2014/03/31

あれから1年

目の前を老人がゆっくりとした足取りで横切る。見ると、靴の後ろが余っている。
靴が大きいのだ。
大きめの靴を履く老人は少なくない。と思う。

母にもそういう傾向があった。
「大は小を兼ねるんだよ」と。
ブカブカ靴のせいだろう。巻き爪になっていた。
ボクが買うもの以外に、ときどき人からもらうらしく、それらはたいてい大きい。
今日は母の命日。

今日は九州からSさんが来訪。明日は入学式。

ちょうど半分が終わり、「あと2年。」という目標ができた。

4月の新刊案内から。
本屋さんのダイアナ』。
大嫌いだった「大穴」(ダイアナ)という名前。受け入れたら初めて、自分を好きになれた。……奇しくも現代版『赤毛のアン』とか。

2014/03/30

千枝子と智恵子

』で、末森千枝子さんの連載が始まった。
第1回が「千枝子という名前」。
末森さんはかつて、すえもりブックスを主宰、舟越桂のお姉さんでもある。

千枝子さんの名付け親は高村光太郎。
父親の舟越保武さんが面識のない高村氏を訪ね、命名を依頼。
突然の依頼にもかかわらず、彼は聞き入れ、
「女の名前は智恵子しか思い浮かばないけれど、智恵子のような悲しい人生になってはいけないので字だけは替えましょうね」
 と言って千枝子と名付けて下さったのだと、小さいときから繰り返し、聞かされてきた。でも、私は最近までそう名付けられたことについて深く考えることを避けてきた。じぶんがそのような大切な名前に値しないという恐れがまずあった。それに……
…… 
私は、いまやっと「あなたにとってあんなに大切だった智恵子さんの名前をとって、千枝子と名付けてくださったことを本当に有り難く、とても大切に思います」と心から言える。七十年もかかってしまった。
70年。

午後からI先生を偲ぶ会。すっかり忘れていて、呼び出されてようやく思い出した為体。メモしておこう。

2014/03/29

お花見

研究会のあと、白百合女子大学を訪問。
正門を抜けるとすぐ、緑が来訪者を迎えてくれる。

入り口に、小さな立て看板が2つ。両方ともネット関係。
「SNS利用は慎重に」という看板は、「ネット上の発言は、友人・大学の教職員……、多くの人が見ています」で始まる(根拠はこちら)。
看板が小さいのがいい。これ以外にはない、のも。

緑(小さな森)の入口には、Robert FrostのStopping By Woods on a Snowy Eveningの一節がかかげられている。

The woods are lovely, dark and deep.
But I have promises to keep,
And miles to go before I sleep,
And miles to go before I sleep.

森を見るたびに思い出しそうな文だ。これが、またきっと大学時代の思い出につながるのだろう。

孔子像もある(薬草園時代からのもの)。

チャペルも見学。正面と脇に青系のステンドグラス、振り返ると赤系のステンドグラス。見上げると、白い花びらシャンデリア。

薬草園だったキャンパスは、植物の種類も豊富。桜の脇にこぶしの白い花。
「わざわざ見に来る人も多いそうですよ」とシスター(と言うのかな)。

仙川駅に向かう途中で、「仙川アパート」を発見。古色蒼然とした棟が並んでいる。しかし同じ棟の反対側は新しい。横から見ると、左右で外壁のようすが異なる。増築したのだろうか。不思議な建物だ。中に入ってみたかった。近々、立て直すらしい。築50年。

駅の向こう側は長い長い商店街。行き当たりに桐朋学園。その脇に実篤公園。時間が過ぎていて入れなかったので、周囲を散策。凝った家が目立つ。

あちこちで見た桜は満開直前。

夕刊の「偲ぶ」面に、1月23日に亡くなった小林カツ代さんの記事。
長年助手を務めた料理研究家の加藤和子さんの話が載っている。
「物価や国際紛争、環境、教育…。『キッチンにいると、世界が見える』とよく言っていました」。

2014/03/28

研究会の前に

教え子の範疇に入るのかどうか。ある大学院の授業で教えた学生と久々の再会。小学校2年生の息子さんも一緒。
その彼がニンテンドーDSを取り出して、写真を撮ってくれた。
妖怪ウォッチ」というソフトだった。
ボクの背後に「まさむね」が写っている。
次に撮ってもらったら「カブトさん」。3回目は、なんと「くいい爺」。
しかし、これでどう遊ぶのかがわからないw
デニーズで、のどかなお昼。

今週は日曜から部屋の中のものを整理していた。数年ぶりだ。研究関心が変わったこともあり、たまっていた文献コピーをばっさり処分。いざとなったら、ネットで入手できるし、と言い訳もしつつ。
すがすがしい。

2014/03/27

「名前が良かった」

直人、父・拳さんに感謝「名前が良かった」
日テレNEWS24 2014年3月27日 20:00より抜粋
俳優の緒形直人(46)、女優の南果歩(50)、歌手のさだまさし(61)らが27日、都内で行われた映画「サクラサク」(4月5日公開)の完成披露試写会に出席した。
作品は認知症の父親と、家庭を顧みず仕事に没頭してきた息子とその家族の再生の物語。
緒形は父で俳優の緒形拳さん(享年71)を思い出すこともあったと明かし、「『子どものころは、ちょっと悲しい思いをしたな~』とかね。(父から)よく遠くから絵はがきが届きましたね。『元気か?』みたいな。それは、とてもうれしかったですね」とにっこり。さだまさしから「よくこんなに真っ直ぐ育ったよね」と感心されると、「名前が良かったんですね。直人って」とはにかんでいた。
付けられた側が自分の名前に公式の場で発言する例は少ない。

2014/03/25

3人の写真家

大石芳野さん(安珠の写真家のフォトツリー)
思春期のときに悩んで苦しんでいたわたしの「生と死」は、“名詞”だった。ベトナムの若い人たちは、「生きるか、殺されるか、生き延びるか」でしょ。それは“動詞”なんです。そのことに気づいて、なんて自分は甘いんだろうって。生きたいのに殺されるかもしれない戦争の中にいるベトナムの人は、どんなに厳しいかと思うと、自分はそれを伝えるために写真をやっていこうと、そのとき決心しました。
1枚の写真に写真家の力量はいるけれど、見る人にも力がないと読み解けない。そのことを意識するようになって、これは面白いっと思えたの。撮る人と見る人の緊張関係がある。これはムービーにはないと気づいた。写真と並行して、ムービーをやろうと思った時期もあったけれど、写真一筋で浮気しなくてよかったわ(笑)。
 ネコの撮り方入門 1(岩合光昭のネコ写真ワークショップ)
見下ろすとかわいらしさが半減するので、目線はネコと同じくらいが理想。……ネコに近づくとき、動作はゆっくりと。そうでないとネコは敵が近づいてきたと思って逃げてしまいます。
たくましく生きる野良ネコ(宮崎学の自然報告)
 ボクは、そんな猛禽類の生息エリアに無人撮影ロボットカメラを何年間も設置し続けて観察をしているが、「けもの道」には周期的にネコが新しく出現してくる。そして、それらのネコはほぼ確実に3ヶ月以上にわたっての目撃追跡はできない。これは、すなわちどこかで私たちの目にふれることなく猛禽類にさらわれているということである。
アサヒカメラ2014年4月号から。

今日は夕方から定年退職者の送別会。

2014/03/24

ハーフボトルの怪

昨夜はひつじやで会合。
食べた、食べた、ひつじをよう食べた。

ひつじのたたき
ひつじのステーキサラダ
ひつじのチーズ
ひつじの脳みそ バングラディッシュ風生唐辛子炒め
アラビアのシシカバブ
スペアリブのいぶし焼き
北アフリカの焼飯(クスクス)
オクラのスパイスフライ
ヤーコンサラダ(アンデス山脈の民族が食べていたというヤーコンは、柿のような大根のようなリンゴのような独特の食感と味)
カリフラワーのなんとか
パン(底がパリッ、中がふんわりで、おいしい)

ワインが傑作。頼んだのはハーフボトルなのに、出てきたのはふつうのボトル。口が既に開いている。うっ? 見ると、中身が半分。なるほど。銘柄の説明も読めるし、これはいい。飲めないけどね。

今日は、ひねもす教員紹介を作っていた。新入生に配布する冊子だ。


2014/03/23

英語「風」表記

「国際化」で、日本国内の英語風表記が話題になっている。
そりゃそうだ。現状の表記は、ちっとも英語ではない。実態はローマ字によるルビ。バス停の表記もすごい。1丁目が1-chome。数字とローマ字が混在している。ワンチョメ?

東海道・山陽新幹線は、現状ではTokaido, Sanyo Shinkansen(正確には、oの上に棒が付いたりする)。
誰のためにこう表記しているのかわからない。わかるのは日本人ぐらい。ふりがなでしかないからだ。英語圏で「スーパーイクスプレス」とカタカナで書かれていても、英語がわからなければ「?」。それと同じ。
読みを優先したのかもしれない。しかし、Sanyoはサニョ。Tokaido, Sanyo Shinkansenが「とうかいどう さんよう しんかんせん」と読まれる保証はない(けど発音の雰囲気は近いから、通じるかもしれない)。意味も分らないままでは、おまじないに近い。
「とうかいどう さんよう しんかんせん」と読ませたいのであれば、ローマ字表記は、英語でそう発音できる綴りにする必要があるし、意味を優先するのであれば(その方がいいと思う。ローマ字ルビではなく「英語」化)、固有名詞はそのままで、Tohkaido and San-yoh Super Expressぐらいにしないと。でもSuper Expressは列車名か。
和英辞典には、こう書かれている。
しんかんせん【新幹線】the Shinkansen; 【…新幹線】the New… Line; 【弾丸列車】a bullet train.▸ 東海道新幹線 the New Tokaido Line. (!the Tokaido Shinkansen Line と書くこともある)
東京メトロは駅名表示を修正中。Kokkai-gijodomaeがNational Diet Bldg.。和英辞典を引くと、国会議事堂は「【日本の】the Diet Building【米国の】the Capitol (!a capitol は米国の州議会議事堂をさす) 【英国の】the Houses of Parliament.」となっているので、Nationalは不要だろう。Bldg.という省略もいまいち。ビルヂングときちっと書いた方がいい。

台北の地下鉄の英語名はわかりやすい。同じ漢字文化圏として参考になるのでは。

2014/03/22

華やいだ一日

青空の下での卒業式。

学位記や表彰状の授与で学生の名前を何人も読み上げた。
この代の学生は読み方にさほど苦労しない。迷うことはあっても、読めないことはない。

祝賀会場(100周年記念館)では、学生に頼んで、卒業生にインタビューしてもらった。
撮影クルーは、カメラ班1人(桜井ゼミの2年生)、インタビュアー1人(わがゼミの3年生)の計2名。見事な仕事をしてくれた。感謝。

聞いてもらった主な内容は
  • 入学のきっかけや理由
  • コミュニケーション学部にした理由
  • コミュニケーション学部のいいところ
  • 4年間の過ごし方
インタビューはオープンキャンパスで公開する予定。

☆今日の東京新聞「筆洗」は、塔和子さん
彼女は、ハンセン病で、ある日突然名前を「取り上げられる」。
偏見と差別に耐えるために名前を変え、本名に戻ったのは墓石で。
2013年、83歳で永眠。

2014/03/20

第一印象

ご本人から『就活は最強のプログラムである』を頂戴した。
稲増さん(たち)の自主ゼミ25年の歴史が詰まった本だ。
その121ページにこんなくだりがある。
第1回目の授業で行われる自己紹介。
各自が名刺大の用紙を数十枚用意し、それぞれの自己紹介のあとに、すぐに、その感想を書いて、当人に渡す。
この回の詳しい説明や趣旨は省くが、「いい人」でも第一印象がいいとは限らない。
そういう場合、どうするか。
「自分は本来、明るい性格ですが、人見知りのせいで、最初は暗いと思われてしまうのです」と言えれば、……前向きに評価されるだろう。
相対化のメリットだ。

2014/03/19

『栄養と料理』

4月号の香川芳子さんの巻頭言にこんなくだりがあった。
本誌が創刊された約80年前は料理の材料表の基本人数は、当時の平均的な家族数の5人分でした。その後は4人分、2000年からは2人分に変わります。社会構造の変化に応じたものですが、現在は単身世帯が全世帯の3分の1を占め、さらに増え続けています。
こんなところにも社会の変化があらわれている。料理を「作る」機会も減っている。

2014/03/18

フォントはほんとに偉大だ

以前読んだ『フォントの不思議:ブランドのロゴはなぜ偉そうに見えるのか?』で、フォントの重要性を再認識させられた。
同じ著者の新刊が出ていた。
ドイツ在住、小林章さんの『まちモジ』。
今回もサブタイトルが利いている。
日本の看板文字はなぜ丸ゴシックが多いのか?」。
その理由はさておき、本題と違うところで気になった記述と写真があった。
……ヨーロッパでは「STOP」の標識が少ないということ。日本とは設置基準が違うのかもしれません。街も郊外も農地も走ってみた印象では、日本を10としたら、割合的に、ドイツは6くらい。フランス、ベルギーとルクセンブルクは4くらい、オランダとイギリスは1くらいかも(p.19)。
設置基準が違うにしても多い、いや多すぎ。

24ページの上にある写真。ガード下のトンネルが写っている。左端が自転車専用帯。その入り口上部には「自転車専用帯↑」の表記がある。この↑は前方が進行方向であることを示しているのだが、なんとなくしっくり来ない。むしろ、ない方が混乱しない。実際、「自転車専用帯」の右側にある「歩行者用専用帯」の看板に矢印は書かれていない。撮影地点はどこなのだろう。

上の写真はShin URAYASU Navigatorから拝借したもの。矢印が文字の上か下かで向きが異なっている。矢印の位置が文字の横だと、混乱度は高い。

今日は強風。眼鏡のレンズが砂で覆われてしまった。

2014/03/17

強化ガラス

掃除をしていて、サイドボードのガラス扉を勢いよく締めてしまった。
その衝撃が強かったらしい。
ガラスが粉々になって砕け落ちてしまったのだ。
そんなに力を入れたつもりはなかったのに。
ビックリ。
それでわかったのが、扉ガラスが強化ガラスだったことだ。
おかげで破片が突き刺さることもなく、済んだ。
食器棚に使われているガラスも強化ガラスなのだろうか。
太陽光線が当たると、強化ガラスかそうでないかわかるそうだが、食器棚はあいにく奥まっていて、陽があたらない。

2014/03/15

ぴんころ御膳

今週は会議と遠出で疲れた。
用事を休ませてもらった。
その代わり、久しぶりに夕食を作った。
いただいた『ぴんころ御膳』から拝借したステーキ定食。
「ガーリックステーキ」「ゆでキャベツの高野豆腐そぼろかけ」。ご飯は「グリーンピースご飯」となっているのだが、買い物に行く前に(うっかり)スイッチを入れてしまい、ふつうのご飯に。味噌汁を飲みたかったので、「たけのことうどのすまし汁」を変更。
会心のでき。

ぴんころ御膳は、長野県佐久市発。

  • 1食のエネルギーを600キロカロリーから700キロカロリーにする。
  • 1食の塩分を3~4gにする。
  • 地元でとれる食材が使用されている。 

2014/03/14

来し方行く末

今日は今年度最後の学部教授会。
夕方、定年退職者の送別会を開いた。いつものホームパーティ風。
世田谷通信ケーブル火災(1984年11月)の調査以来の人、採用面接時に学部長だった人、知人のいる大学から移ってきた人、ボクとキャリアパスの似ている人、と4名が参加してくれた。
最後のあいさつで、4月以降の予定を披露してくれた。桜前線とともに日本縦断、釣り三昧、研究生活……と三者三様。ボクは、桜を追ったこともないし、釣りは小学生の頃やっただけ、研究は既に遠のいている。
知り合いの発達心理学者曰く「老後は人生の成れの果て」。だから、ボクは上のどれもやれそうにない。あるいはまだ間に合うだろうか。

3年前の送別会は3.11で、流れたままだ。

2014/03/12

九州大学訪問

箱崎キャンパスを訪れた。
上空を飛行機がお腹を見せながら、爆音とともに通過する、しかもひっきりなしだ。これにはビックリ。
さて構内を歩いていて、不思議な建物を発見した。
煤の付いた変な塔部を持つ「工学部航空工学専攻」棟(左写真)と、その脇にあるトーチカ風の不思議な形の出っ張りがある「ゲッチンゲン風洞実験室」。
誰かに尋ねようかと思ったが、あいにく人気がない。帰宅してネットで調べた。
それがこれ。gipsypapaさんの「レトロな建物を訪ねて」。
読んで納得した。
煤けているのは戦時中の迷彩模様、変な形は管制塔部分。
旧工学部系の建物は、一部は転用されているものの、使われないまま、取り残されたままの廃墟。7年前のgipsypapaさんの写真と寸分違わない。

運営交付金を調べてみた(2012年度)。東大840億円で、九大は420億円。ちょうど半分。

2014/03/11

3.11

3.11を心に刻んで 2014』を買った。
もんじゅ君も書いている。

この本は、同名サイトに掲載された文章をまとめたものの第2弾。
私たちは、2011年3月11日の大震災において被災された方々のことを心に刻み、歩みたいと思います。そして、どのような状況にあっても言葉を恃むことを大切にしたいと願い、ホームページ上での連載をはじめることにしました。毎月さまざまな方に、過去から蓄積されてきた言葉に思いを重ねて書いていただきます。
もんじゅ君は、伊丹十三の『ヨーロッパ退屈日記』から引用
 われわれは、まず、折あるごとに不満を述べあい、議論をたたかわし、役所に苦情の電話をし、新聞や雑誌にすぐれた記事を発見した場合には、手紙を書いて激励しようではありませんか。
 その効果はあまりにも小さく、前途は気の遠くなるほど遥かです。しかし、これが、誰にでもできる唯一の道造りではないでしょうか。
「すぐれた記事を発見した場合には、手紙を書いて激励しようではありませんか」。
そう、言わないと伝わらない。

「小さく……」。
そう、あきらめない。あきらめるのを待っている人がいる以上。

もんじゅ君、最後に。
「そしていちばんたいせつなのは、あなたのとなりにいる人、家族や友達、職場や学校の人たちと、この話題についておしゃべりすることです。変なことを『変だ』と口に出せない空気を変えていく。これこそが、ふつうの人ひとりひとりにしかできないことなのです」。

2014/03/09

こういう窓もある

3年前の大津波を受けて防潮堤を高める計画が進んでいる。
海が見えなくていいのだろうか。
と思っていたら、防潮堤には窓が付いている。
そのことをフォトボイス展の写真で知った。どういう場所にこうしたガラス窓が設置されているのか、わからないが(壁が薄い)、奇妙な感覚に襲われる。

国会議事堂前で降りた。駅名の表示に英文「National Diet Bldg.」が追加されていた。前来たときはなかった。以前は「Kokkai……」的な表記だったはず。誰を対象にしたのか奇妙な表記だった。ようやく「国際化」。


思わぬ拾い物

本当はひどかった昔の日本:古典文学で知るしたたかな日本人
を検索したら、

この商品を買った人はこんな商品も買っています

失われた名前:サルとともに生きた少女の真実の物語
という本が出てきた。この本が、上記の本とどう関連するのか分らない。だが、名前がタイトルに含まれている。「サルとともに」というタイトルも気になる。オオカミ少女のサル版か、とか。しかし紹介を読むとノンフィクションらしい。

読もう。

吉川弘文館からこんな本が出ていた。
名づけの民俗学


2014/03/08

「未経験課題を克服するリーダーシップ」

産業・組織心理学会の部門行動研究会が筑波大学の文京キャンパス(旧東京教育大)であった。「未経験課題を克服するリーダーシップ」と言われると気になるじゃないか。

趣旨
  多様性と変動性に富む経営環境は、否応なく経験したことのない新しい課題への対応を組織に迫ってきます。そんな未経験課題との直面が珍しくもなくなってきた今日、その克服に向けていかなるマネジメントが重要になってきているのでしょうか。長年にわたり議論され研究されてきたリーダーシップ論は、変革型リーダーシップ論に続き、フォロワーからの認知の重要性を再認識しながら、これまで以上にフォロワーの知識や経験を生かしてチームの力を結集するリーダーシップのあり方をめぐる検討へと新しい研究動向が生まれています。
  組織行動研究の永遠のテーマとも言えるリーダーシップ論の最近の動向を理解し、新しい時代を切りひらくリーダーシップのあり方について議論する機会として、今回の組織行動部門の研究会を企画しました。気鋭の研究者3人にご登壇いただき、話題提供をいただいた後、出席者の皆様と闊達に議論したいと願っております。
話題提供者
  1.リーダーシップの幻想理論とその周辺  日野健太(駒澤大学経営学部・教授)
  2.関係性アプローチからみるリーダーシップ研究の広がり-フォロワーの認知を知ってどう活用するか-  山浦一保(立命館大学スポーツ健康科学部・准教授)
  3.サーバント・リーダーシップの効果とその可能性 池田 浩(福岡大学人文学部・准教授)

会場は満席、立ち見。
話題提供者の二人が共通してふれていたのが、Dinh et al. (2014) のレビュー(Leardeship Quarterlyの25周年特集号、vol. 25, 36-62.) のTable 2「トップ10ジャーナルに見るリーダーシップ研究のトレンド(2000-2012)」。なかでも注目すべき今後のトレンドは「倫理・道徳的アプローチ」だという(池田さん)。内容としては、倫理的リーダーシップ、真のリーダーシップ、サーバント・リーダーシップの3つが含まれる。

信頼が崩壊する主なきっかけ(山浦さんの報告から)
・上司(部下がこうしたから)
辛辣でネガティブな言動、悪い業績・仕事ぶり
・部下(上司がこうしたから)
辛辣でネガティブな言動、責任転嫁、指示や連絡内容の悪さ

現状を考えると、リーダーシップ研究では、フォロアーの雇用形態が考慮されてもいい(リーダーも同様)。というのが素人の感想。正社員、嘱託、派遣が混在する職場はいまや日常的になっているからだ。

取扱説明書

大宮駅の新幹線ホーム。
見慣れない掲示がある。
まさかと思ったが、ホームの頭上にある「表示機」の解説だ。

たとえば、「とき」を見て「なぜ鳥の名前がこんなところに」、「あさま」を見て「なぜ山の名前がこんなところに」と思う人がいるのだろうか。

張られた経緯は不明だが、電車を利用する人が減って、表示機に接する機会も減り、理解できない人が増えているのだろうか。

2014/03/06

じゅんこ×じゅんこ

小説新潮に連載されていた「地震と独身」が単行本になった。

もくじ
  • はじめに
  • 独身は働いた
  • 独身はつないだ
  • 独身は守った
  • 独身は助けた
  • 独身は逃れた
  • 独身は戻った
  • 独身は向かった
  • 独身は始めた
  • 独身は結婚した
  • 無常と独身
  • あとがき
それを記念しての座談会が『』の最新号に掲載されている。相手は内澤旬子さん。
早く読みたいと思っていた。

ら、
「サイトで読めるよ」と、家族が教えてくれた。
東京に地震が来る日、どこにいる?

3年前のあの日。その日から事態が飲み込めないまま時間が経ち、落ち着かないふわっとした日が続いたことを思い出した。

2014/03/04

8冊目のゼミ論集

今年度のゼミ論集『みんなの名前』ができあがってきた(右下の青い表紙)。どうやら急いでやってくれたようだ。感謝。

今回も校務職員の人に印刷していただいた。

縦書きと合本形式。この2つが新機軸。ページは学生16人+TA1人分で、260強という厚さ。もくじとあとがきをあとでアップしよう。

写真は上段、左の2005年度版から右へ、そして下段の左から2009年度版(2011年度は休刊)。

2014/03/03

出版記念ランチ

ブックガイドのお疲れさん会をやった。
会場は、駅前の展望中華レストラン。
大学もよく見える部屋。
10人が出席。
こういうランチ、これからもときどき開けるといい。

2014/03/02

キラキラネームの改名は?

こんなキラキラネームはいやだ!子供による「改名」が認められる条件は?

川添圭弁護士

「現状では、キラキラネームと呼ばれるものの多くは、通常の場合よりも『珍奇や難解な名前』であることが多いと思われます。少なくとも、極端な当て字や不適当な字の組み合わせ、字の組み合わせからはおよそ読みを推測出来ないような名前であれば、改名できる可能性があるといえます」。

改名、今後増えるかもしれない。

Keith et al. 2014:潜在的自己中心主義効果と価格選好

人は自分の名前と同じアルファベットで始まる価格が好き。あくまでも英語圏の話。誕生日とセントの対応もあるようだ(マーキュリー2世さんより)。

Keith S. Coulter and Dhruv Grewal
Name-Letter and Birthday-Number Implicit Egotism Effects in Pricing.
Journal of Marketing
In-Press.
doi: http://dx.doi.org/10.1509/jm.13.0059

本研究が検証するのは、購入者のポジティブセルフ連合がもたらす潜在的自己中心主義がどのようにかれらの商品価格評価に影響を及ぼすのか、である。この効果は、商品価格と購入者との間で、名前の文字(名前字と価格間の関連)、あるいは誕生日の数字(誕生日数字と価格間の関連)が共有されているときに見られる。一連の研究を通じて、われわれが得たのは、名前字や誕生日数字とむすびついたポジティブ感情は購入者の強い価格選好に直接、転移し、結果として購入意図に影響を及ぼしていることである。具体的には以下の通りである。ある価格(例:fifty-five dollars)を購入者が好むのは、同じ文字(つまりF、例えばFredやFrank氏)で始まる数字を含む場合である。それ以外の価格よりも。同様に、セントの桁を含む価格でも、誕生日の日にちが含まれているとそうである(例:$49.15とApril 26、Aprilは4月だから)。購入者集団にかかわりなく、われわれの得た結果によれば、潜在的自己中心主義は低価格商品よりも高価格商品にあてはまる。

Abstract: This research examines how the implicit egotism resulting from consumers' positive self associations affects their evaluations of product prices. The effects can occur when the product's price and the consumer share either name letters (name-letter/price effect), or birthday numbers (birthday-number/price effect).Through a series of studies, we demonstrate that the positive affect linked to name-letters and birthday-numbers transfers directly to consumers' price predilections, and ultimately affects their purchase intentions. More specifically, consumers like prices (e.g., “fifty-five dollars”) that contain digits beginning with the same first letter (e.g., “F”) as their own name (e.g., “Fred” or “Mr. Frank”) more than prices that do not. Similarly, prices containing cents digits (e.g., $49.15) that correspond to a consumer's date of birth (e.g., April 26) also enhance pricing liking and purchase intentions. Across groups of consumers, our findings demonstrate that implicit egotism effects can result in greater purchase intentions for a higher priced product compared to a lower-priced product.

Keywords: behavioral pricing, name-letter effects, name-price effect, birthday-price effect

☆日本人でも、英語圏生活の長い人にはあてはまるのだろうか。

※誤訳がありましたら、ご指摘願います。

今日の「日曜美術館」から

これっていいね 雑貨主義 展」、6/1まで。楽しそう。
大岡信ことば館を知らなかった。

「日本美術院再興100年 特別展『世紀の日本画』」。後期展が4/1まで。

番組の解説で、画家同士のつながりがおもしろい。知らなかったつながりつぎつぎと紹介される。画家とモデル、画家同士……。関連する話もおもしろい。例えば、「田中さんには及びもないが、せめてなりたやクリスティ」と横溝正史の歌。平櫛田中は107歳で没、かたやクリスティは85歳。で、ご本人は79歳で死去。亡くなる5年前の歌。

ゲストは山口晃。今日の日曜美術館、再放送は3/23

ウクライナが心配だ。

2014/03/01

駅のアナウンス

新大阪駅の在来線ホーム。
駅員のアナウンスが始まっても、自動音声は流れ放し。
結果として、アナウンスのボリュームがあがる。
なにがなんだかわからない。
東京の駅だと、アナウンスが始まると、自動音声は止まる。

今日読み終えた雑誌、「本の雑誌」3月号から。
バンド名由来事典』の刊行を知った。ビートルズはカブトムシではないのは知られているが、AKB48がカラシニコフAKB47のシャレとは知らなかった。
専門家のための「本を書こう!」入門』も、おもしろそうだ。遠見書房刊。

フルネームで呼んでくれてありがとう

スティールの『 ステレオタイプの科学 』に、こんなエピソードが紹介されている。  ある伝説の英雄と同姓同名の人物に出会ったことで、研究上の疑問が解けたという話である。  シャーマン・ジェームズは、人種による健康格差の問題に取り組む公衆衛生研究者である。たとえば、アメリカの黒人は白...