「この人が、あの『世間』の先生なのか」と、落ち着いた話し方が記憶に残っている。

大きいくくりで言えば、阿部さんは思想家。文章も内容もぴったり来る一人。関心が人に向いているからかもしれない。
私が知りたかったこと、それは西欧的社会(修道院という人間集団)と日本社会の違いがどこにあるのか。修道士がなぜ武器を持ったのか。これを論じた書物はいくらでもある。
聖地を解放するために武器をとったのです、と言われれば、「ああそうですか」というしかない。しかし、それでは「祈る人、戦う人、働く人」の3区分はどうなったのかといいたくなる。信仰と戦闘はどう結びつくのか。「汝殺すなかれ」を説く修道士が堂々と人殺しをする十字軍とはいったいなんだったのか、聞きたくなる。
この問いにいろいろな答えは出されているが、現代の修道士が武装している理由にはどんな本も答えてくれない(要約)。

この全集、2000年刊なのに、もう絶版。

『図書』12月号

伊藤毅さんの発言から。
私たちは災害は外から来る、外から襲われて傷を受けるというようなイメージを持っていますが、私は都市というのは初発の段階から危機を抱え込んでいると思うのです。そのことを忘れ、行政が問題を外部化して、自分たちの危機とは思っていないんですね。
近世都市には恒常的に地震や大火があり、荒れた土地は潰れ地、なだれ地などと呼ばれて、日常的に意識されていました。近世はまだ都市に内在する荒れ地性や危機のリアリティがうまくキープできていた時代ではないかと思っているんです。
地震は外から来る自然現象でも、災害は自然現象ではない。

『図書』12月号もくじ http://www.iwanami.co.jp/tosho/

2014/12/02

卒制・卒論

明日は、卒論・卒制の提出日。ただし、今週いっぱいは受け付けることになっている。

ボクのゼミ(9名)は、こんな風。

論文
  • ガン・サバイバーシップ
  • 子どもの貧困
  • 感情労働
  • 巨人ファンと阪神ファン
  • ミュージカルファン
  • 恋愛と結婚
制作
  • サッカーのムック
  • 駆け込み乗車図鑑
  • ドタバタ自分史
学生の解放感、如何ばかりか。まあボクもだけど。
ただ、このあと、発表会兼口頭試問、卒制・卒論集(CD)の制作が待っている。

卒論の書き方11:結果→考察→結論

先行研究、仮説、方法、結果、考察、結論はすべてつながっている。思考の順番でもある。

こういう先行研究があるから、こういう仮説が導き出され、こういう方法がとられ、そして、こういう結果が得られたのであれば、仮説や先行研究との関係から、一定の考察がなされ、その延長上に(暫定)結論が導かれる。

極端なことを言えば、それまでの部分を踏まえるならば、誰が書いても同じような結論になるはず 。つまり、結果の先(考察と結論)はなかば自動的に書かれる。まさに導き出される性格のものである。

研究者の顔が見えるのは、またまた極論すれば仮説から方法まで。

2019年7月14日改訂

2014/12/01

卒論の書き方10:役所言葉は不要

学生たちの文章で結構見かけるのが「等」「など」など。

スマホやガラケーなどの携帯機器は……

「等」「など」の多用も社会の非寛容を反映しているのかもしれない。習慣になっている人も見かける。

「等」「など」が何をさすのかわかっているのであれば、それらをあげるべきだし、はっきりしないのであれば、「スマホやガラケーといった携帯機器は……」で十分。

どうしても使いたいのであれば、たとえば「主としてスマホやガラケーといった携帯機器」「スマホやガラケーに代表される携帯機器」あたりか。

「等」を入れておくと、何かあった時に好都合なので、役所などでよく使われる。

予算で「切手など」1万円として計上しておけば、この費目で「はがき」を買ってもとやかく言われない。さすがに、この枠でお菓子を買う人はいないと思うが、論理的には可能。



2019年7月14日改訂

卒論の書き方9:有効桁数

社会が寛容じゃないからなのか、街のあちこちで「約」をよく見かける。学生の原稿も同様。

曰く、4割、30m。

「約」なしで書ける。有効桁数を思い浮かべよう。

「4割」は、この表記だけで3割5分から4割4分の間をさす。もし、この範囲外であれば、4ではなく、別の数値になる。

「30m」は、特に断らなくても、29.5mから30.4mの間。

堂々と、4割、30mと書こう。

約4割とか約30mって、どの範囲を想定して使っているのだろう。わからない。



2019年7月14日改訂

2014/11/29

見返しあたりにサイン

チクセントミハイ夫妻を囲む会に参加した。
モノの意味』にサインしてもらうべく。

目的は果たせたのだが、
あとで見たら、文の後半がThanks for his work on this book.
Thanks for your work on this book.
と書いてほしかったorz

ある質問をしたら、
「フロー本の読者は2派に分かれる。わかるという人たちと、わからないという人たちだ。もちろん多数派は前者。つまり、自分のうまく説明できない経験がフローという概念によってうまく説明されていると感じるからではないだろうか。そう思う」。

他の人の質問に答える形で、夫婦円満の秘訣も教えてくれた。

どんな質問にもフレンドリーに答える、80歳のミハイ。困憊気味。

満足のツアーになればいいのだが、初対面でも気にかかる。


彼の名字、チクセントミハイは、(ハンガリーにある)チーク谷の聖マイケルという意味らしい。「の」に相当するのは 、Csikszentmihalyiの最後のi。名前の方のミハイにはiがない。

2014/11/24

86年ぶりの公開

加地邸をひらく:継承をめざして」。

最も低い部分が居間。そこに水が流れ込むように周囲の部屋はスキップフロアになっている。2、3段上がるだけで気分が変わる。

設計者の遠藤新さん、五角形が好きなのだろうか。椅子の背当ても五角形なら、窓も五角形。サンルームも上から見ると五角形になっている。五角形は、縦の線を垂直にすれば家の形だ。

灯りも専用に作られたもの。すべてペンダントライトで、部屋が明るすぎない。

ある程度大きな家は、石があることで落ち着くのだろうか。大谷石がいい。

庭で売られていたスコーンが懐かしい味で、おいしかった。レーズンではなく、干しぶどうという表現がよく合う。

そのあと披露山庭園住宅へ。

対照的な組み合わせの見学となった。

加地邸

2014/11/23

長野で地震

22日午後10時8分ごろ、長野県北部で震度6弱の地震。気象庁によると、震源地は長野県北部、震源の深さは約10キロ、地震の規模はマグニチュード6.8と推定(今日、6.7に修正)。

長野に連絡を取ったら、
「我が人生で実体験としては最大の地震! 幸い何もありませんでした。善光寺地震から150年、そろそろですが」と冷静な返信。

しかし今日、 両親の生家を確認に行ったら、被害は大きかった、と続報。
「土蔵の壁が落ち、食器が飛び、大変だったそう」

今度の地震、なんと命名されるのだろう。

2014/11/22

「考える」というのがいい

考えるマナー』読了。

読売新聞の連載が元になっている。

書名を見たとき、あるんじゃないかと思ったら、あった。「マナーのマナー」。
さて。

井上荒野さんの「名前のマナー」も出てくるが、赤瀬川原平のエッセーが、最近亡くなっただけに、生々しい。手術の話も出てくるし、「車のマナー」には「もう油断のできない年齢だ」という記述も出てきて、ドキッとする。

ブレンドの効用。たとえば紅茶。侵出時間がばらつくことで、多少、時間がずれても「最大公約数な味が保証される」(高橋秀実「ブレンドのマナー」)。「人間も然り」。

「安いわ」の「わ」は一人称。つまり「私」を意味する。柳田國男によると、「わ」が一人称であることが忘れ去られてしまったらしい。「安いわ」とは「安いと私は思う」の意(高橋秀実「買い物のマナー」)。

2014/11/21

まもなく師走

現代用語の基礎知識 2015年版』が届いた。

今年も1項目書いた。

「世相・発言」(執筆「世相風俗観察会」)の中の「豊かな国土に国民が生活していることが国富」。大飯差し止めを命じた樋口英明裁判長の一言を引用。

たった1項目だが、昔から見てきた『基礎知識』に載るのはうれしい。名前は巻末に小さく載っている。

巻頭特集の「大切にしたい、日本の原風景」が光ってる。
かけがえのない大地を、
集団自衛権やTPPや原発なんかに
壊されてたまるか!
そのあとの特集には、震災、もんじゅ君、福島が続く。読んでいると、こうなる前の時代の感覚が戻ってくる。

2014/11/19

違いすぎ

木が木材(材料)になる場面を見たくて材木屋さんを訪問した。
工場では職人さんがのみをふるっている。なつかしい、いい音がする。
今回は杉に絞って何種類か見せてもらった。
同じ杉なのに、こんなにも違うとはまったくの予想外。
例えば、秋田杉(地産地消をモットーとする)。
断面はピンク色でふっくらした和菓子のよう 。
どの木も水分は15%でコントロールされているから、特定の木がやわらかいわけではない。
かたや、荒々しい杉もある。育った場所による。手入れされた場所産かどうか。
乾燥方法はもっぱら木材の 色を変える。赤くなりやすい。
木も予想以上に個体差がある。
木の文法が少し身に付いた見学だった。

2014/11/17

末井さん

「本の雑誌」が、天才編集者こと末井昭さんの特集。

インタビューがいい
◎これならボクにもできそう、という気がする。
「弱い側の人の立場に立つ」なんておこがましくて言えないけど、でも「強い立場にいたくない」っていう気持ちが根底にあるの。

語録がいい。
◎将来への不安で動けない人へ
「今を楽しくする」と思う気持ちがあれば、将来の不安はなくなります。
 

2014/11/16

秋の上野公園

ある精肉店のはなし」を見る前に、芸大美術館に寄った。

地下鉄ポスターは車内風空間に、iitikoポスターは、あの大きさでずらりと何十枚も張られている。コピーとともにいい空間にひたれる。見ていると、なぜか浜田省吾の曲が浮かんできて、 頭の中で流し放しにして遊覧。

ご本人が、会場内を展示物を確認しながら歩いている。 いろいろな人が話しかける。ボクもつられた。

映画は上映後、監督の纐纈さんと北出さん、本橋さん3名による トーク。
生きることは他の命をもうらうこと。命がモノになる場面、その壮絶さから隔離されているだけ。

上野公園は、紅葉と大道芸で「秋」まっさかり。


沖縄県知事選で翁長雄志さん、那覇市長選で城間幹子さんが 当選。

2014/11/15

助け助けられ

大野さんの『シャバはつらいよ』を読み終えた。
「はじめに」がすごくイイ。
本文にはいろんな人がつぎつぎと登場する。
ツイッター経由で。

2014/11/14

食べ物は情報ではない

カラスさんから頂戴した『飲み食い世界一の大阪』(ブログ)。

のっけから。
「いい店、うまいものは情報ではない」。
「情報をあらかじめインプットして、さらにAとBとCの三店を比較して、それから予約を入れてやっと食べに行ったりすることは、実はあまり優れて愉しいことだとは思わない」。
「商品を買う消費者側からすると有効かもしれないけれど、日によってメニューが変わる割烹や鮨屋、居酒屋などの店側にとっては的外れなことが多い」。


2014/11/13

ネットの農村

誕生日メッセージを見に行ったのがきっかけで、mixiで日記を書くようになった。
農村に来ているような感じがする。
たとえば、畑を耕していると、通りかかった近所の人が「作物はどう?」と声をかけてくるような。そんな雰囲気が漂う。
利用者に高齢者wが多いからかもしれない。

2014/11/07

ひょんなことから

ある先生(アンドウマン)への「贈る言葉」を書く参考にしたくて、アンパンマンの絵本を借りに行ったのだが、ある訳もなく、やなせたかしの本ならあるよと言われ、借り出した。没後、『アンパンマンの遺書』が話題になったものの、そのままだった。

やなせたかし 明日をひらく言葉
何のために生まれてきたの?

どちらもPHP刊。同社との結びつきは、「アンパンマンも、やさしいライオンも、その原型は雑誌『PHP』かがはじまっている」から、とか。

93歳の著者曰く、「人生の最大のよろこびは何か? それはつまるところ、人をよろこばせることだと思った。『人生はよろこばせごっこ』だと気づいたとき、とても気が楽になった」。

『アンパンマンの遺書』も読んでみよう。原稿締切は11日。


南日本新聞の広報号外が出た。「川内原発、全国初 再稼働知事同意」
「鹿児島県の伊藤祐一郎知事は7日、臨時県議会の本会議後に記者会見し、九州電力川内原発1、2号機の再稼働について『やむを得ない』と述べ、同意を表明した」。誰が喜ぶのだろう。
「やむを得ない」という言い方は、もちろんずるい。 「決めたのは私ではない。周りだ。だから私に責任はない」と同義だ。政治家に共通した責任たらい回しの言い方でもある。

2014/11/05

弁当本

461個の弁当は、親父と息子の男の約束

タイトルだけで判断すると、ちょっと腰が引けるかもしれない。実際の中身は、高校生の息子の 3年間、お弁当を毎日作った、その記録と父親のエッセイ、さらに実用情報。
お弁当に毎回、入るのが卵焼きと梅干し。オクラの肉巻きもほぼ毎回。

お弁当は息子とのさりげないコミュニケーション手段でもある。
ライブで出向いた先で買ってきた総菜や乾物などを弁当に入れ、『今週はこんなところへ行ってきたんだよね』と、弁当でコミュニケーションを取ることを思いついたんです。
『私たちのお弁当』の3冊目を買った。書名。1冊目は『私たちのお弁当』(2005年)、2冊目は『もっと私たちのお弁当』(2009年)。で、3冊目。

書名は『明日も私たちのお弁当』。

「はじめに」に、こう書かれている。
2000年代初め、……
子どもを持つお母さんは別として
お弁当を作っている人はいまほど多くはなかったように感じます。
……
お弁当を作るというのは、ひとつの選択で
それは自分や家族を大切にするという選択肢でもあると思います。
経済的な理由からはじめたお弁当作りがいつしか楽しみになって——
とはたくさんの人が口にする言葉ですが
さて、4冊目は?


この数ヶ月、お弁当は家族に作ってもらうようになった。自分で作ったものを食べる喜びから、何が入っているのかが楽しみなお弁当に変わった。

2014/11/04

高齢化社会

見かける機会が増えた。

デイサービスの送迎車両
お弁当の配達

2014/11/03

愛、と「尊敬」

English Vinglish(邦題「マダム・イン・ニューヨーク」)は、さしずめインド版「アナと雪の女王」。

解放を熱望する女性(シャシ)が英会話学校での経験をつうじて描かれる。

英語4週間コースの講師も生徒も個性的で楽しい。生徒の出身地は、韓国か中国から来た美容師、コックのフランス人、メキシコから来たベビーシッター、 パキスタン人(タクシー運転手)、無口なアフリカ人(英語を聞きたくてが入学動機)、ITしか能がないと馬鹿にされるインド人。無口くんと講師がゲイ。

主人公を支える姪のラーダもすてきだ。機内で同席になった男性客もいい(英語がわからない主人公に機内映画のセリフを当時通訳してしまう)。

ラストシーンは姪ミーラとケヴィンの結婚式。
シャシが覚えたての英語でスピーチする。

This marriage is a beautiful thing.
It is the most special friendship.
Friendship of two people who are equal.

Life is a long journey.
Meera, sometimes you will feel you are less.
Kevin, sometimes you will also feel you are less than Meera.
Try to help each other to feel equal.
It will be nice.

Sometimes...
married couple don't even know how the other is feeling.
So... how they will help the other?
It means marriage is finished?
No.
That is the time you have to help yourself.
Nobody can help you better than you.
If you do that...
you will return back feeling equal.
Your friendship will return back...
Your life will be beautiful.

Meera... Kevin...
Maybe you'll very busy...
but have family...
son... daughter.
In this big world...
your small little world,
it will make you feel so good.

Family...
family can never be... never be... never be judgmental!
Family will never... put you down... will never make you feel small.
Family is the only one who will never laugh at your weaknesses.
Family is the only place where you will always get love and respect.
That's all Meera and Kevin...

I wish you all the best.
Thank you.



2014/11/02

伝えるくふう

今出川から出町柳に向かって塀沿いを歩いていた。
(脇を、「ここが御所だよ」と言いながら、同志社の方向を指差しながら二人連れが通り過ぎる。反対側だよと言いたくなるのを抑えた)
目の前に人だかりがしている。
看板を見ると、冷泉家の特別公開。
見てみたい。
でも、ここで寄ると、当初の用事が果たせない。
どうしようか。
結局、本来の用事は別の日にすることにし、入った。

室内の木の色がきれいだ。
若い人がパネルを見せながら解説してくれる。簡潔かつ文字で確認できるので飽きない。
室内の明るさ加減がいいのだが、照明は、どこまで意識して保存、管理されているのだろう。

そのあと、京田辺へ急いだ。津田さんの講演会

大ぶりの字、地の文は黒で、強調文字は赤というスライド。文字はクリックごとに1行ずつ。シンプル。話し方もゆっくり。伝わりやすい。いま作っている学部20周年記念ポスターへのヒントも得られる内容だった。

終了後は、情報文化学部の保護者向け懇親会とか。学祭との組み合わせはありかもしれない。


観光案内所に、本日はホテル、旅館、民宿 すべて満室ですとの張り紙。
ここは京都、しかも連休。


2014/11/01

ふしぎな本

来し方を考えているとき、書名に引かれて取った。
冒頭に自身の年譜が載っている。
それがきっかけで買ったのが船曳さんの『旅する知』。
ずっと英文学者と思っていたので、文化人類学者と知り、びっくり。
人生はよく旅にたとえられる。旅は単なる移動ではないからだし、1回限りのものだからだろう。
読者であるボクだけに話しかけているような雰囲気。語り口も内容も。
再訪地の変化・不変が、シベリア、パリ、ロンドン、ニューヨーク、ソウルで語られる。この中でボクが行ったことがあるのはソウルだけ。その初ソウルは10年前。著者の初ソウルは50年近く前。ソウルは戒厳令下。当時のようすは映画「大統領の理髪師」で知っているぐらい。

高野文子の『ドミトリーともきんす』。タッチが、フイチンさんに似ている。杉浦茂のタッチにも似ている。だから、古くもあり、新しくもあり、といったところ。なんとなくフワッとしている。出てくる話も浮世離れしている。

2014/10/31

立ち戻る

鷲田さんのエッセイ「言葉の精査で見える本質」を読んでビックリした(東京新聞、10/31付け)。

「土木工学」にあたる英語はcivil engineering。
市民工学なのだ。
対語はmilitary engineeringらしい。
「軍事」の対が「土木」とは。
びっくり仰天。
世界大百科事典によれば、「工学は,古くは軍事技術military engineeringだけを意味した」。

柳父章さんの『翻訳語成立事情』を読むと、翻訳の問題がよくわかる。その語が示す概念が存在しない場合はとりわけ難しい。societyは最初、交際と訳されていた。individualも個人でよかったのか。原語は同じでも、文脈に応じて訳を使い分ける必要がある。日本語を翻訳する場合を考えれば十分だろう。それを怠って(思考停止)、一語一訳にしてしまうと伝わるものも伝わらない。
鷲田さんは赤坂真理の『愛と暴力の戦後とその後』を引きながら、言語をじっくり精査することの重要性を主張する。例えば、その日本語が英語でどう表現されているのか、それを確認するだけでもわかることは多い。
気になって彼も調べている。侵略は東京裁判ではagression(不当に戦争をしかけること)。憲法はconstitution。
言葉はきわめて政治的だ。

2014/10/26

いくら混んでいるにしても……

電車に乗ろうとしたら、松葉杖をついた男性が降りてきた。下車するのかなと思ったら、ふたたび乗車。 彼が乗るのを待って、乗車した。
ずっとドアに寄りかかったまま。 混んでいることもあるのだが、すぐ後ろの優先席が空く気配もない。後ろ姿は70歳ぐらい。
そうっと下車駅をたずねた。「次の駅です」。そうは言っても急行。そこまで数駅ある。せめて、彼が揺れるのを押さえるぐらいしかできないと思っていたら、会話が始まった。
「○○駅で乗り換えて、スカイツリーまで行くんだよ」。
彼は、とある地方の高校時代の同期会の幹事。今日は数十名集まるのだという。
松葉杖姿になったのは1週間前。
自転車に乗っていたら、「道路に砂利が撒いてあって」ハンドルを取られて転倒、骨折。ギブスの分、靴が割かれていた。
「こちらの年齢もあるけど、撒く方も撒く方だよね」。
ちょっとしたことがあぶない。

2014/10/25

土曜は研究会

今日は第33回WebLab Meeting
ゲストは鈴木貴久さん。

研究会のきっかけは、2006年に成城の川上さんが企画してくれた小会合。筑波の藤さんと佐藤さんの修論の報告を聞く会だった。

この会が談論風発。で、続けようか、となって、始まったのがWebLab Meeting

今年で8年目。

今日は、北陸や関西、北関東からも参加があった。

研究会後の懇親会で、何人かの若い人から、こう言われ、感無量。
「この研究会がきっかけです、ネットの研究をするようになったのは」。

いまは、面倒な事務仕事を北村さんがやってくれ(第4期)、ボクはラクをしている。

次回は12/6です。どうぞお越し下さい。


写真は懇親会後の集合写真(参加者にはなんらかの方法で送りますw)。

2014/10/23

来年度の授業

来年度は、いままであたためていた授業を一気に2つ、させてもらえることになった。正式に決まったので、ご紹介。

前期「身体表現ワークショップ」(金曜4、5限)
後期「特別企画講義」(金曜4限)。

後者のテーマは「料理」。
 料理にはコミュニケーション的な要素がふんだんに含まれている。レシピをどう書くか、から始まり、食事は最高のコミュニケーション。ブログやSNSでも食べ物の記事が多い。ビストロスマップや妄想日本料理とかのテレビ番組。健康ブームも無視できない。講師にはオレンジページのスタッフに協力いただけることになった。料理評論家の人やOBも登場する。本当は調理もしたかったのだけれど、あいにく大学には調理室がなく、叶わなかった。クッキングスタジオがほしい。

前者のテーマは、身体あっての自己(動作や化粧、装い)。
 ねらいは「脱」頭でっかち。ダンス、化粧、ヘアスタイル、ファッション、パントマイムと関係ジャンルが総出。最後はパントマイムの発表会。 化粧学で1コマ、ファッション学で1コマ、とかができる日が来ればと願っている。今回はトライアル。

 実現したい授業には、フォントやロゴのデザイン、 空間デザインなどのデザイン系もあるし、社会言語系も美術系もほしい。ああ、きりがない。

2014/10/22

学内取材

早くも、来年度用の大学案内冊子「Space」の制作。
今日、そこに載せる原稿用対談をゼミの3年生相手に行った。
対談は、ボクの話にうまい具合に相づちを打ってくれたおかげで、スムーズに進んだ。
対談の中で、記憶に残っている授業としてあげられたのが「コミュニケーション論」。広告の記号論的分析がおもしろかったらしい。
対談の締めは学生とのツーショット。
そのあと、学生は単独インタビュー(動画)、ボクは単独撮影。
どんな写真になるんだろ。
出るのは来年5月。
昨日は、 早くも大学院の2016年度 授業予定を聞かれた。再来年だよ。
時間だけが どんどん進む。

2014/10/21

Macの画面をプロジェクターに映すための設定

ある授業。PC画面をプロジェクターで映しながらやっているのだが、PowerPoint/Keynoteのスライドショー画面しか写らない。
調べてようやくわかった。ミラーリングの設定がいるのだった。

MacBook Air の画面をプロジェクターに映すための設定方法

来週はこれでやろう。ちょっと不安なのはスライドショーとデスクトップ画面を表示させたいときの切替。

2014/10/20

カワセミ

今日のトップ記事(東京新聞)

朝刊
降灰で首都圏まひ 富士山噴火想定し訓練 大停電や東名寸断も
夕刊
看板2閣僚同日辞任 小渕経産相・松島法相 政治とカネ問われる自民体質
☆後任の2人(宮沢、川上)は靖国組。

秋山監督率いる「ソフトバンク、3年ぶり15回目の日本シリーズ進出 」。以前、この時期に福岡で講演会があり、そのあとの懇親会で、みんな中継を確認しながらそわそわしていたことを思い出した。


川浦ゼミを略すと川ゼミ。濁りを取ると、カワセミ。
今日、そのカワセミを初めて見た。

川に沿って歩いていた。橋を渡ろうと思って、川の方を見ると、遠くにトンボのようなものが見えた。もう秋だなと思っていると、ちょっと飛び方が違う。胴が太い。 色も青っぽく、キラキラしている。
よく見ると、大きさはスズメぐらい。
川面を低くスーッと飛んで行った。
「カワセミっ!」
と、連れの声。

2014/10/18

別名Forward Hall

10時半から「大倉喜八郎 進一層館」の竣工式

旧図書館を改装。その図書館は1968年日本建築学会賞作品賞。居心地のよい空間だった。広々とした館内からは緑がよく見え、別荘地にいるような気分だった。

設計は前川國男に師事した鬼頭梓。東経大図書館は独立後最初の仕事。受賞を機に、彼のもとには図書館の設計依頼が舞い込むようになる。日野市立中央図書館も有名。

改装後の建物の一画に大学史の展示コーナーができた。ここだけ時間の流れが違う。歴史コーナーがあると落ち着いた雰囲気になる。

2014/10/17

卒論、これでいいのかな

4年生が相談にやってきた。
「私のやっているテーマは価値があるのでしょうか」。
その学生が取り組んでいるテーマは本人が自分の興味で決めたもので、偶然、ボクの関心と重なっている。その意味で、ぜひとも進めてほしいテーマなのだが、本人は少し悩んでいる。
ボクはもちろん「価値がある」と答えた。
「Aさんがシリアスなテーマに取り組んでいるようすを知れば知るほど、このままでいいのかなあ、と思うんです」。
みんながAさんになってもしょうがないし、その必要もない。それぞれ自分の興味のあることをやるのが一番。楽しくやれることが大事。卒論の価値は自分にできることを精一杯やること。
とか、いろいろ話していうちに、スッキリしたのか、「わかりました」と出て行った。

2014/10/15

研究室

研究室の入口脇に、 在不在を示す小さな表示板(行き先表示板とも)が付いている。
ボクは以前の住人が使っていたものをそのまま使っている。
状態は「在室」「不在」「会議」「講義」の4種類。
ある学生が、「会議」の表示をさして、これは研究室で会議をしているときに使うのですかと聞いてきた。
「いや、そうではなくて、会議に出ていて、いまは留守という意味」と説明。
この伝で行けば「講義」は研究室で講義をしていることになる。
よく見ると、4種類の表示はレベルが異なっている。
「在室」「帰宅」「学内」あたりがいいのだろうか。


研究室入口には、表示板に加え、ランプもついている。室内に分電盤スイッチのようなものがあって、それをオンにしないと、研究室内の電気が使えない(連動しないコンセントが1つある)。オンにすると、表示板上のそのランプが点灯する。したがって一般的には大学には来ている証となる。ただしランプが消えていても、中に人がいる場合もある。外光で十分なのかもしれないし、省エネなのかもしれない。

研究室 行先表示板

2014/10/14

卒論の進め方8:先行研究を読む意義

卒論も研究のひとつ。
ならば研究の手続きを踏もう。
先行研究を読もう。

先行研究を読むと……

1. どんな研究がなされてきたのかがわかる
 どんなことがわかっているのか
 どんなことがわかっていないのか
  リサーチクエスションや仮説の構築につながる

2. 研究の見本になる
 研究手順がわかる

3. 論文の見本になる
 論文の組み立てと書き方がわかる
 論文の「問題」部分の素材となる
 論文執筆の見本になる

4. 自分の研究を定位できる
 考察時の言及対象となる
 自分の研究はどこから来てどこへ行くのか



2019年7月17日改訂

2014/10/13

祝日授業

台風19号を前に、今日は授業。

教室のドアを開けてビックリ。
3月に卒業したOBが混ざって座っている。
「会社が休みなので、ちょっと」。

近況を話してもらったり、現役生にアドバイスしてもらったり。
「2年間はあっという間。研究テーマの立て方が大事!」

それにつられて、Research questionやHypothesisの話をした。

「先生、元気そうですね」というおみやげを置いて行ってくれた。

祝日授業には、思わぬお客さんがやってくる。


2月に仕込んだ味噌がすっかりいい色になっている。試しに使ってみよう。

2014/10/12

天気に恵まれ、雑居まつりは39回。棒にパン種をからめて焼く「あそぼうパン」が香ばしい。
あきさみよ豪徳寺沖縄祭り。琉球語が行き交う。エイサーが通る。

2014/10/11

大学銭湯ツアー

今回は旧東京商船大(東京海洋大学越中島キャンパス)から月島、佃島、ふたたび月島へ。月島以外は初めての地。

 旧東京商船大のキャンパスには数々の史跡がある。正門脇の塀は東京大空襲の際、延焼を防いでくれたとか。「精神不滅の碑」など戦争関連の碑もいくつかある。これらは上記の史跡マップに載っていない。ここで確認できる。

 月島のもんじゃストリートで、人生二度目のもんじゃ焼き。K1さんが「一番おいしいもんじゃ焼き」で検索してくれたお店に入る。空いているではないかw。 もちチーズとカレー風味を頼んだ。最初は小麦粉、次は米粉。少しもちっとしている。そば粉のもんじゃもありかと。

 佃島では、天安住吉神社。天安では、旬との理由でいなごの佃煮を勧められた。人気商品らしい。上の写真は海水館の碑近くにあった張り紙。「なるべく」が効いている。

 銭湯は月島温泉。入口がわからず、近くの交番(現存最古の交番)で聞くと、「入口2つあるんだけど」。? 「あっちを勧めるよ」と指の方向を見ると「月島観音入口」の表示。入ると、天井に赤提灯で、参道風。エレベータで2階へ。
 月島温泉のウリは軟水とか。あちらこちらに「軟水を使用しています。大切に使いましょう」「当湯のケロリンより大きい桶は使わないで下さい」。軟水でなくても大切に使いますよ。立て直す前の大黒柱が休憩所のベンチになっている。 飲み物類の入ったケースの扉に「決めてから開けよう」。もっともだ。Iさん「のぼせないようにしなくっちゃ」。
 ビルの1階にある月島観音は信州善光寺別院。建立はボクと同じ1951年。ここで善光寺に会うとは思いもしなかった。

 仕上げはレバーフライの予定だったが、売り切れ。orz

 月島界隈、K2さんも 言っていたように、タワーマンションが林立する前(6年前)に、きちんと歩いておきたかった。月島を囲む塀のように見える。界隈のマンションには1階に保育園の入っているところが目立った。



 「妄想ニホン料理」が再開。その第1回は「妖怪大集合!かっぱ巻きの巻」。カッパに似た妖怪のいる国での撮影。ヴォドニークのいるチェコ、ジュリッのいるインドネシア。類くんがお団子頭。

2014/10/10

授賞者の名前

日本の新聞。

ノーベル平和賞は「パキスタンのマララさん(17)と、インドのサトヤルティさん(60)」とある。気になって名前を確かめた。

マララは個人名で、家族名はユスフザイ(Malala Yousafzai)。
サトヤルティは家族名で、個人名はカイラシュ(Kailash Satyarthi)。

子どもだから個人名で、大人だから家族名なのか。それとも女性だから個人名で、男性だから家族名なのか。

The New York TimesはMs. YousafzaiとMr. Satyarthi。CNNはYousafzaiとSatyarthiで、性別表記 もない。

お茶と宗教

韓国文化の講演会の中で、お茶の話が出てきた。
韓国茶(韓国伝統茶とも言う)は、日本のお茶と違い、茶葉のお茶ではない。
柚子茶、カリン茶、などは韓方薬に近く、薬茶とも呼ばれる。
お茶と言えば仏教(日本では、武家文化と結びつき、廃仏毀釈でも残った)。韓国でも高麗時代までは緑茶のようなお茶が飲まれていた。ところが、朝鮮王朝による仏教弾圧(儒教の台頭)で、衰退。代わりに飲まれるようになったのが、今で言う伝統茶。

講演中、おもしろかったのがGoogleのイメージ検索によるお茶比較。
Chinese tea (茶器の写真が多い)
Japanese tea (人の写っている写真が多い)
Korean tea (カラフル)
English tea (ケーキと一緒の写真が多い)

試しに日本語でやってみた。
中国茶 (工芸茶も出てくる)
日本茶 (茶器の写真が多い)
韓国茶 (製品が多い)
紅茶 (カップばかり)

2014/10/07

メディアと世代

左は、2011年暮れに亡くなった野島さん(成城大学)が作った表を受け継いで作ったもの。

 10年ぐらい前、ゲスト講師で来てくれた折りに披露してくれた。急に懐かしくなり、アップグレードした、この表。今日の授業で使った。

 1890年から30年刻みで、主要メディアが、新聞→ラジオ→テレビ→ネット・携帯電話→スマホ・タブレットと推移している。

 「1950-1980」には、電話を加えてもいいかもしれない。加入電話(固定電話)の世帯普及率が1964年に3割を超え、全国ダイヤル化が1970年代末に実現、ダイヤルするだけで全国に電話をかけられるようになった。いまの若い人には「ダイヤル化って?」と言われそうだ。いまやダイヤルも見かけないし、 そもそも相手の電話番号を口頭で伝えて接続してもらうなんて想像もできないだろう。

 「30年」の発想がどこから出てきたのか。今となってはわからないが、うまくできている。

 次の30年(2040-2070)は生きている訳もなく、想像もできないが、新しい「メディア」が台頭していそうなことは予想できる。これはそういう表だ。

 世代という次元を導入しているのもいい。異世代の理解にも使えるし、世代間インタビューにも使える。

2014/10/06

メディアとしての身体

台風18号で休講。

一遍上人のおどり念仏から盆踊り、町内一周型の踊り(阿波踊り、おわら風の盆、郡上おどりなど)、ええじゃないか、踊る宗教、ジュリアナ東京(と、ジュリ扇)と連なる「踊り」の流れ。

また、ハーメルンの笛吹男や熱狂的カーニバルを考えると、おどり念仏は日本「独自」のものではなく、人類規模での普遍性があったのではないのか、と加藤秀俊(『メディアの発生』)。

桜井さんの『一遍と時衆の謎』を読んだあとに、踊念仏のその後、人類/世界規模での広がりを知ることができた。

ソウル・フラワー・ユニオンは、自らの活動を、阪神淡路大震災以降、「芸能」と位置づけるようになる。「老若男女の雑多なお客さんを、笑わせたい、躍らせたい、一緒に大合唱したい」(中川敬さん、『ビッグイシュー』248号)。


扇は日本の唱導文芸で僧侶が使用した「中啓」を継承するもので、日本舞踊、講談、落語に至る大衆芸能に不可欠な小道具(『メディアの発生』から)。

2014/10/05

雨読用

台風18号の影響で終日雨。の中を新宿へ。


今日の書評欄から
名郷直樹『「健康第一」は間違っている』筑摩書房
 山岡淳一郎 評
 医療資源も限られている。その分配を考えるときが高齢社会で早まっている。「覚悟はできているか」。

想田和弘『熱狂なきファシズム』河出書房新社
 横尾和博 評
 自分の言葉で語ろうとしないのがファシズム。紋切り型の言葉が並ぶファシズム。顔が見えないのがファシズム。

週によって、担当者が違うのか、響く本がある週とない週とにはっきり分かれる。今週は前者。

2014/10/04

「シナモンロールの日」

古本屋さんからの帰り道、パン屋さんでシナモンロールを買った。夕方だったので、ほとんど品切れ。シナモンロールも最後の1個(だったから買ったのかもしれない)。

かもめ食堂」(2006年公開)を見て以来、シナモンロールがものすごくおいしいものののように思えて、ときどき食べたくなる。コーヒーと一緒に。

シナモンロールはカロリーが多いよと言われ、半分残した。調べたら1個あたり210kcal。メロンパンよりは少なそうだ(残りは家族に食べられてしまった)。

「今日、シナモンロールの日って知ってて買ったの?」と。えっ、そうだったのか。まったくの偶然。なんでも10月4日は、スウェーデンでは「シナモンロールの日」らしい。フィンランドも同じかな?

まだ、イメージ通りのシナモンロールには会えていない。映画の舞台だったフィンランドに行くしかないかw。あるいは本家のスウェーデンか。両方で食べ比べるのも悪くない。


フランスでも、ロールパンと言えば、シナモンロールらしい。

2014/10/02

City HallとCity Office

ある市役所に行ったら、City Officeと書かれていた。

英語は一般にCity Hall。
OfficeはHallより閉じた感じがする。働く場所と集まる場所の違いと言ってもいい。

都庁(舎)は、Metropolitan Government Buildings。
広場はなさそうな感じ。


北星学園大学は9/30付けで「本学学生および保護者の皆さまへ」と題する文書を公開した。朝日新聞元記者の講師採用に関して同大に届いた脅迫への明確な意思表示だ。帝塚山学院大学は……。そして今日

2014/09/30

ビッグイシュー

韓国の大学。
セウォル号 沈没による犠牲者へ哀悼で中止になっていた学園祭が9月に入って、あちこちの大学で行なわれているようだ。
培材大学も梨花女子大も行ったときは、学園祭の真っ最中。
梨花女子大では、BIGISSUEの販売テントが出ていた。なるほど、こういうやり方があった。
東経大でも実現すればいいなと思いつつ、買った
1冊5,000ウォン。ざっと550円。
販売員の人から「ありがとうございます」と日本語で返された。


調べたら、いくつかの大学でやっていますね。ビッグイシューの出張販売。
鹿児島大学、西九州大学、西南学院大学、宇都宮大学。

2014/09/29

授業開始

2回目の月曜授業。明日火曜日は初回授業。
週単位のスケジュールではないので、いちいち確認しないと何回目の授業なのかがわからない。ややこしや。

さて月曜は大学院の授業。秋入学の交換留学生が3名加わり、1名抜け、結局、受講者は5名。うち4名は中国からの留学生。ドラマやアイドルへの関心が強い。今日はそれらを念頭においての文献検索。

☆おまけ
scriptaでの連載「お隣りのイスラーム」で、ウイグルレストラン「シルクロード・タリム」が紹介されている。タリムとは同国内を流れる最長の川の名前であり、タリム川は「母なる川」とも呼ばれる。

2014/09/28

「人」か「名」か

今日の東京新聞。
日曜版コラム「おじさん図鑑」で飛鳥圭介さんが名前に言及。

その中で、冲方丁(うぶかたとう)さんの発言を紹介している。

人を数える際の「名」は名前の「名」である。

事故や災害、戦争などで亡くなった人はみな名前がある。「人」ではなく「名」がいいのでは、というのが飛鳥さんの主張。

☆おまけ
 英語の影響だろうが、3つ以上(A, B, and C)を並列するとき、A、BやCという表現を見かけるが、日本語としては、AやB、Cの方が自然なのでは、と言われたことがある。

2014/09/27

地鶏は変換ミス

今回の韓国研修で、記憶に残っているものに「自撮り棒」(と言うらしい)がある。
観光客のいるところでは、まず見かける。
形状はスマホを先端に取り付けた指示棒のよう。
恋人、夫婦、女性友人同士で、上から見下ろすようにして撮影。
手元は写さないのがコツなのだろう。
シャッターはどうするのかと思ったら、Bluetooth経由らしい。
旅先でシャッターを押してあげる機会が減るw

2014/09/26

もうじき命日

10/5は、スティーブ・ジョブズの命日。
2011年、56歳で亡くなった。

ちくま評伝シリーズ 〈ポルトレ〉 スティーブ・ジョブズ』を読んだ。
有名な言葉やエピソードが一気に味わえる。

市場調査をしない理由を訊かれたときのスティーブの答え。

「ヘンリー・フォードは確かこう言っていた。「もし顧客に何がほしいかなんて聞いていたら、きっと彼らはこう答えただろう。もっと速い馬!」ってね」。

巻末エッセイで、前刀禎明(さきとう・よしあき)は書いている。

スティーブがアップルに復帰した199年。アップルがThink differentキャンペーンを行った。Think different
これを彼はこう訳してみせる。「自分らしくあれ」。

スティーブと一緒に働いた彼であればこそ、か。

さてボクが初めてMacを買ったのは1987年(Macintosh Plusという機種で、当時はCanonが扱っていた)。

1986年、初めて自分で買ったコンピュータでもあるNECのPC9801UV2はキーボード入力(本体31万8000円)。マウスも一応付いていたが、おまけ程度。マウスが欠かせないMacはコンピュータに見えなかった。仕事はPC98。MacはMacを使うこと自体が目的化していた。西海岸の文化に接しているような気持ちを味わいたかったかのもしれない。

デザインの発想も大違い。パーツを組み合わせた感の漂うPC98。コードの色もバラバラ。オーディオ機器に似ている。かたやMacは文房具のよう。無骨感がない。当時は、PC98のようにメインで使える日が待ち遠しかった。

2014/09/25

ご恵贈

松村・三浦さんから『人文・社会科学のためのテキストマイニング[改訂新版]』、櫻井さんから『考古学とポピュラー・カルチャー』を頂戴した。

前者は、フリーのテキストマイニングソフトTTMの指南書(厳密には、テキストマイニングの前処理)。TTMには、Windows用とMac用がある。使い方自体は簡単。ミソは辞書づくりだが、特に何もしなくても、一定の出力は得られる。Excel用のExcelTTMも用意されている。「Excelに慣れ親しんだ方にはこちらの方が使い勝手がよいかもしれません。出力結果は同じですので、お好きな方をお使いください」。

後者は、考古学者の考古学。インディ・ジョーンズや吉村作治、はたまたニコ・ロビンも登場する。懐かしいテレビ映画「恐怖のミイラ」も登場する。あのオープニングは今でも覚えている。ナショナリズム高揚と遺跡、観光資源としての遺跡も語られている。笑ってしまったのは、「考古学者は作品の冒頭でいきなり殺されることも多い」「謎の暗号を残して殺されてしまう」「考古学者はその後の展開には特に必要とされないキャラクターのようである」。そう言われてみると、確かに(笑)。心理学者の心理学はあり、だろうか。

2014/09/24

「古書の街に救われた命」

鹿島茂の連載「神田神保町書肆街考」52に、吉祥寺のサンロード先にある古書店「藤井書店」の藤井正さんのすごい話が紹介されている。
出典は、青木正実さんの同人誌『古本屋』6号に掲載されたご本人のエッセイ「古書の街に救われた命」。

1941年当時、藤井さんは岩国海軍基地にいた。暮れ、寒い部屋で当直将校の飛行中尉と会話を始めた。
藤井さんが神保町の巌松堂書店にいたことがわかると、「あの店か。角っこの」と話し始めた。
それがきっかけで、二人は親しくなり、4度目の夜勤で白の襟巻きであらわれた中尉は「必ずまた神保町へ復帰してほしい。そして、これから続く若い学徒にいい本を安くあたえてもらいたい。お互いあすの日がわからないが、おれの方はダメだ」と言い残した。結果的に、それが永遠の別れとなる。
翌日、非常呼集があり、同年兵180名の中で藤井上等兵だけが基地待機を命じられ、その後、大阪海兵団に移動。それが命拾いをもたらす。中尉が特権として与えられた「たった一つの願い」として、それを上官に託したのだった。

藤井さんのエッセイは『私の古本人生』(こつう豆本103、日本古書通信社(1993))に収録されている。

2014/09/23

ソウル市庁舎

2012年10月に完成したソウル特別市の新市庁舎。今回、初訪問。

入口で「ソウル市庁舎セルフツアーガイド」をもらい、庁舎を地下1階から9階まで見学。地下1階と1階では読書キャンペーンのイベントや小さな集会の開催中。目前のソウル広場の雰囲気がそのまま内部にも広がっている感じで、開放的だ。

旧市庁舎はソウル図書館に変身。1階(入口からあがって降りるので、地下1階のような感じ)に児童書コーナーがあり、そこに至る幅の広い階段では腰かけて本が読める。平日は21時まで開いている。

新市庁舎。曲線の多い、威圧感のない建物だ。

2014/09/22

韓国で

ゼミ研修で学生たちと韓国へ(9/17-21)。

 今回は、セウォル号事故の余波の大きさに気づかされた。培材大学に行った時、構内の手すりのあちこちに黄色いリボンが結びつけられている。聞けば、これは乗船者の生還を祈ることから始まった行動。いまとなっては哀悼を示すシンボルに変わってしまった。
 グラウンドのあちこちにテントが張られている。中は模擬店。事故による自粛で延期になっていた学園祭の初日だという(本来は5月開催)。この間も教室では部分的に授業が行われている。全面休講とはならないようだ。
 ソウルに行くと、市庁舎の前には大きなイエローリボンと追悼所、広場にはイエローリボンの柱が何本も立っている。事故の規模もさることながら、多数の若い命を失ったこと、右往左往した事故報道がとりわけ市民にとって衝撃だったようだ。

 ソウル市内の散策で偶然見つけた博物館「Seoul City Wall Museum」がよかった。開館2ヶ月という真新しさ。Seoul City Wall(漢陽都城)とは、漢陽(ハニャン、現ソウル)を囲む全長18.6kmの城郭(1395年工事開始)。建物自体も城郭脇に立っている。その復元と公開がかなり進んだことに伴っての開館らしい。館内では、宮殿の屋根の先端に付いている三蔵法師の一行が間近で見られる。建物自体も凝っている。それが博物館に気づいたきっかけでもある。城郭歩きは楽しそうだ。

 偶然知った展覧会「Culture Chanel」もいい(10/5まで)。翌日の下見で行ったDDP(ザハ・ハディドの設計)の受付で教えてもらった。日本語で「文化シャネルをM3でやっています」。一瞬「?」となったが、とにかくM3をめざした。それが「Culture Chanel」。
 詳しいオシャレな目録を入口でもらい、会場に入る。あらかじめ注意されていたが、予想より暗い。展示は現物のみ。ひたすら見て回る。暗いので集中して見られる。ロートレックのリトグラフなど印象に残ったものをあとで確認。展示空間も一見の価値があるし、目録も重宝しそう。

 どちらも無料。

2014/09/15

あった、親子の写真集

今朝の「筆洗」で、ブルース・オズボーンという写真家が親子の写真を取り続けていることを知った。

Bruce Osborn Photography Site

そう言えば、と思い出した。彼の本。


こんな写真集が見つかった。
親子や祖父母と孫間の衣装を入れ替えた写真集「Spring-Autumn

Tobias 2013:SNSと高齢ユーザー

SNSと高齢ユーザー:体系的レビュー
Social networking sites and older users - a systematic review

Int Psychogeriatr. 2013 Jul;25(7):1041-53. doi: 10.1017/S1041610213000355. Epub 2013 Apr 4.
Tobias N, Ganea RL, Müri RM, and Mosimann UP.

抄録
 背景 SNSには高齢者が社会参加を促し、世代間交流を増すのに貢献する可能性がある。とりわけ動けない高齢者にとって、SNSは家族や積極的なSNSユーザーとの結びつきを促している。本レビューの目的は高齢ユーザーにおけるSNSに関するこれまでに学術文献を概観することである。
 方法 電子データベースで検索した結果、105の論文が抽出された。87文献がはじかれ、15文献が残った。それらをレビュー、分類、キーとなる知見が導き出された。共通した知見が確認され、批判的に考察され、今後の研究の方向性が描かれた。
 結果 高齢ユーザーにとって、SNS利用の主な利益は若い家族(子や孫)との異世代交流への参加することである。それは子や孫の側にもあてはまる。障害として明らかになったことは、プライバシー懸念や技術的困難、現在のウェブデザインが高齢ユーザーのニーズを考慮していないという事実である。
 結論 これらの問題がきちんと対処された条件下では、SNSは家族世代間の今日明日のコミュニケーションをサポートする可能性を持っている。

Abstract
 BACKGROUND: Social networking sites can be beneficial for senior citizens to promote social participation and to enhance intergenerational communication. Particularly for older adults with impaired mobility, social networking sites can help them to connect with family members and other active social networking users. The aim of this systematic review is to give an overview of existing scientific literature on social networking in older users.
 METHODS: Computerized databases were searched and 105 articles were identified and screened using exclusion criteria. After exclusion of 87 articles, 18 articles were included, reviewed, classified, and the key findings were extracted. Common findings are identified and critically discussed and possible future research directions are outlined.
 RESULTS: The main benefit of using social networking sites for older adults is to enter in an intergenerational communication with younger family members (children and grandchildren) that is appreciated by both sides. Identified barriers are privacy concerns, technical difficulties and the fact that current Web design does not take the needs of older users into account.
 CONCLUSIONS: Under the conditions that these problems are carefully addressed, social networking sites have the potential to support today's and tomorrow's communication between older and younger family members.

◎またまたマーキュリー2世さんが紹介してくれた文献。家族のいない高齢ユーザーが気になる。

2014/09/13

フィールドワーク報告

屠畜場でフィールドワークを行っている大学院生の報告を聞いた。

そこで働いている人は「屠畜場」とか「屠場」と呼び、自治体側は「と畜場」とか「食肉センター」と呼んでいる場所に日参し、インタビューを重ねた労作(まだ進行中)。

「生」を支えていることに対する自負心と、「世間」からの差別との間で葛藤している職人の姿が強調された内容だった。大変な仕事であると同時に、熟練も要する。そのことも自負心の根拠。

見逃した「ある精肉店のはなし」をあらためて見たくなった。芝浦の食肉市場の見学も。今年のゼミのテーマは「もの」。動物(生命)が食べ「もの」に変わる場として。

2014/09/12

9月卒業式

前日、眠っていたら、あっという間に短くされてしまった頭で出席。「整える程度で」と伝えていたのに。「ガーン」とは、この時のためにあるような言葉だ。

今年は、一人一人、学位記は学長による手渡し。欠席を申し出ていた学生が当日になって出席したりの「誤算」もあって、予定の時間を10分ほどだが、オーバーした。

終了後は、全員で、ご覧の通りの記念撮影。3月の卒業式では考えられないアットホームな雰囲気。いい卒業式だ。

2014/09/11

父親と子

2000年、北欧に行ったとき、ストックホルムやヘルシンキでベビーカーを押したり、子の世話をする男性をよく見かけた。列車で一緒になった父親に話しかけたら、「なんてことないよ」と。その男性は列車に乗る際、ベビーカーを畳んだり、子どもを列車に乗せたりと大奮闘していたのだ。

あれから14年、通りを歩いていても、男性が子を前に抱えている姿やベビーカーを押す姿は珍しくない。「あっ、今日も」と毎日思う。

通勤途中の電車内。向かい側に3歳くらいの女の子と父親が座っていた。父親はヘッドホンの片方を子どもの耳に指して音楽で静かに座らせようとしている。しかし、子どもはすぐに外し、引っ張って遊び始める。それが3回ほど繰り返され、父親は断念。ヘッドホンをバッグにしまう。

次に子どもを腰深く座らせようと試みる。が、すぐ、ズルズルと身体を滑らせて床に降りてしまう。5回ほど反復。

子どもと目が合ったら、ニコッ。つぎに父親とも目が合った。降り際、男性に声をかけた。

「そうかもしれないですね」と返してくれた。

(小さな)子どもとかかわる男性にインタビューをして、それを写真とともに載せたものを作りたい。書名をどうしよう。

子育てはあっという間にすぎてしまう。父親を経験させてくれている子どもと妻への感謝でもある。

◎アラビアの工場で買ったムーミンマグは毎日使っている。すごく丈夫だ。

2014/09/10

教科書のスタイル

教科書類を2冊読んだ。

卒論・修論をはじめるための心理学理論ガイドブック』。
各章の構成がいい。
  1. 書名
  2. 関連分野(分野レベルのキーワード)
  3. Abstract なにが書かれているのか
  4. Background どのように生まれたのか
  5. Creativity なにが新しいのか
  6. Direction なにに使えるのか

続編も出ている。
ひとつ上をいく卒論・修論を書くための心理学理論ガイドブック

もう一冊は放送大学のテキスト『社会心理学』。
こちらも、各章が有名な社会心理学書籍を軸に書かれている。で、構成は以下のとおり。

  1. 書名
  2. 学習のポイント
  3. 研究の背景と社会心理学における位置づけ
  4. 研究と本の内容紹介
  5. その後の研究展開・現状、関連研究
  6. 学習課題
  7. 関連書籍

ポイントが明確。書く方も読む方もどちらにもメリットがある。

インタビュー集のできあがり

名前のインタビュー集ができあがり、昨日から発送作業。

『名前のこと話しましょう 2』と『名前について聞く』。

前者はサバティカル時の続編。5人の記録。今回は大震災を被災した人2名が含まれている。2人とも当時は妊娠中で、大変な思いをしている。一人は震災後も子に対する気持ちは変わらないとして、それ以前から考えていた名前にした女性。もう一人は「震災後の気分をふっきりたくてこういう名前を付けました」という女性。

後者は学生同士のインタビュー集。名前について知識を持った人同士のインタビューは、もちろん分析的。

2014/09/08

授業準備の副産物

授業の準備で、援助行動の研究のきっかけになったキティジェノベーゼ事件を調べていたら、今年3月でちょうど50年。関連書籍が出ていることを遅ればせながら知った。

Articles
A call for help: What the Kitty Genovese story really means (The NEW YORKER)
What the Kitty Genovese story really means.

Latané  responds to New Yorker article on Genovese murder

Books
Fifty years after Kitty Genovese
Five decades later, we’re still asking ourselves: “If I had been there, would Kitty have lived?”

Kitty Genovese: A True account of a public murder and its private consequences

拾い読みぐらいしないといけない。

重要な事件を忘れない仕掛けができている。

2014/09/07

アールデコの世界

浜松町へ出かけたついでに、汐留ミュージアムまで足を伸ばした。

建築家ピエール・シャローとガラスの家」。

シャローはアールデコ時代の建築家。1929年の世界大恐慌で仕事が激減、アメリカに亡命。1950年、67歳で没。

「ガラスの家」は、古い建物の3階部分はそのままに(立ち退きを拒否され)、1、2階部分を3階建てに作りなおしたもの。1階は発注者の職場である医院、2階は応接間、3階はプライベート。ファサードが、当時生まれたガラスブロック。で、「ガラスの家」。

今は手入れをしつつ、別の人が住んでいる。

調度品もいろいろ設計していて(建築家には調度品まで作りたくなるタイプとそうでないタイプとに分かれるらしい)、可動部の導入、鉄と木を組み合わせた家具が彼の真骨頂。

個人的に面白かったのは、この2つ。

  • 「フランスの大使の館」用に作った吊りベッド(1925年)。下が空いているので、床掃除がしやすそう。
  • 扇形の折り畳み椅子(1927年、写真では右端)。アイデアは面白いが、座り心地はどうなのだろう。扇形は机の可動引出しにも採用されている。


2014/09/05

気になる

JR西日本の啓発ポスター。

「おとのなもこどももホームを歩くときは気をつけて。」

その下の吹き出しに「体調不良はホームからの転落原因の第2位です」とある。

事故防止であれば、第1位を強調すべきだと思うのだが、それはともかく、第1位の原因はなんだろう。

解答はこちら

これでは子どもは啓発対象に入らない。

こちらを見ると、体調不良は2位ではあるけれど、全体の5%。

2014/09/04

虫文 対策

今日から「東京都が代々木公園の大部分閉鎖 蚊からデングウイルス検出」(東京新聞)

帰り道の住宅街。暗闇の中をスプレーをしている人がいた。風で、ガスがボクの方にも流れて来た。まいった。殺虫剤っぽいじゃないか。

「デング熱」でググると、16,700,000 件
「デングウイルス」で同じく、262,000 件

2014/09/03

張紙

ある中規模駅の周辺を歩いていたら、ある仕舞うた屋のガラス戸にこんな紙が張られていた。

「みなさまおせわになっています」で始まる10行の文章。おしまいから2行目。「やっています」ではなく、「やっていけます」になっている。この前向きな一言で救われる気がする。

独り住まいなのだろうか。少し戸が開いている。声をかけてほしいのかもしれない。声をかけたくなるじゃないか。

もし、ボクがこうなったら、家の前に毎日、壁新聞でも張ろうか。となれば、玄関脇には掲示板が必要だ。

2014/09/02

名前の問題

週末に訪れた施設の名前は「グラントワ」(2005年開館)。フランス語だということはわかるのだが、グランもトワも個別にはわかるのだが、それがつながると何の意味なのか。

サイトに説明があった。トワはボクの思っていたトワではなく、屋根を意味する「トワ」だった。うーん。

ついでながら、益田駅前の複合ビルはEAGA(2006年開館)。何の略か、とんと見当がつかない。そもそも読み方もわからない。で、調べた。

Epoch、Advance、Genial、Attractionそれぞれの頭文字とか。言われてもよくわからない。

それぞれ、2005年と2006年の開館。この時期は、一見わかりにくい名前が流行ったのだろうか。

名前は、呼びやすいのが一番ではないかな。自然語であれば、意味のわかりやすいものが。


駅舎の屋根に付いている駅名の字体がいい。なんという字体だろう。知らないことばかり。グラントワの中のエニグマは壮観。

2014/08/31

1950年代のデザイン

5、60年代のデザインを展覧会でスバル360を見た。1958年に生産開始し、70年までに39万2,000台が生産されたという。

スバルで上高地に行ったこともある。小さい割に中が広い、そんな記憶しかなかった。今回、久しぶりに見ると、外も中もスッキリしている。ステアリング・ホイールが細いのなんの。シートも薄い。ミニマリズムを彷彿とさせる仕上がりだ。

車体デザイナーは社外の佐々木達三。彼はスバルを模型から作ったらしい。車のエンブレム(六連星マーク)も彼のデザイン。

50年代は柳宗理も活躍している。有名なバタフライ・スツールは1954年作。杉野芳子のファッションも、東芝電気釜(社内デザイナーだろうか)も、亀倉雄策のニコンFも50年代。

1960年代のインダストリアルデザインは、これらの延長上にあるようには見えない。なぜ50年代に、こんなデザインが花開いたのだろう。

2014/08/29

雑誌を読み返す

今日のお弁当はイチジク付き。
古代ローマの本を読んだ後だけに想像が膨らむ。

最近、古い雑誌を読み返している。内容が古いはずなのに、いまなお読める。見方、読み方が変わったのだろうか。
いま読んでいるのは「住む。」と、BRUTUS。特集によって買ったり買わなかったり。で揃っているわけではないのだが、写真のせいかもしれない。
というのは、写真には意図しなかったものも写っているからだ。それを見つけるのが楽しい。もちろん、それだけではないだろう。バックナンバーを残している雑誌はほかにもあるけど、そちらは並んだままだからだ。そのときが来れば、それらを手にするのかもしれない。
3.11の前後で比較する読み方も、雑誌にはある。

2014/08/28

寛容社会たれ

ヤマザキマリさんの『男性論』。
おもしろい。
歴史上の数々の理想の男性をとりあげながら、たとえば、古代ローマ遺跡に執心していたラファエロに「ポンペイを見せてあげたかったかな」とか(彼は発掘が始まる前に亡くなってしまった)、「わたしの漫画をラファエロに見てもらえたら」とか。
大昔の人物をこんなふうに見ることもできるのか。
ボクも惚れた人のことをいろいろ調べてみようか。


2014/08/26

「アナと雪の女王」

地元の映画館では吹き替え版しか上映しないというので、家族がレンタル版を借りてきた。21インチなので、迫力は欠くが、それでもダイナミックな画面には引き込まれる。

さて、挿入曲のLet it go が一般に「ありのままで」と訳されているが、実際に見ても、ニュアンスが違う。気持ち良さそうに歌うシーンに合わない。英和辞典にはこう書かれている。

「(もうそれ以上の批判処罰などを)何もしない;かまわない、 相手にしない」

「ありのままで」では、なにか毒を抜かれている感じがする、と家族。

今回見るきっかけになったのは、東京新聞(8/24付け)に載っていた貴戸さんの論考。そこにはLet it goは「もう、やめてやる」となっている。堂々と歌う場面にはこちらがふさわしいし、そもそも「ありのままで」という訳は存在しない。

「すべてのしがらみから自由になって、自分の持つありったけの力を発揮したい。そうできたなら、どんなに凛として爽快なことだろう」。

オラフがいい。

◎type-rさんのココ(ネタバレ解説)がスゴイ!内容もやりとりも。
◎「ちくま」9月号の橋本さんのコラムは作品を見ないまま「ありのまま」で書かれている。

2014/08/24

Sercombe 2014:英語環境の命名への影響

中国本土在住者における非伝統的名前の採用

Sercombe, S., Young, T., Dong, M., and Lin, L.  (2014). The Adoption of non-heritage names among Chinese mainlanders. Names, 62(2), 65-75.

Keywords: adopted names, mainland Chinese students, language contact

抄録
 英語を勉強したり、英語で勉強する大陸の中国人学生は、非伝統的名前を受け入れる。こうした現象はますます結びつきを強める世界の言語接触の帰結として増加している。本稿は、中国人学生の間で非伝統的名前が受け入れられる理由と、こうした名前が果たすと思われる機能を明らかにする。われわれは156人の英語学専攻生に調査を実施した。その結果、かれらの大半は非伝統的名前を用いていた。こうした結果は相互に関連する役割を果たしているように見え、中国人のあだ名付けと結びつけることもできる。さらに、回答サンプルの名前は学生生活の一面を反映しているように見える。それは具体的文脈で関連し、それらの文脈は名前を形作り、回答者の名前と非伝統的名前の使用によって形作られる。

Abstract
When studying English or through the medium of English, some mainland Chinese students adopt non-heritage names. This phenomenon has arisen as a result of language contact in an increasingly interconnected world. Our paper investigates reasons for the adoption of non-heritage names among Chinese students and the kinds of functions that these names are seen to fulfill. We surveyed 156 English linguistics majors. Our findings indicate that most of those surveyed use non-heritage names. These appear to serve interrelated roles and can also be associated with Chinese nick-naming. In addition, the names in our sample seem to reflect aspects of students’ lives that are relevant in specific contexts, and these contexts both shape and are shaped by participants' use of given and non-heritage.

2014/08/22

最後の夏季集中講義

昨夜、札幌から戻った、月火水木と4日間、計15回の授業を終え。

東京は暑い。札幌は連日19度から24度の間で推移していた。もっとも、その分、青空はあまり見られなかった。

集中講義の初回は2002年。以来、隔年で開いてきた集中講義も今回が最後。テーマは、その間、ネットコミュニケーション、日記、名前と変えてきた。やりたい内容で、院生たちとの濃いやりとりができ、ありがたい機会だった。集中講義のパターンもできた。

  • 1日目 概論/受講者による発表
  • 2日目 受講者による発表
  • 3日目 受講者による発表/実習(インタビューやログ解析)
  • 4日目 実習課題/まとめ

期間中の一日が高校生の構内見学だった。会うたびに挨拶され、あるいはこちらから挨拶。高校生から見れば、ボクはこの大学の教員でしかない。丁寧に対応した。学生食堂では、ラーメンコーナーに彼らの長い列ができていた。さすが北海道というべきか。定食や丼のコーナーは数人。

札幌での発見。1つは「夜ランチ」。これを実施しているお店が多い、特にテナントのお店。大半はランチ価格の夜版をさしているようだ。2つ目は地下鉄の「専用車」表示。「うっ?」と思ったが、「女性専用車両」のことだった。ところが、車内放送では、この車両を「安心車両」と呼んでいる。他の車両は「非安心車両か」と突っ込みたくはなる。この種の命名は物理的な方がいい。

明日、明後日はオープンキャンパス。

2014/08/20

Coulmont 2014:改名の背景

フランスにおける改名:青春の泉?
Coulmont, B. (2014). Changing one's first name in France: A fountain of youth? Names, 62(3), 137-146.
Keywords: Age, class, law, identity, ethnicity, sociology, France

抄録
 名前を変えることはアイデンティティの変更である。多くの研究は民族アイデンティティの変化に焦点をあててきた。自らの名前を変える人たちは一般に移住者の子孫か移住者自身だからである。本研究はフランスにおける名前変更に焦点を当てる。実際、自らのファーストネームを変える人たちは圧倒的に移民の子孫が多い。しかし、かれらのアイデンティティ変化は多次元的である。ファーストネームの変更は若いファーストネームを手にするひとつの方法でもある。

Abstract
 A change of name is a change of identity. Many studies have focused on changes in ethnic identity, because those who change their name are often descendants of migrants or migrants themselves. This article focuses on first name changes in France. It shows that those who change their first name are indeed overwhelmingly the descendants of migrants, but that their identity change is multidimensional. Changing one's first name is also a way to get a younger first name.

なるほど、とは思ったが、名前から年齢が推測しにくくなるなあ。

2014/08/19

Chan 2014:メディア利用とウェルビーイング

多様なつながりと人生の質:メディア採用と対人コミュニケーションが一生を通じたウェルビーイングに及ぼす影響

Chan, M. (2014). Multimodal Connectedness and Quality of Life: Examining the Influences of Technology Adoption and Interpersonal Communication on Well-Being Across the Life Span. Journal of Computer-Mediated Communication, Early View

Keywords: new communication technologies; well-being; multimodal connectedness; media multiplexity; socioemotional selectivity theory

◆抄録
 本研究は社会相互作用に用いるコミュニケーションテクノロジーの数(多様なつながり)と、一生を通じたウェルビーングの関係を明らかにした。メディア多重性(タブレット、ラップトップ、デスクトップ、電話、携帯電話)の前提と一致し、多様なつながり、および強い絆でのコミュニケーションはウェルビーイング(PWB)を高めるが、それは年長コーホート(35-54歳、55-70歳)に限られた。若年コーホート(18-34歳)では、多様なつながりや弱い絆でのコミュニケーションはウェルビーイングを低下させていた。これらの知見は一生を通じた社会関係の維持の動機が異なることによる。年を取るにつれ、強い絆(家族や親友との対面付き合い)による関係の維持がいっそう重要になり、弱い絆(対面付き合いの同僚や友人)の数は減っていくからだろう。

Abstract
This study examined the relationship between the number of communication technologies used for social interactions (i.e., multimodal connectedness) and well-being across the lifespan. Consistent with the assumptions of media multiplexity, multimodal connectedness and frequency of strong-tie communication enhanced well-being, but only for older-age cohorts (35–54 and 55–70+). For young adults (18–34), multimodal connectedness and frequency of weak-tie communication diminished well-being. The findings are framed in terms of differing motives for maintaining social relations across the lifespan, as maintenance of relationships with strong ties become more important and the number of weak ties contract as people age.

本文

コーホート分析とは珍しい。ただしちょっと気になる。コーホート名が年齢になっているからだ。本文を読むしかないか。

2014/08/16

どちらがいいのか

眼鏡のヒンジが折れてしまった。
修理に行くしかない。
駅の手前で定期券を忘れていたことに気づき、いったん自宅へ。
行く時もやっていたのだが、まだやっていた。
左折手前にある一時停止の取り締まりだ。
一時停止線の先の見える場所に一人、左折した先にもう一人。
見える場所に警官がいるにもかかわらず、反則切符を切られている。
運転しないのでわからないが、そういうものなのだろうか。
ところで、以前は見える場所に警官はいなかった。その後、「おとり捜査」との非難を受けて、取り締まり方が変わった。
一時停止の遵守者を増やしたい(予防優先)のであれば、警官は隠れていた方がいいだろうし……。

2014/08/15

名前の統計

来週の集中講義に備えて論文を読んでいる。
名前と自尊心に関する研究、名誉文化と名前の継承に関する研究、……。

研究に欠かせないのが名前の統計。
知っている範囲では、米国と台湾が整備されている。
日本にはない。あるのは民間の調査。
今回調べたら、他の国も。
さらに、こんなサイトも。


2014/08/13

本、本、本

UP』で知った山口晃の『すゞしろ日記』。
 50回目までが掲載されている。
大きい本だが、寝ころがったままでも読める。マンガがすべて見開きの左側にあるので、本を右に置けば、持たずとも読める。作者の意向だろう。
「花ぶさ」が紹介されている。池波正太郎の「懐石風料理」に出てくるらしい(『新しいもの古いもの』)。

重松清『明日があるさ』。
 彼(1963年、岡山県生まれ)は「少年の頃から吃音症であり、カ行の発音が上手くなかった。そのため、話すときにはカ行から始まる言葉をできるだけ避けていた。清という自分の名前についても、発音するのに苦労していたようである」と『きよしこ』からの紹介がある(Wikipedia)。
「元・女子の皆さん、お元気ですか」。
 サイン会で為書きをするたびに、その人の両親の思いを感じる。だから、一文字一文字、(引用者注:名前を)へたくそなりにていねいに書こうと心がけている……
サム・サマーズ(江口泰子訳)『考えてるつもり』 。
 流行が規範を変える
 子供の名前はどうだろう。子供の名前は、刻々と姿を変える砂漠の砂のように、時代の規範によって大きく変化する。その好例と言えば、1984年に映画のオチだった名前が、30年もしないうちに米国で4番目に多い女性の名前になったことだろう。映画『スプラッシュ』で、ダリル・ハンナ演じる人魚は最初、まったく人間の言葉が話せない。そして、標識にあった「マディソン(アヴェニュー)」を自分の名前に選ぶ。
 正常な自己欺瞞があなたを救う
 自分に関わりのあるものが好きだという感情はもっとずっと重要な決断にも表れる。フロリダには「フローレンス」という名前の女性がほかの州よりも格段に多い。ジョージア州ではジョージア、ルイジアナ州ではルイーズ、ヴァージニア州ではヴァージニア。ついでに言えば「デニス」や「デニーズ」は歯科の仕事に就くケースが多く、ラリーやローラは法律家に、ジョージやジェフリーは地球科学者(ジオサイエンティスト)に多い。
 平均以上効果と同じように、名前と州や職業との関係といった意外な事実は、私たちが自我を高揚させる視点で世界を見る傾向を表している。そのようなご都合主義は、失敗するか欠点を指摘された時に表れやすい。自己愛を保つ戦略に、栄光浴、下方比較、根本的な帰属錯誤。

2014/08/12

紀元130年と紀元2014年

テルマエ・ロマエ II」を見に行った。

大スペクタクルは楽しい。ただしメッセージ性を優先しすぎて(安倍さんのような人が出てくる)、少し散漫になってしまった感はある。

懐かしい人がいきなり出てくるので、年配者にはそういう楽しみがある。松島トモ子(1945年生まれ)、白木みのる(1934年生まれ)。そして、菅登未男演じる浪越徳三郎(2000年没)。

◎先日行ったコレド室町の脇に神社がある。福徳神社だ。目下、工事中で中は見られない。その付近に料亭「百川」があった。しかし明治に入るとすぐに消えてしまった。経緯は「謎」(東京新聞2014.8.12)。

◎「くらし中心」の13号は「コンパクト」を特集。PMQ×MUJIのゲストルームがおもしろい(p.4)。天井から棚が吊り下がっている。スカイデッキDECKの商品化)もいい(p.2)。中村好文と小池一子の対談も載っている。「僕も年が上がってきているので、モノを整理したいと思っているところ」「ちょっと面白いなと思うモノを見つけてもブレーキがかかって買わないようになりました」。

◎16日から「365日のシンプルライフ」。フィンランド映画。Your life is not made of your things.

2014/08/11

「似顔絵が描けました!」

T画伯から似顔絵が届いた。

あらかじめ完成日を聞いていなかったので、サプライズ。
うれしはずかし、ではないか。

ありがとうございます。

脱アルコールビールで乾杯!

いつかT画伯の原画展を開こう。


2014/08/10

……と思ったら

台風11号の影響で、急に降り始めたと思ったらやみ、やんだと思ったら降り始め、の繰り返し。
家で仕事。

2014/08/09

台風11号を避けつつ

朝9時、家を経ち、西宮へ。台風が心配されたが、無事往復できた。

目的は高橋惠子さんの講演。「自立とは上手に依存すること」。

見知らぬ人とつながることの重要性、ルールは人工物だから学ばないとわからない(例、street mathematics。アメリカで子どもたちが住宅街でレモネードを売っていたのを思い出した)、……。

今回はT画伯に似顔絵をお願いするというもう一つの目的があった。懇親会場(フルーツパーティ)で切り出そうと思ったら、別の人から既に依頼があったという。なんという偶然。画伯に四方八方から観察されてしまった。「先生は描きやすいです」w。

最後の主催者あいさつで知ったのだが、今回の講演は集中講義の最終回。集中講義の一部、とりわけ最終回を公開するのはいいアイデアだ。

3年前、Mさんが「いつか会おうと思っていたら、その矢先に亡くなっちゃった。会えるときに会っておくべきよね。会いたいと思ったときに、ね」と。それ以来、少しずつ実践するようにしている(つもり)。

●参考
  1. 貧困統計ホームページ(阿部彩さん)
  2. 中島岳志『秋葉原事件 加藤智大の軌跡』朝日新聞出版
  3. 大津和子『社会科=1本のバナナから』国土社
  4. 高橋惠子『第二の人生の心理学:写真を撮る高齢者に学ぶ』金子書房
  5. 高橋惠子『絆の構造』講談社
  6. 青木 悦さん

●長崎被爆の日
  1. 城臺(じょうだい)美弥子さん「平和への誓い
  2. 草野さんの仕事
●箕浦さんと成田さんがTISE(2項目自尊感情尺度)を作っていた。回答は5件法。
  1. 自分にはいろいろな良い素質があると思う
  2. 自分のことを好ましく感じる
 箕浦有希久・成田健一 (2013). 2項目自尊感情尺度の開発および信頼性・妥当性の検討 感情心理学研究, 21, 37-45.
 箕浦有希久・成田健一  (2013). 2項目自尊感情尺度の提案―評価と受容の2側面に注目して― 人文論究(関西学院大学文学部紀要), 63, 129-147.




2014/08/08

フシギ空間

Kさんと銀座散策。

今日のメインは奥野ビル探検。

周りのビルを圧倒するようなしっとりした外観。入ってもいいのだろうか。お邪魔しますと声をかけてから中へ。

正面は、銀座初というエレベーター。エレベータは完全な手動式。ドアの開閉にちょっと力がいる。最上階の7階をめざす。

前身はアパートだったが、いまや全身が画廊ビル。ビル自体も作品のよう。

最初、各部屋にいる人が画廊のオーナーなのか、作家なのか、留守番なのか、さっぱりわからず、話していてもとんちんかん。慣れるまでに時間がかかった。1階ずつ階段で降り、地下1階まで行き着いたところで、ようやく、このビルの文法がわかった。まず、目の前にいる人が誰なのか確かめよう。

人も空間も浮世離れしていて、この世のものとは思えない。荒木町を歩いたときの感じに似ている。無事戻れたのが不思議なくらい。

現代に厭きたら(飽きたら、かな)、奥野浴!

LIXILギャラリー日本橋高島屋(表記はタカシマヤらしい、Wi-FIが使える)、コレド室町と、歩き疲れての夕食は、コレド室町2地階の日本橋玉ゐ

◎備前焼の神戸光昭さん(上の写真)。北谷陶画房 0869-22-3919


2014/08/07

イヌの認知能力

授業の相談で青梅のAさん宅へ。古家を整備したしっかりした作りの平屋。風がよく通る。

相談が終わってから、犬は大小判断ができるだろうかという話になり、実験することになった。

きっかけは、お子さんの持っている数字の絵本。中に数字がなかったら、どう表現しただろうか、というページがあり、そこには大小などの形容詞で新聞記事仕立てで書かれている。

「大きい、小さい、と言っても、人によって受け取り方が違うよね」
「そうだね」
「犬もわかるんだろうか」

Aさん宅にはトイプードルがいる。

犬の2m先の右に多めのエサ、左に少なめのエサを置き、どちらに走って行くか、試すことになった。急く犬を押さえ、手を離すと、プードルは右に行き、次に左のエサを食べた。偶然かも知れないという意見が出(笑)、再実験。これでも右の方に走って行った。もしかしたら、位置のせいかもしれないとなり(笑)、左にエサを多く、右にエサを少なく置いて、3度目の実験となった。

結果は曖昧だった。お腹がいっぱいになっていたのかもしれない。左右の真ん中でウロウロ。

2014/08/06

バッタリ!

優先席に腰かけて本を読み始めた。
すると隣りの車両から人が近づいてきた。
何か、へんなことでもしたのだろうか、と思ったら、若干年上の同業者だった。
ビックリ。
会うのは何年ぶりだろう。
席を移動しておしゃべり。
奇しくも東経大の資料を読んでいたらしい。
「コミュニケーション学部、いつの間にかすごい顔ぶれですね。柴内さんもいるし、西垣さんも……」。
他の人も挙がったのだが、その人は別の大学だったw。たぶん、北村さんと混同したのだろう。
「今日は会議だけなんですよ」と、通勤途上。ボクは学生指導。
過分な話も頂戴した15分だった。

◎エアコンクリーニング 14,900円。

2014/08/05

魂の旅

両親と姉のお墓参りをすませたあと、父母それぞれの実家に連れて行ってもらった。

父の実家を訪れるのは40年ぶりぐらいだろうか。建物はアルミサッシに変わっていたりすあるものの、ほとんどそのまま。小さい頃撮った写真そのままだ。中の急な階段もそのまま。

近くの古い墓地がいっそう古くなっていた。かつて土葬だったので、雨の日に通ると、青白い光を見たような記憶がある。当時は気づかなかったが、神道。墓石の名前は実名で書かれている。

いま住んでいるのは叔父の奥さん一人だけ。現在、80代後半。毎日畑の世話をしている。帰り際、真っ赤に熟したトマトをたくさん頂戴した。

母の実家は数年ぶり。

最近、熊や猪がおりてきて、スイカやトウモロコシ、ナスを食べてしまうのだと言う。自衛策として、とうとう電気柵を設置。

どちらの家でも、つまようじが仕掛け付き楊枝入れで出てきたのにはびっくり。父の実家は、爪楊枝が飛び出すタイプ。母の実家はキツツキが加えるタイプ。お茶請けに漬け物が出る土地だけある。

共通点はもう1つ。薄暗い部屋があるところだ。今の間取りはすべての部屋に光を、が基本。

かつて、近くには農協の店舗があった。それも今はなく、日常生活は大変そうだ。どうなってしまうのだろう。

2014/08/04

社会科見学

午前は韓国文化院、午後は花王
前者は研修の準備学習、後者はモノができる過程を見たくて、という要望で。
学生たちは錦糸町、ボクは長野。

2014/07/31

『うかんむりのこども』

吉田篤弘さんの
「俺」と「僕」には「人」がいるが、「私」の中には不在の「人」
あらゆるところに潜む「心」
文字は飽きない。興味も尽きない。

2014/07/30

ヒトマワリ大きなヒマワリ

公園。

灼熱を避けてスターバックスで一服。
ここは4年前にオープンとか。

インテリアがスッキリ。目の前は向日葵。

2014/07/28

名前の研究発表

9月の日本心理学会第78回大会で名前に関する研究が2件。

  • ユニークになりたい親は子どもにユニークな名前を与えるか?個人主義指標としての個性的な名前の検討 荻原祐二・内田由紀子・楠見孝
  • 自己の名前の注意捕捉効果とメタ記憶判断の関係 佐藤安里紗・梅田聡

2014/07/27

オープンキャンパス初日

定期試験期間の合間を縫って、今年度最初のオープンキャンパス。
9時半集合で、3時過ぎに解散。
全体では昨年比2割増の来場者。
で、学部説明会は満員御礼。
コース再編成の説明と3コースのミニ授業。
説明だけで終われないのが教員キャラ?
説明会が終わると、ファンですという受験生が来てくれた。
別の保護者の人からは、「写真より若いですね(笑)」。
大学案内冊子の写真を見てくれていたようだ。
ありがとうございますm(_ _)m

2014/07/25

初めてのトラブル

昨夜の雷でヒューズが飛んだらしい。
家の電動シャッターが動かない。
朝早く、電話したら、午前中には来てくれるという。
シャッターの故障は急ぐから、すばやく対応できるようにしているのだろうか。
助かる。
今日は立川に行った後、国分寺、夜は虎ノ門。

◎修理代金 7,560円

2014/07/23

エレベータ「事件」

ボクの姿を認めた学生が、閉まりかけていたドアを開けてくれた。
6階のボタンを押してもらおうと思ったら、さっと「6」のボタンを押すではないか。
ビックリ。
テレパシー?
たずねると、「前、6階に行きましたよね」と。
覚えていてくれたのだ。

2014/07/22

一区切り

前期の授業が終了。
来年度は終了が少し後になりそうだ。

夕方は避難訓練。

以上、業務報告なり。


2014/07/21

あのCMに遭遇してしまった

祝日授業の今日、1編成まるごとヘーベルハウス(旭化成ホームズ)の広告という電車(ADトレインと言うらしい)に乗り合わせてしまった。

見上げると「妻の家事ハラ」。スポンサーの意図はわからないが、表現されたものがすべて。「なんだかなあ」である。夫の、子どものような言い訳で、いいわけがない。

ADトレイン、見たくない広告の場合、つらい。そう思うのは非スマホ族だけか。

目の前の男性、耳栓をしてスマホをしている。

3月修了した院生が顔を出してくれた。

2014/07/20

ポパイ風文体のトレーニング

1970年代前半

●「ポパイで仕事をしたい」というライター志望の若者には、
「まず東海林さだおの本(まずは『ショージ君のにっぽん拝見』)をよくよみ、それから短い文章を書いて持ってきてくれということにした。
彼のエッセイは「難しい漢字もあまりなく、改行だらけの文章が、もてず、みじめな存在と思いこんでいた独身おとこたちに愛読されていた」。

●小見出しをスムーズにつけたいときは、
永井荷風の『断腸亭日乗』を読む。
英語とカタカナの多いポパイ風文体にリズムとメリハリを与えてくれる。

アメリカとの生々しい関係もでてくる、椎根和『POPEYE物語』新潮社より。

2014/07/17

名前の話題

dot.より
「キラキラネーム」ランキング! 「黄熊」「泡姫」ってなんて読む?
“アナ雪”の影響、新生児の名前人気トップ100にも

出産準備サイトより
パパとママからの最初の贈り物! 「赤ちゃんの名前」はどうやってつけたらいい?―妊娠・出産インフォ
名前が最初の贈り物という発想は新しい。

矢印の歌があった

図書館の人からのビッグニュース。

「全然関係ないんですけど、矢印の歌があるのご存知ですか」
「?」
「Eテレの『デザインあ』のなかで……」

こんな歌があるとは。

 作詞:佐藤正和
 作曲:小山田圭吾
 うた:やくしまるえつこ。

映像歌詞もいい。

2014/07/15

カッパ・ブックス

サンドラ・ヘフェリン『ドイツ節約生活の楽しみ』1970年刊。
ひさしぶりにカッパブックスを読んだ。
食品の持たせ方、黄色い花は長持ちすること、といった実用知識(いまだと実用情報と表すのだろう)はありがたい。同時に、カッパ文体がなつかしかった。
カッパ・ブックスの時代』を読んでから、カッパブックスを読むと、その本を担当した編集者にも思いが馳せる。

2014/07/14

「安全」は「安心」の礎

遅まきながら『里山資本主義』。
知らなかった。
オーストリアは、世界でも珍しい「脱原発」を憲法に明記している国家である。1999年に制定された新憲法律「原子力から自由なオーストリア」では、第2項で原発を新たに建設することと、既に建設された原発を稼働させることを禁止している。ちなみに第1項では核兵器の製造、保有、移送、実験、使用を禁止している。つまりオーストリアは、軍事利用であれ、平和利用であれ、原子力の利用そのものを憲法で否定している数少ない国の一つなのだ。
きっかけは1977年、著名な地震学者が原発の建設地の直下で地震が発生する危険性があることを指摘したことだった。「それでも原発のリスクを受け入れられるのか」。

2014/07/13

蔦屋書店

代官山にある蔦屋書店へ。

台北の誠品書店みたいという人もいて、いつか行ってみたいと思っていた本屋さんだ。
実際に行ってみると、ちょっと違った。
森に迷い込んだような錯覚。
迷子になったよう。

普通の本屋さんでは見かけない本も並んでいて、それはそれで魅力なのだが、配列が独特で、蔦屋の文法がわからないと、すぐには本が探せない。
買いたい本を探しに行く、というよりは、本の森へ探検に行く、といった方がふさわしい。近所にあれば、森に日参できるのが。

一般書店と蔦屋書店を両極とすれば、その中間に位置するのが誠品書店。そこそこに楽しいし、苦労もしない。

2014/07/12

風景が違う

今日は有明のビッグサイトで全国規模の進学相談会。コミュニケーション学部から5人が参加。

国際展示場駅までは(意外に)近いのだが、駅から展示場までがけっこう距離がある。物理的には近いのかも知れないが、目の前に見えるので、つい錯覚。その入口から会場のホールまでも歩き甲斐がある。そこまではもくもくと歩くしかなく、既に疲れてしまった。路地のようになっていれば違うのだが。

11時から17時半までほぼしゃべり放し。声が嗄れた。

途中で、かつての同僚が挨拶に来てくれた。肩書きはアドミッションセンター長。ほぼ10年ぶり。同僚はボクより早く転出し、大学行政にも早いうちからコミットしていた。頂点まで上り詰めるの予感がする。

打ち上げは、夜風に吹かれながらのムール貝。地上に上がる際、「あれはスーパームーン」と教えてもらった。大きい。ウサギもよく見えた。

2014/07/10

ハーフの子供の名前の付け方

サンドラ・ヘフェリンさんのブログ
Young Germany Japan

サンドラ・ヘフェリンさん
ドイツ・ミュンヘン出身。日本歴13年、著書に『浪費が止まるドイツ節約生活の楽しみ』(光文社) など 5冊。自らが日独ハーフであることから「ハーフ」について詳しい。ちなみにハーフに関する連載は月刊誌に続き今回が 2回目である。趣味は執筆と散歩。目黒川沿いや碑文谷をよく散歩している。



2014/07/09

年少、年長、……

なるほど。
山口晃のエッセー漫画「すゞしろ日記」。
毎回、奥さんとのやりとりが紹介される。

第112回(えっ!こんなに前から)の今回は2通の手紙がテーマ。一通は父親から、もう一通は出張した奥さんの置き手紙。

置き手紙の表紙は「おるすばん中の5つのお約束」。ざっと、こんな内容だ。

  1. ごはんをちゃんと食べよう
  2. 早寝早起き
  3. 風呂に入ろう
  4. 部屋をきれいに
  5. お酒はほどほどに

そんな自分に作者は「44才児」という旗を持たせている。

なるほど!
いい年の大人も「○才児」と考えれば、納得がいく。ほんとは納得しちゃいけないのだけれど。かくいうボクは年老組の62才児!

◎『和解という知恵』を読み始めた。こういう授業を聴きたいものだ。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/39070

2014/07/08

やりきれない

「京王井の頭線 新代田駅構内で人身事故 一部運転見合わせ」
レスキューナウニュース 7月8日(火)16時15分配信

それによる遅延を詫びる車内放送。

人身事故も
「お詫び」も
なんともやりきれない。


2014/07/07

ワールドカップ関連ニュース? 2

「コスタリカで代表選手の名前を付けた“W杯ベビー”が急増中」とか。
 サッカーキング 2014.07.05. 17:10
 http://www.soccer-king.jp/news/world/20140705/209122.html
 ウルグアイ、イタリア、イングランドと歴代優勝国がひしめく「死のグループ」を首位で通過し、ベスト16ではギリシャを破り、コスタリカ代表は史上初のベスト8進出を成し遂げた。
 この歴史的快挙にコスタリカ国内では連日連夜お祭り騒ぎが続いているが、そんな中、国民の間では快進撃を続ける代表チームにあやかろうという動きが起きている。コスタリカの一般紙『アル・ディア』によると、ワールドカップ開幕後に生まれてきた赤ちゃんに、代表選手たちと同じ名前を付ける親が急増しているのだ。

2014/07/06

戸田公園

天気予報がはずれ、まずまずの好天。
今日は、第115回水上運動会。
300mをフォアで競う。
今回は父母の会チームの一員として参加した。
参加チームが少なく、今年は予選が2回になった。
そろいの黄色いTシャツで決め、息も合っていたのに、2回とも2分10秒前後。トップは約半分のタイム。さすが若者。

コックスを務めた1回目の方がタイムはよかった。2回目は船尾から2番目の漕ぎ手。体力では貢献できなかったということか。

上位進出はならなかった。が、疲れきる前に終われた。

2014/07/05

赤羽ショック

はじめて赤羽駅で降りた。

赤羽台団地

ふしぎな雰囲気の和食屋(店名失念)。

駅の反対側に
一番街商店街
その中の「プロマート」。
その中の「シルクロード」。
その中の赤羽小学校。創立139年。

LaLaガーデンを抜けた先にある銭湯「テルメ末広」。
小さな露天風呂は、都会の中のオアシス。

ふしぎな雰囲気の荒川知水資料館

黒田機器の古い事務棟

赤羽岩渕駅までの途中に名前のない銭湯。

北区は、この世のようなこの世でないような、地が足に着かない、不思議な空間だった。

2014/07/04

ワールドカップ関連ニュース?

ブラジルの「ジダン・アンリ・バルテズ」君、自分の名前に困惑

http://www.afpbb.com/articles/-/3019578
2014年07月03日 16:02 発信地:リオデジャネイロ/ブラジル
【7月3日 AFP】ブラジルで、フランスの有名サッカー選手3人にちなんだ名前を付けられた7歳の少年が、自分の名前をきちんと発音できずに困っている。この少年のフルネームは「ジネディーヌ・ヤジッド・ジダン・ティエリ・アンリ・バルテズ・エリック・フェリペ・シルバ・サントス(Zinedine Yazid Zidane Thierry Henry Barthez Eric Felipe Silva Santos)」。普段は短く「ジダン君」と呼ばれている。彼は、4つ目以降は「まだ覚えていない」ためうまく発音できない」。

という記事。
名前は呼ばれ、呼ぶ対象だから、正しく発音されないのは困る。というのが正論。
でも、楽しいかも。

社会心理学会の大会論文集が公開された。名前に関する研究があり、うれしい。極秘情報wによれば、日本心理学会でも名前に関する発表があるらしい。

中山真孝齊藤 智(2014).  どうか名前で判断しないでください:名前の印象評定に音韻類似性と音素配列頻度が与える影響」 日本社会心理学会第55回大会論文集
http://www.bunken.org/jssp/conf_archive/paper_download.php?s=2014-A-0046

名前の流暢性が低いほど、人物評価は低い。今回の刺激は外国人の名前。日本人(漢字文化圏)を前提にすると表記を手がかりにした印象評定も気になる。

2014/07/01

この日

自民党が集団的自衛権の行使容認を閣議決定。日本が攻撃されなくても「同盟国」の戦争に加わることを可能にする決定だ。これによって日本も攻撃対象になる。へんな話だ。

2014/06/29

ベンチはベンチでも

左の写真は、ある文化人類学者が「憎しみのベンチ」と呼んだタイプのベンチ。最近近くにでき、ショックを受けている。

Longmanにはこう書かれている。

Benchとは
a long seat for two or more people, especially outdoors:

全然長くないぞ。

ベンチトマソンと呼ぶ人もいるぞ。
寝たっていいじゃないか。

2014/06/27

インタビュー

専門学校の生徒6名がインタビュー課題でやってきた。
質問は以下の通り。

  1. 感情がおかしくなるのはなぜ?
  2. 緊張することのメリットは?
  3. 緊張による症状はなぜ人それぞれなのか?
  4. 緊張する人としない人の違いは?
  5. 手に「人」と書くと本当に緊張はほぐれるのか?
  6. 緊張をほぐすのに効果的な方法は?
  7. 緊張すると喉が乾くのはなぜ?
  8. 身体が震えるのはなぜ?
  9. 緊張と恥ずかしさはどう違うのか?
  10. 心臓がバクバクするのはどうしてか?
  11. 緊張とはどのような状態をさすのか?
  12. 緊張がもたらすストレスは?

難しい質問ばかり。いくつかは宿題にしてもらった。
文字起こしまでが課題の範囲。

なぜボクのところへ?とたずねたら、サイト名は覚えていないらしいが、研究者検索のようなサイトがあって、そこで見つけたらしい。どんなサイトなのか気になる。

あれっ?

乾さんたちの本『小さな風景からの学び』。
不思議な本だ。
どのページを開いてもきちんと開く。
手を離してもパタンと戻らない。
持つと、両腕をダラーッと垂らした感じ。何人にも読まれて疲れた感じもする。今にも瓦解しそうな、と言えばいいのだろうか。買ったばかりなのに……。しかもパッケージされていたのに。

カバーをはずしたらわかった。
背が覆われていないのだ。
綴った糸が見える(左写真は乾研究室のサイトから)。

おかげで落ち着いて読める。小さな写真が多いから助かる。見開きの中央にある写真もちゃんと見える。

装丁者のアイデアだろうか?

☆つい先日まで、この本の展覧会があった。残念。新宿のブックファーストは建築関係の本が充実している。

匿名のままでは死ねない

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