2016/08/31

Riordan and Trichtinger 2016:友人だからといって正確に伝わる訳ではない

Overconfidence at the Keyboard: Confidence and Accuracy in Interpreting Affect in E-Mail Exchanges
Monica A. Riordan, Lauren A. Trichtinger
キーボード上の自信過剰:メールの感情解釈にみられる自信と正確さ

 Gesture, voice, expression, and context add richness to communications that increase chances of accurate interpretation. E-mails lack much of this richness, leading readers to impose their own richness. Three experiments tested the effect of communicator relationship and availability of context on e-mail writer and reader confidence levels and accuracy. Effects of nonverbal and verbal behavior were also investigated. Results showed that confidence levels for both writers and readers were high, yet somewhat unwarranted based on accuracy rates. Further, writers had more confidence that friends would correctly interpret e-mails than strangers, although friends showed no more accuracy. Findings suggest that reliance upon friendship and context, as well as verbal and nonverbal cues, to interpret emotion in e-mail is ineffective, sometimes detrimental.

 ジェスチャーや声、表情、文脈はリッチネスをコミュニケーションに付加する。それは正確な解釈の機会を増すように働く。メールはこのリッチネスの多くを欠き、結果として受け手に自らのリッチネスを強いることになる。3つの実験が検証しようとしたのは、コミュニケーターとの関係が及ぼす効果、送り手の文脈を入手できる程度、受け手の自信度と正確さである。非言語行動と言語行動の効果も検討された。その結果、送り手と受け手双方の自信度は高かった。しかしながら、正解率は高いものではなかった。さらに、送り手は相手が友人であればメールを正確に解釈するはずと強く思っていた。けれども、友人だからといって正確という訳ではなかった。これらの結果が示しているのは、メール上の感情解釈で友情や文脈に頼ることは、言語・非言語手がかり同様に、効果的でもなければ、ときには有害でもある。

http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/hcre.12093/full
共有情報の多いはずの友人でも正確に読まれる訳ではない。送る相手にかかわりなく、言葉を尽くすことが重要。

2016/08/29

増えている

「陸上自衛隊は、28日、東富士演習場(静岡県)で、国内最大の実弾演習「富士総合火力演習」を一般公開した。観覧チケットには14万7831件の応募があり、倍率は28.6倍。昨年の28.8倍に次ぐ高率だった。招待客と合わせ、2万6849人が見学した。2012年からは毎年、演習場を離島に見立て、上陸して侵攻してくる敵を撃退する想定で演習している。隊員約2400人、戦車や装甲車約80両、大砲約60門、攻撃ヘリなど航空機約20機が参加し、約36トン(3億9千万円分)の弾薬を使った」(朝日新聞)。
 2014年、13万3千応募、倍率24倍
 2013年、11万6千応募、倍率20倍

佐藤正久議員のフォロワーは16万4千。
 ある新聞に参加者の一言が載っていた。「戦車が実際に使われないことを祈っています」。感想はこの人の分だけ。あまりにも紋切り型で毎年使えそう。それとも感想を求められたほうが心得ているのか。そのうちに「実際に使われてしまう」。むしろ、なぜ見に来たのか、それを浮き彫りにした記事を読みたい。

2016/08/26

名前どおり……4「すみ」


 中華料理屋さんで発見。

 朝日新聞の「ひととき」欄が名前がらみだった。投稿主は、○○すみ代さん、70歳。
「すみちゃんの名前は、住み良い世の中を願ってお父さんからつけられたって聞いてるよ」
 子どもの頃、隣のおばさんからそう聞いたことがあった。私は終戦直後の1946年の生まれなので、父の望みはもっともだと思った。 父は若い頃、陸上選手として活躍し、健康そのものだったので兵隊として戦争に参加した。だが、病気になり、外地から戻って来たそうだ。
 その後の長い闘病生活は我慢の連続、耐えて努力して81歳まで誠実に生きた。(略)
 父が亡くなって20年。遺品の箱を開けると、メモが見つかった。
「住み良い すみ世 すみよ すみ代 たぶん生まれた時刻 午后九時十五分」
 そのお陰なのか? 戦後71年、戦争のない時代が続いていることに感謝している。ありがとう。(略)
個人ではなく、社会レベルの「名は体をあらわす」もある。
昨年の卒業生がやってきた。表情が締まり、いい感じ。元気そうで一安心。

名前の番組

きのう、こんな番組があった。ことをきょう知った。

2016年8月25日(木)[NHK総合]19:30 - 20:43
NHK「古舘伊知郎の日本人のおなまえっ!」。
企画の背景は奈辺に。

ネットに動画があった。

2016/08/23

漢字をひらがなに変えたら……

 待合室で新聞を読んでいたら、名前にふれた記事があった。ねじめさんのインタビュー記事だ。

朝日新聞夕刊 2016年8月23日
人生の贈りもの:わたしの半生
詩人・小説家、ねじめ正一(68)[2]

 ――本名は禰寝(ねじめ)正一。
 言葉へのこだわりは名字から始まりました。初対面の先生がとにかく読めない。「俺だけ佐藤か鈴木に変えてくれ」とごねて、おやじにぶたれました。詩が初めて「現代詩手帖」にのったとき、ねじめに変えたら妙に落ちつきました。漢字のままだったら、詩も小説も違うものになっていたかもしれません。
 ルーツは大隅半島の豪族・禰寝氏だそうです。(以下、略)

 「現代詩手帖」に載ったのは何歳のときなのか知りたかったが、ネットでは調べきれなかった。経歴に「1981年、詩集『ふ』で第31回H氏賞を受賞」とあるので、1981-1948=33。つまり、それよりは若い時期だろう。店番姿をときどき見かけるので、たずねてみようか。
 漢字のままだったら、どんな詩や小説を書いていたのだろうか。
 リリアン・テルミ・ハタノさんの『マイノリティの名前はどのように扱われているのか―日本の公立学校におけるニューカマーの場合』の中に、こんな話が紹介されていた。
 在日外国人の子が、名前を「ひらがなで書きたいのに、カタカナで書かないとダメ!」と言われたという。ねじめさんは「漢字で書かないとダメ!」とは言われなかった。

2016/08/22

「すいか」の「オマケ」



 ドラマになっていない分のシナリオが「オマケ」で付いている『すいか 2』。

 旅行から戻って来た教授こと、夏子さん(浅丘ルリ子)

 「私には、死というものはないの。死んだ瞬間、死んだと考える私はすでにいないからです。(みんなを見回して)いいですか、私にあるのは、生きることだけです」

 「居てよしッ!」の木皿泉さん、2003年のシナリオだ(12)。



ドラマはファッションがすてきだった。制服のベスト裏の刺繍も。家もいい。住人も、食事も。

2016/08/21

Doing History ! 座談会


福岡市美術館クロージング/リニューアル特別企画展の企画

歴史する! Doing History !

https://twitter.com/doing_history/status/767192178305093632

話し手は3人。川端浩平さん、岸政彦さん、対照的な二人。三番目に手塚夏子さん。

保苅実さんという人を初めて知った。34歳で夭逝。歴史学者のようで文化人類学者。展覧会名も彼の言葉から。

キュレーターは正路佐知子さん。

構造上、無口だったかもしれない

 ネアンデルタール人も原始言語を持っていた。その言葉さえ理解できれば、われわれ現生人類とも会話することができそうだが、居酒屋に誘うことはお勧めできぬ。話は弾まず、あまり愉快な会になりそうもない。というのも、ネアンデルタール人はかなり無口だったと考えられている。おしゃべりなわれわれとは異なり、頭蓋骨や気管、口腔(こうこう)の構造上、複雑な言語音を発声するのが困難で、せいぜい叫び声やうなり声が精いっぱいだったそうだ。ネアンデルタール人と現生人類の脳の重さはさほど変わらぬが、「誰かに何かを知らせる」という能力の低さが、クロマニョン人にのみ込まれ、絶滅した理由の一つという説もある。
(2016年8月21日東京新聞「筆洗」から)

 奈良貴史『ネアンデルタール人類のなぞ』(岩波ジュニア新書)を読もうか。

2016/08/19

稚内、石川、山形、秋田

銀行の本を読んでいたら、「リレバン」ということばが出てきた。
あのヴィレヴァンでもないし。
調べたら、relationship bankingの略語だった。
金利などのハードウェアは各行横並び。差を付けられない。そこで出てきた戦略が経営アドバイスなど相談サービス付き融資(相談は有料)。ねらいは顔の見える関係、結びつきつくり。「選ばれる銀行に」ということらしい。
事例としてあがっているのは、この4行。稚内信用金庫(リスクをとるための「やせ我慢経営」、北國銀行(営業ノルマを捨てた地銀)、きらやか銀行(本業支援というビジネスモデル)、北都銀行(「地域課題解決」で再スタート)。
地域密着ばかり。

2016/08/18

名前どおり……3「波」

「リオ飛び込み代表 板橋 名前に込めた母の思いと献身サポート」
『女性自身』 8月17日6時1分配信

 「まさか娘がオリンピックに出場できるなんて思いもよりませんでした。主人は最近まで、ほとんどルールも採点方法も知らなかったですし……」

 そう控えめな口調で語るのは、水泳飛び込み女子・10m高飛び込みの板橋美波選手(16)の母・美智子さん(45)だ。板橋選手は高校2年生。だが、世界でも彼女以外には誰もできない大技「109C」(前宙返り4回半抱え型)をひっさげ、リオ五輪に臨む。

 “美波”という名前はまさに飛び込みの選手にふさわしいが、両親にとって、この競技は未知の世界だった。美智子さんも父・秀彦さん(47)も、全国大会の出場経験もある柔道有段者なのだ。

 「ですから、『美波』と名付けたときも、飛び込みなんて全く頭になくて(笑)。後づけですが、海の波が光る美しさは心を落ち着けてくれますからね。そんな輝きとともに、美波が見る人を癒す存在になってくれたらと願っています」(美智子さん)。


 お母さんの名前が1文字入っている。

2016/08/17

【インタビュー法】2種類の質問スタイル

Rubin & Kruglanski (1997)から

・質問スタイル
 動作系→動詞の使用「なぜ犬を飼うの?」
 状態系→形容詞の使用「なぜ犬が好きなの?」

・回答パターン
 動作系質問の場合→テーマそのものを答える傾向がある「犬との付き合いが、楽しいから」
 状態系質問の場合→対象そのものについて答える傾向がある「犬は、わたしのよき理解者だから」

・騒音とインタビュー場面
 騒音状況は終結欲求(話を早く終えたいという欲求)を高めるため、状態系質問が好まれる。一方、状態系質問はインタビュアーに対する好意度を低下させる→状態系質問は最後に持ってくるようにする

Rubin & Kruglanski (1997)
J Pers Soc Psychol. 1997 May;72(5):1047-60.
Brief encounters ending in estrangement: motivated language use and interpersonal rapport in the question-answer paradigm.

日本語はどうなのだろう。

2016/08/16

「日常」と「自身の生」を肯定する

SEALDs(自由と民主主義のための学生緊急行動)解散
10時から記者会見。
奥田愛基(あき)さん(24)。
「安倍政権にNOだからだけでやってきたわけじゃない。大事なのは日常と自身の生を肯定すること。どう生きたいかを思い悩み、この社会何なんだと問いかけながら、逃げずに答え続け活動してきた」。
坂東昌子さんのエッセイ「終戦の日に」で知った(東京新聞夕刊「紙つぶて」)。以下、抄録。

デンマーク国王クリスチャン十世はナチスに降伏、代わりに民主制度(議会政治、司法の独立、自由選挙)を守るよう取り付けた。ナチスの敗北後、国王は「われわれが達成したのは国土を空爆から守り、破壊を防いだこと」と、前首相に言ったという。名誉は失ったが、市民を守った誇りが見える。「見かけは無抵抗だが、強い意志に支えられたしたたかな戦略だ。世論が暴力を許さない断固たる姿勢を示すなら、独裁者もむちゃができない。市民に強く支持されたからこそ、国王も断固とした姿勢を貫けた。なぜ、こんなことができたか。私は格差のない国だったからではないかと推察する。どうだろうか」。

この間の経緯は、土野繁樹さんの記事「デンマーク人の勇気 ナチスからユダヤ系市民を守った物語」で詳しく紹介されている。

2016/08/15

すてきな逆転

 穂村弘のエッセイ集『鳥肌が』。

 しおり(スピン)がピンク色の細い糸の3本立て。カバーの人の部分がポツポツがあって、触ると鳥肌(絵:えつこミュウゼ)。

 装丁を祖父江(そぶえ)さんと藤井遥(cozfish)さんが手がけている。

 この本、目次が「あとがき」のあとにある。一瞬、索引かと思ったが、確かに目次。読んだ点検に使える。


名前どおり…… 2「銀河」

 トランポリン男子で4位入賞した 棟朝銀河選手(22)

 「宇宙に、銀河に羽ばたくような人になってほしい」と、妊娠してすぐに思いついた名前。命名者は、母親の京子さん。性別もわからない段階で母子手帳に、棟朝銀河(むねとも・ぎんが)と書き込んだ。
(東京新聞2016年8月15日朝刊を改変)
 本人は、どう思っているのだろう。
 あまり見かけない名前には、命名の背景が載る。名前は物語に欠かせない要素。

2016/08/14

気になる書名


 翻訳書なのに、この書名。いったい、どのようにして「翻訳」したのだろう。

翻訳できない 世界のことば
エラ・フランシス・サンダース
前田まゆみ訳 創元社

 原著名はLost in Translation
 中を見て納得。「翻訳できない」は、一対一対応では訳しきれない言葉という意味。したがって、説明を長くすれば、「翻訳」できる。

 日本語では、BOKETTO、TSUNDOKUKOMOREBIWABI-SABIが登場する。
 BOKETTO。「日本人が、なにも考えないでいることに名前をつけるほど、それを大切にしているのはすてきだと思います」。だそうですよ。
 おかしかったのはKABELSALAT。ドイツ語だ。直訳は「ケーブル・サラダ」。さて、どういう意味でしょう。最近増えているのが、AKIHI(ハワイ語)。
 気に入ったのがMERAKI。ギリシャ文化の極意である。

2016/08/13

名前を味わう

 姓は、温。名は又柔。合わせて「おん・ゆうじゅう」と言います。
 続けて言うと「おんゆうじゅう」。
 ちょっぴり、おまじゅう、に似ているのが自慢です。
 昔は、自分の名前があまり好きではありませんでした。こんなへんてこな名前なんかではなく、もっと日本人っぽい、ふつうの名前だったらよかったのになあ、と思っていたのです。子どもの頃のわたしにとって、「ふつう」とは、「日本人っぽさ」のことでした。
 わたしは、一九八〇年に台北で生まれました。生まれた台湾には、ほんの三年足らずしか住んだことがありません。

 高校の中国語の授業で(略)。中国人の先生は、大学院の留学生でまだ二十代前半。その彼女が感嘆する。
 —— わあ、とってもやさしそうな名前ね!
 中国人の先生が発音したわたし自身の名前の響きが、わたしはナツカシカッタ。
 ウェンヨウロウ。中国語で「やさしい」を意味するコトバは、温柔、と書いて、ウェンロウ。父は、「温」という姓と呼応させたときに最高の名前をわたしに与えたかったという。それで、わたしの名前は「又柔」となった。

 最近、自分の姓名が、韓国語では、온유쥬、と書くのだと知った。
 「온」で「オン」。「유쥬」の二文字で、「ユ・ジュ」。
 オンユジュ、という音をあらわす三つのハングルは、子どもが三人仲良く並んでいるようで愛らしい。온유쥬、온유쥬、온유쥬……自分の名前をあらわすハングルを何度も書いて遊ぶ。「温又柔」を、ウェンヨウロウ、と名乗っていたら、韓国語によるわたしの姓名はこの綴りではなかったのだな、と思いながら。

温又柔『台湾生まれ 日本語育ち』白水社から

 「又」は右手を表す象形文字、「右」の原字。かばう・たすける(佑)の意があり、「友」「有」の原字でもある。



2016/08/12

ハヌル庭園

上に見える門は「不老門」(불로문、プルロムン)。

「王の不老長寿を願う意味で、昌德宮演慶堂の入口に建てられた石門をハヌル庭園に再現しました」。

韓国講座を学生たちと受講。

2016/08/09

名前通り……「凌」

 いつのまにかオリンピックが始まっていた。
 体操男子団体の優勝に貢献した加藤凌平選手(22)。父親は元体操選手の裕之さん。
 名前には彼の思いがこもっていた。「私の得意だった平行棒で、父を凌いでほしい」。
ならば「平」は、平行棒の「平」だろうか。探したら2年前の記事(スポニチ、2014/10/13付け)にあった。

加藤「平行棒は僕の名前の由来」父のDNA受け継ぐ銅
体操世界選手権最終日 (2014年10月12日  中国・南寧)

 降り技の「後方屈身2回宙返り」で着地をぐっとこらえると、加藤凌平(21=順大)が両拳を力強く突き上げた。思い入れの強い平行棒で銅メダル。「ここ一番でいい演技ができた。平行棒は僕の名前の由来」。
 コナミで内村や田中を指導する父・裕之氏は選手時代、平行棒で自身の名前が付いた技も残した。その種目から「平」の1文字を取り、「自分を凌駕する子になってくれたら」との願いを込めて命名した。
 予選から難度を上げても揺るがなかった安定感。「父を超えたか分からないが、胸を張ってメダルを獲れてうれしい」という息子に、日本代表コーチの父は「勝負強いところはDNAかな」と目を細めた。

 曰くのありそうな名前だと生活史にふれてもらえる。
長崎原爆の日
被爆者代表、井原東洋一(とよかず)さんの「平和の誓い」。
オバマ大統領の広島演説冒頭「71年前、雲一つない明るい朝、空から死が落ちて来て、世界は変わった」に、「落ちたのではない、米国が、落としたんだ」。広島はウラン型、長崎はプルトニウム型。「二種類の原爆による実験ではなかったのか」。



2016/08/01

きのう、きょう、とオープンキャンパス

今年は仕事が割り当てられていなかったが、別の用事で大学に行ったため、ようすをみることができた。
きょうは月曜日。夏休みとは言え、ふだんの大学のようすも見られる日の設定も悪くない。というのが第一印象だ。
帰りの電車。
やせ気味の老母と、彼女を脇から支える娘の二人組が乗って来た。少しよろよろしている。席を譲ろうと立ち上がったら、「シルバーシートまで行くからいい」と固辞された。しかし、そんな余裕があるようには見えない。シルバーシートまで行かなくたっていいのに、と腰をおろそうとしたら、隣の女性がすくっと立ち上がった。けっきょく、その席に老母は座った。
以下、老母と娘とのやり取り。
どうやら、施設からの外泊で、自宅に戻る途中らしい。夕食をそこですませてきたのか、そのようすを見ていたらしい娘がお母さんに言う。
「もっと食べないと、どんどんやせちゃうよ」。
幸い、ボクの母は食べていたほうなので、こうしたことを言った記憶はないが、それでも、「〜しないと、〜ちゃうよ」は言ったことがある。
「歩かないと、足が衰えちゃうよ」。
実質的に脅迫メッセージだ。いまだったら、言わないだろう。が、当時は口にしてしまった。
言われる身になったら、言えっこない。でも、ボクも言われるのだろうか。

フルネームで呼んでくれてありがとう

スティールの『 ステレオタイプの科学 』に、こんなエピソードが紹介されている。  ある伝説の英雄と同姓同名の人物に出会ったことで、研究上の疑問が解けたという話である。  シャーマン・ジェームズは、人種による健康格差の問題に取り組む公衆衛生研究者である。たとえば、アメリカの黒人は白...