2016/06/30

今週は再会つづき

 大学院の卒業生がひょっこりやって来たのが今月の頭。修了証明か、成績証明のようなものを取りに来たらしい。
 研究室のドアをたたく音につづいて、そうっとのぞいた顔が彼だった。ちょっと変化していて、すぐにわからなかったが、1秒経って、判明。会うのは、本人曰く5年ぶりとか(主観的にはもっとむかしなのだが、時の経つのは早い)
 一昨日、2度目の来訪。今回は修士論文を公刊できないだろうかという相談だった。修論は力作だったので、ボクも大賛成。仕事をしながらの投稿原稿作成はたいへんにちがいないが、なんとかかなえてあげたい。

 昨日は昨日で、別の卒業生がやって来た。同僚の授業でゲスト講師を務めたのだという。同僚が気をきかせてくれたのだろう。あいさつに寄ってくれた。うれしい。

 きょうはきょうで、学部の卒業生から連絡があり、8月、会うことになった。なかよし3人組で話しているうちに、「会いたいね、会いに行こうか」となったらしい。LINEかな? 再会するのは2年半ぶりだ(とは思えない)。靴の会社、ベンチャー企業、地元の代表的メーカー、と三者三様の道を選んだ。

 つづくときはつづく。

2016/06/28

Bregret と Regrexit

23日の英国民投票で、EU離脱が決定。と軌を一にして、新語ができた。

「脱EU」広がる未練 離脱派、拠出金充当の公約撤回 移民制限も修正
(東京新聞、2016年6月28日)

【ロンドン=小嶋麻友美】国民投票で欧州連合(EU)からの離脱を決めた英国で、市場や政治が混乱する現実を受けて戸惑いが広がっている。離脱派の政治家が投票前のキャンペーンで事実に基づかない「公約」を掲げていたことへの批判も高まり、離脱の投票を後悔する人も少なくない。世論調査会社「サーべーション」が投票翌日と翌々日に1000人に行った調査では、離脱に投票した人の7.1%が「後悔している」と答えた。離脱に投票した約1740万人のうち、100万人以上が悔やんでいることになる。
 ツイッター上では、後悔(regret)という単語に、退出(exit)を掛けた「Regrexit(リグレクシット)」や、英国(Britain)を掛けた「Bregret(ブリグレット)」の造語が広まった。国民投票のやり直しを求めるインターネット上の署名は350万筆を超えた。ただ、英国の首相報道官は27日、投票やり直しは「ありえない」と述べた。

英国民投票、若年層は大半が「残留」 世代間で意識に違い
(日経新聞、2016年6月25日)
【ロンドン=篠崎健太】欧州連合(EU)離脱の是非を問いかけた23日の英国民投票では、英国人の世代間の意識の違いが浮き彫りになった。52%対48%と僅差で離脱派が勝利したが、投票先を年代別にみた各種調査では、年齢が高くなるほど離脱を支持し、逆に30代以下の若年層は残留が多かった。若者の間には不満がくすぶり、今後は世代間の政治的な分断が論議を呼びそうだ。

(毎日新聞、2016年6月25日)
【ロンドン=三木幸治】欧州連合(EU)からの離脱を決めた国民投票の後、英国で移民に対するヘイトクライム(憎悪犯罪)が増加している。特に狙われているのは、移民の中で最も多いポーランド人だ。離脱派の公約だった移民制限が「国内の移民を追い出す」と曲解され、影響を及ぼしている可能性がある。キャメロン英首相は27日、下院での演説で「ヘイトクライムのような卑劣な行為を根絶しなければならない」と訴えた。

(朝日新聞、2016年6月28日)
【ロンドン=渡辺志帆】国民投票で欧州連合(EU)からの離脱を決めた英国で、離脱派が語っていた「バラ色の未来」が急速に色あせている。旗振り役の主な政治家が、投票に向けた運動で語ったことの誤りを認めたからだ。「公約」を反故(ほご)にするような動きに、残留派からは不満が噴出している。


2016/06/19

ガリ版つながり

近江八幡に寄って、ガリ版伝承館を訪問。

ブルーレイディスクに収められた紹介ビデオがよかった。日本の「近代化」には手軽な「同文通信」が欠かせないと判断し、それまでの毛筆文化に対抗し、カーボン複写にヒントを得て、そしてエジソンの「ミメオグラフ」を改良して、謄写版が「できた」。

見終わって、お昼が食べられる場所を受付の人にたずねると、「早く行かないと終わっちゃうかも」と急かす。
案内してくれた先は、同じ敷地内にあるガリ版ホール
週末は地元の人が食事を作っている。
メニューは日替りで、きょうは生姜焼き定食。黒豆の産地らしく、スープは黒豆入り。生姜焼きはタマネギたっぷりで、味が濃くない家庭料理。
メニューボードに「父の日、プレゼントがもらえる」とある。
なんだろうと思っていると、テーブルの上に栄養ドリンクが置かれた。男性のいるテーブルに配り終わったあと、女性のテーブルにも置かれた。「だんなに、ね」。
ここは、近所のたまり場になっている。近所の若い女性が子供をだっこしてやってきた。みんな話しかける。
ホール内には謄写版による小品が展示されている。助田篤郎さんの「たんぽぽ」、森下良一さんの「柿」がいい。
ここに寄ってよかった。

11月下旬、祝日をはさんでガリ版伝承館企画展が開かれる。
近江八幡駅にも自衛隊員(自衛官)の募集広告があった。「そうだ!  自衛隊がある」。

2016/06/11

北の丸公園


この公園と、その周辺にはユニークな看板が多い。これもそのひとつ(左写真)

 設置主体は環境省

「犬の散歩をされる方は以下のことを守ってください」(ここでも気遣い表現だ)。その「以下のこと」は7項目ある。

 欄外に「ご了解いただいたら」「備え付けの」カードを「犬(あるいは飼い主のかた)の身につけて下さい」とある。そのカードが左の写真。

 基本は犬が付けるようなので、「私」は犬?

 この注意書きはいつ設置されたのだろう。「守ります」カードはいつから始まったのだろう。


 21時から、NHKスペシャル「私たちのこれから『#不寛容社会』」がある。

 番組連動の調査結果。この中に「本を読みながら歩く「二宮金次郎」の像は、子どもがまねたら危険なので座った像にすべきだ」という設問があり、「同感できる」が23%。ん!? 「大きな災害が起きたときは、インターネット上に、楽しそうな写真や文章を投稿するのは不謹慎だ」にたいしては「同感できる」が39%。大きな災害は世界中で起きているから、「楽しそうな」投稿はまずできない。「楽しそうな」も、どうやって判断するのだろう。

 この調査、回答者の構成がわからない。年齢も性別も。

2016/06/10

いつのまにか

例えば、スーパーのポリ袋。
いつごろから切り替わったのか、明確ではない。

駅トイレのそうじ。
以前は駅員がしていた→女性パートによる清掃→男性トイレは男性が担当。
清掃中は使用禁止→清掃中でも使えるようになった。

映画館の場内アナウンス。
いつごろからか、「映画の盗撮は犯罪です。発見したら係員にお知らせください」が流れるようになった。

ちょっとした変化は大事。あとで、気づくことが多い。「ああ、あれはあのときから始まったのか」と。

2016/06/08

抑制的気遣い

「方」が「かた」なのか「ほう」なのか、読んでいて迷うケースが増えている。書き手もプロアマを問わない。それほど「方」の使用が増えている。

「結婚した方が……」とあったので、「ほう」かと思ったら、「かた」だった。この場合は「人」でいい。

「方(かた)」の増加はきっと「させていただく」の増加と軌を一にしている。

(「抑制的気遣い」は、満野さんの論文「大学生の友人関係における気遣いの研究」(要約)に出てくる。風間書房刊

2016/06/05

病院でアート

板東孝明編 2016『ホスピタルギャラリー』武蔵野美術大学出版局

著者は、板東さん以外に、深澤直人香川征さん徳島大学病院長を経て2016年まで同学長)のお二人。

ギャラリーの設置に病院スタッフがかかわり、できたギャラリーに、深澤さんの授業「形態論」の成果物が並ぶ。

ホスピタルギャラリー be(美と医)

同病院には市民ギャラリーもある。

2016/06/03

ローマ字と英語


 ただし表示物は「発音できる」ことより「理解される」ことが優先される。たとえば「〜大学」の駅名は、固有名詞として定めたとしても「〜 Daigaku」とローマ字でつづるより、「〜 University」と英語でつづる方が、外国人に理解されやすいことは知っておく必要がある日本サインデザイン協会編『伝えるデザイン』)

逆の立場になればすぐわかることだ。

 カタカナやひらがなで発音がわかったとしても、意味はわからない。しかも、その発音にしても原音の再現ではない。あくまでも原音風にすぎない。それにもかかわらず、日本ではルビをローマ字にしただけのものが大半を占める。固有名詞だからということなのだろう。。とりわけ悲惨なのがバス停の表記。Kitazawa 1-chome、Minami Shogakkoと示されても、何が何やら。そもそも、これらのアルファベットが、たとえばキタザワと、こちらの期待どおりに読まれる保証はない。1-chomeに至っては、発音もメチャクチャ、理解もされない。
地下鉄の路線図は見やすい。原型はロンドン地下鉄のそれ。しかも、ロンドンも営団地下鉄(現、東京メトロ)も、デザイナーが持ち込んだもの。ロンドンではハリー・ベック(1931年採用)、東京では河北秀也(1972年正式採用)

2016/06/02

学生のアドバイス

4年生の参考にと、横浜時代の教え子の卒論をながめていた。その中に「定年退職後の夫婦が幸せに暮らす秘訣」と題する論文があった。すっかり忘れていた、こんな卒論があることを。横浜最後の2007年度に提出されたものである。

2007年は高齢化率(総人口に対する65歳以上の占有率)が2割を越え、「超」高齢社会が話題に上った年である。

ボクもいまや「秘訣」が必要な年齢になろうとしている。そうっと最後のページを繰った。いちばん最後の文章を引用しよう。すっかり忘れていた。
妻から見て、それまで自分の城だった家に夫が毎日いるようになるというのはまったく別の生活が始まるということである。そのことを夫も自覚し、新たな気持ちで夫婦生活を送るのが良い。
この卒論を書いたのは女子学生。父親に見せたのかもしれない。

夫には定年退職後は「別の生活が始まる」という自覚が必要。その根拠は、老夫婦へのインタビューと新聞記事の内容分析だ。「おっとー」なんて言わないで、自覚しよう。

2016/06/01

「優先席」をどう表現するか

▲京王電鉄のホームページから
優先席が「優先席」として機能するための条件はいろいろあるだろうが、呼称も左右しているのではないだろうか。

かつて、ダラス空港で「For handicapped」という表示を見かけたことがある。単純だし、人を中心においた発想に感心した。高齢者とか事例をいちいちあげる必要がないし、要はこういう人のためなのだ、が直接つたわる。

電車会社もいろいろ考えているのだろう。いつごろからかわからないが、京王電鉄は優先席を「おもいやりぞーん」と呼んでいる。これを見て思いついたのが「おもいやられぞーん」。

こう書かれたら、いったん座っても、立ち上がる人が出てくるのではないだろうか。(これまでどおり)思いやる側に訴えるのか、それとも、思いやられる側から考えるのか、という問題でもある。

匿名のままでは死ねない

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