2015/04/30

卒論の書き方12:使わない方がいい表現

以下、私が「使わない方がいい」と思うことばリストです。

「なる」:以下が本研究の結論になる→以下が本研究の結論であ

「わかる」:この表から…増えていることがわかる→この表によれば…増えている。あるいは、この表から…増えていることが明らかである。

「約」:4割→4割(もともと誤差を含む表現だから「約」は不要)

「など」:使わないか、「など」ですまさないで、ひとつひとつ列挙する

「さん」:原則、人名以外には付けない。「学生さん」は「学生」で十分。

「方」:人を敬っていう語だから、限定して使う。「留学中の」は「留学中の」か「留学」。

「思う」「感じる」:そもそも論文になじまない。言い切る。

「的な」:「的」だけで十分な場合もあるし、場合によっては「的」も不要。それによって係り受けが明確になる。例:実践的な英語→実践的英語→実践英語。

「わが国」:相対化できなくなるので「日本」。

接続詞を多用しない。

述語で締める(体言で止めない)。

表記については、接続詞と副詞は開く(ひらがなにする)のが基本。明るく(白くなるとも言う)、読みやすい文章になる。従って→したがって(同士の場合は「従って」)とか。

2019年7月14日

フルネームで呼んでくれてありがとう

スティールの『 ステレオタイプの科学 』に、こんなエピソードが紹介されている。  ある伝説の英雄と同姓同名の人物に出会ったことで、研究上の疑問が解けたという話である。  シャーマン・ジェームズは、人種による健康格差の問題に取り組む公衆衛生研究者である。たとえば、アメリカの黒人は白...